『ビジネス化する性暴力 ~性暴力の法市場化に抵抗する政治の再構成 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
ビジネス化する性暴力 |
サブタイトル |
性暴力の法市場化に抵抗する政治の再構成 |
著者 [著者区分] | ■キム ボファ [著・文・その他] ■影本 剛 [翻訳]
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出版社 |
解放出版社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2600円 |
シリーズ |
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ページ数 |
344p
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Cコード |
0036 |
発売予定日 |
2024-12-13 |
ジャンル |
一般/単行本/社会 |
ISBN |
9784759268164 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
「虚偽告訴」「名誉毀損」「脅迫」「侮辱」「損害賠償」……。性暴力加害者は、性犯罪専門法律事務所からどのように減刑/無罪を購入するのか。韓国フェミニズム研究者による渾身のレポート。
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目次 |
日本語版序文
プロローグ
第 一章 法市場、性犯罪加害者を支援する
第一節 性犯罪専門法律事務所の登場
法律市場の開放と競争の深化
法律事務所によって企画される性暴力逆告訴
第二節 性暴力をめぐる法・制度の変化と性犯罪専門法律事務所の拡散
加害者厳罰主義の逆説
「存在するが存在していないに等しい」被害者の法律支援制度
性暴力事件解決の司法化
第 二章 お疲れでしょう? 減刑コンサルティングをしてさしあげます。
第一節 性犯罪専門法律事務所が発明した減刑と無罪の技術
示談確率を高めるための「ジェントルな」提案
減刑のための「真摯な反省」
社会的紐帯関係が明らかな加害者を構築する
選択的無罪戦略
第二節 性犯罪専門法律事務所によるオンライン加害者コミュニティの運営
情報と連帯に満ちたオンライン加害者コミュニティ
強調される悔しさと操作される自筆口コミ
専門化する加害者支援産業とカルテルの構築
第 三章 性暴力被害者、法廷に立つ
第一節 権利から責任へと再構成される「新被害者論」
性的自己決定権の誤読 ─ 女性の能力に対する逆説
新しい被害者言説
第二節 被害者と認められるための「再被害者化」
被害を立証するための証拠としての苦痛
正解が決められた被害者感情
コントロール困難な金銭的補償過程
第三節 逆転される被害者の位置性と法的従属化
逆告訴に抗する被害者の位置性
長期化する訴訟と従属される法的過程
第 四章 性暴力事件の解決とはなにか
第一節 法・制度が管理する性暴力
司法手続きから抜けおちる性暴力被害
処罰と治癒を担保できない司法手続き
管理される女性団体と保守化される言語
第二節 性暴力事件の解決をめぐる意味の再構成
非司法的解決の条件
状況を主導する時に可能な治癒と回復
繋がっていることを自覚する過程で構成される政治的責任感
社会構造的変化のための闘い
第 五章 「性暴力の政治」の再構成のための提案
第一節 理論的提案
「政治的なもの」としての性暴力
被害者感情の政治化
連帯の責任の言語
フェミニズムの政治の公共性
法の再想像化と批判的再想像
第二節 実践的提案
エピローグ
謝辞
付録1 研究参与者リスト
付録2 分析対象判決リスト
訳者あとがき |
著者略歴(キム ボファ) |
男性中心的な司法手続きと言説のなかで、女性に対する暴力がどのような構造のなかで、どのように交差して現れるのかを分析し、その意味と効果を研究している。性暴力被害者の支援と研究活動をするなかで、加害者たちは納得できない減刑と無罪を獲得する反面、被害者たちは逆告訴を被ることが頻繁にあることを確認した。このような現象に問題意識を持ち、性暴力の法的解決がどのように市場化され、性犯罪専門法律事務所がどのようなやり方で加害者の減刑事由をつくるのか、加害者はどのように法市場の合理的消費者になったのか、被害者は被害を認められるためにどのように自ら苦痛と感情を管理するのかなどを調査・分析した。この研究を整理した博士学位論文「性暴力事件解決の「法市場化」批判と「性暴力の政治」の再構成に関する研究」は多くのメディアの注目をあつめ、性暴力加害者を支援する「法市場化」問題を世の中に知らしめた。本書はその博士学位論文を修正・補完したものだ。
女性主義研究活動家。ジェンダー暴力研究所と韓国性暴力相談所付設研究所ウルリムで活動し、梨花女子大学女性学科で修士・博士学位を取得した。著書に『フェミニズム教室』… |
著者略歴(影本 剛) |
朝鮮文学研究・大学非常勤講師。著書に『近代朝鮮文学と民衆──三・一運動、プロレタリア、移民、動員』(春風社、二〇二四年)。日本語への訳書に高秉權『黙々──聞かれなかった声とともに歩く哲学』(明石書店、二〇二三年)、金賢京『人、場所、歓待──平等な社会のための3つの概念』(青土社、二〇二〇年)、李珍景『不穏なるものたちの存在論──人間ですらないもの、卑しいもの、取るに足らないものたちの価値と意味』(インパクト出版会、二〇一五年)、共訳書にクォンキム・ヒョンヨン編『被害と加害のフェミニズム──#MeToo以降を展望する』(解放出版社、二〇二三年)がある。 |