『ホロコーストと〈愛〉の物語 ~The Holocaust and Love Stories ~ 』の詳細情報
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タイトル |
ホロコーストと〈愛〉の物語 |
サブタイトル |
The Holocaust and Love Stories |
著者 [著者区分] | ■広瀬 佳司 [編集] ■伊達 雅彦 [編集]
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出版社 |
彩流社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2500円 |
シリーズ |
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ページ数 |
224p
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Cコード |
0098 |
発売予定日 |
2024-07-12 |
ジャンル |
一般/単行本/外国文学、その他 |
ISBN |
9784779129834 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
執筆者(9名)の異なる視点からホロコースト下で
繰り広げられる人間ドラマの分析!
毎日、深刻なウクライナ情勢が報道されている。それに加え、ガザ地区を実効支配しているハマスとイスラエルの対立、中東の紅海などで商船への攻撃を繰り返すイエメンの親イラン武装組織「フーシ派」に対して、米軍と英軍は合同で新たな攻撃を行い、中東戦争が次第に広まる兆しすらある。今までに例がないほど日本人も戦争の行方に深い関心を抱き、個人としても寄付や平和活動をしている人も多数いる。ユダヤ系アメリカ文学に携わる研究家として我々も改めて歴史的なホロコーストの意味を見つめ直し、負の歴史から多くを学ぶべきであろう。本書の狙いは、ホロコーストを背景に持つ物語が、男女の愛情、関係に多くの描写を取っていることに着目し、「ホロコースト」という極限の状況下で、愛の果たす役割とその絆が、いかに描かれているかを吟味することである。
ホロコーストは今までの歴史に例を見ないユダヤ人が経験した大量虐殺である。奇跡的に死の収容所で生き残った人々、ホロコースト生存者のみならず、ホロコースト生存者の第二世代、第三世代にも多大な精神的な後遺症(心的外傷後ストレス障害)を残したことは想像に難くない。そのために、ホロコーストの話題はほとんど「愛の物語」とは結び付かない。しかし、ユダヤ系の文学にはそうした恐怖と同時に、人々を救った「愛の物語」も展開されている。その愛の力を通して、ユダヤ人たちが救われ、それまでのドイツ人やポーランド人に対する憎悪の念を超え、許しと相互理解へと進むユダヤ系の人々の姿が力強く描かれている。ホロコースト後のユダヤ系文学の新たな積極的側面「愛の物語」の世界を紹介できていることを願う。一人でも多くの人に、積極的でたくましいホロコーストの新たな側面を感じ取っていただければ幸甚である。
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目次 |
第1章 ポスト・ホロコーストの架空言語空間――愛の諸相(広瀬佳司) 第2章 ハーヴィ・シャピロのホロコースト詩にみる「同胞愛」を通したアイデンティティの確立(風早由佳) 第3章 狂気を生きる愛(佐川和茂) 第4章 ホロコースト後のトラウマ、回復、そして愛(アダム・ブロッド著/篠原範子訳) 第5章 ポール・オースターのポスト・ホロコースト文学(内山加奈枝) 第6章 ニコール・クラウス『ヒストリー・オブ・ラヴ』(三重野佳子) 第7章 見えない記憶に橋を架けて(秋田万里子) 第8章 『家へ帰ろう』に描かれた主人公アブラハムの変容と愛と赦しの諸相について(鈴木久博) 第9章 ポスト・ホロコースト映画としての『愛を読むひと』(伊達雅彦)
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著者略歴(広瀬 佳司) |
1954年、栃木県生まれ。関西大学客員教授(文学博士)、ノートルダム清心女子大学名誉教授。1991年「『雪片曲線』への冒険」で第25回・関西文学賞受賞。1998年、第一回日本マラマッド協会賞学術部門受賞。著書に『ユダヤ世界に魅せられて』(2015年、[増補版]2019年、[増補新版]2020年)、『Glimpses of a Unique Jewish Culture From a Japanese Perspective: Essays on Yiddish Language and Literature』(2021年)、『ユダヤ系文学に見る聖と俗』(共編著、2017年)、『ユダヤの記憶と伝統』(共編著、2019年)、『ジューイッシュ・コミュニティ』(共編著、2020年)などがある。 |
著者略歴(伊達 雅彦) |
尚美学園大学教授。 共編著、執筆書に『ユダヤ系文学に見る聖と俗』(2017年)、『ホロコースト表象の新しい潮流』(2018年)、『ユダヤの記憶と伝統』(2019年)、『ソール・ベローともう一人の作家』(2019年)、『ジューイッシュ・コミュニティ』(2020年)などがある。 |