『唐代小説集『河東記』詳注 上・下』の詳細情報

唐代小説集『河東記』詳注 上・下
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タイトル 唐代小説集『河東記』詳注 上・下
サブタイトル
著者 [著者区分]■赤井 益久 [翻訳]
■岡田 充博 [翻訳]
■澤崎 久和 [翻訳]
出版社 汲古書院 レーベル
本体価格
(予定)
25000円 シリーズ
ページ数 716p Cコード 3097
発売予定日 2024-05-27 ジャンル 専門/単行本/外国文学小説
ISBN 9784762967450 判型 B5
内容紹介
【「はじめに」より】(抜粋)
 『河東記』は、唐の開成(八三六〜八四〇)頃の成立と推測される、志怪伝奇小説集である。周知のように中国古典小説は、唐代(六一八〜九〇七)において飛躍的な発展を遂げ、特に中晩唐期には、後世名作と称される短編や著名な作品集を輩出した。当時の知識人層が小説という新しいジャンルに大きな関心を寄せる風潮のなかで、この小説集も誕生したと考えられる。
 ただ、この時代の多くの小説集と同様、『河東記』成立に関する詳細は不明で、しかも早くに散逸して伝わらない。『太平広記』をもとに収集できる現存作品は三十四篇で、中国文学史あるいは小説史の記述においても、しばしば省略の憂き目に遭っている。そうした知名度の低い、謂わば埋もれかけた小説集ではあるが、現存の諸篇を通覧してみると、貴重な資料的価値や、高い文学的完成度を有する作品に行き当たって思わず胸弾むこともある。たとえば「板橋三娘子」の一篇は、実は古代インドの説話集『カター・サリット・サーガラ』や、アラブの長編物語『アラビアン・ナイト』と繋がりを持つ翻案小説で、唐代における異域からの説話の伝播と変容を具体的に示してくれる。「蕭洞玄」の話も翻案小説で、「杜子春」(芥川龍之介の同名小説の原話として知られる)と共に、玄奘『大唐西域記』が中国に伝えたインドの民間伝承を原話としている。また化虎譚の「申屠澄」は、著名な「李?(人虎伝)」とは趣を異にした秀作と言えよう。
【本書の特色】
〇『河東記』は、神仙や鬼神の話が半数以上占めるが、夢・報応・再生・道術・幻術などの話も収録する。
〇長短入り混じった作品群は、志怪風記事が見られる一方、現実あるいは史実との強い繋がりを覗かせる。
〇訳注に当たっては、【原文】【訓読】【訳】【校記】【注】【参考】順に示した。
〇【注】においては、語義に限らず、時代を遡っての用例・表現にも留意した。【参考】には、類話や関連する資料、収録文献・論考・邦訳まで記した。
〇底本は、1961年中華書局排印の新一版『太平広記』を使用した。
目次
はじめに …………………………………………………………………………………………… 岡田充博
上 巻
第一話 黑   叟  色黒爺さんの美人妻     第二話 蕭洞玄   沈黙の行
第三話 慈恩塔院女仙 月夜に詩を詠む仙女     第四話 葉靜能   酒壺となった道士
第五話 韋   丹  大亀の報恩          第六話 呂 群   召使いに殺された主人
第七話 李 敏 求  落第生の地獄巡り       第八話 獨孤遐叔  二人同夢
第九話 胡 媚 兒  何でも吸い込む瓶の魔術    第十話 板橋三娘子 人を驢馬に変える女将
第十一話 盧  佩  土地神を妻にした男      第十二話 党國淸  神に招かれた大工
第十三話 柳  澥  泰山主簿になった男      第十四話 王 錡  蒙恬に見込まれた男
第十五話 馬  朝  わが子の身代わりになった兵士
第十六話 韓  弇  死んだ友人の頼み事
第十七話 韋 浦  幽鬼の従者
下 巻
第十八話 鄭  馴  死者との同行  第十九話 成叔弁  鬼神からの求婚
第二十話 送書使者  鬼の拐かし  第二十一話 臧 夏  凶宅の歌姫
第二十二話 踏歌鬼  踊る鬼  第二十三話 盧 燕  新昌里の鬼
第二十四話 韋齊休  家事を取り仕切る死者  第二十五話 段 何 幽鬼からの縁談
第二十六話 蘊都師  夜叉に喰われた僧
第二十七話 許 琛 鴉鳴国に誤認連行された男
第二十八話 崔 紹  猫を殺して冥府で裁判
第二十九話 辛 察 紙銭を焼いて生き返るまで
第三十話  龔 播  金人と塩商人  第三十一話 申屠澄 虎女房を娶った県尉
第三十二話 盧從事  馬に転生して償債  第三十三話 李知微 鼠の猟官運動
第三十四話 李自良  鷹匠の出世
附 論
一、吞馬吞牛の術 ………………………………………………………………………………… 岡田充博
二、琵琶占い ……………………………………………………………………………………… 岡田充博
三、クシャミの俗信 ……………………………………………………………………………… 岡田充博
四、唐代小説「辛察」と「煎餠招鬼」 ………………………………………………………… 澤崎久和
  一、「辛察」の梗概とその末尾
  二、「煎餅」と妖異の出現
    (一) 「孟不疑」(『太平広記』巻三六五・妖怪七)
    (二) 「秄児」(『太平広記』巻三六六・妖怪八)
    (三) 「恵恪」(『酉陽雑俎』前集巻一五・諾皐記下)
  三、『北夢瑣言』の逸文「煎餅招鬼」
  四、魏式の死と唐代小説「辛察」の構成
初出一覧
あとがき ……………………………………………………………………………………………… 澤崎久和
索 引(語句・事項・文献名)
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