『広告文化の社会学 ~メディアと消費の文化論 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
広告文化の社会学 |
サブタイトル |
メディアと消費の文化論 |
著者 [著者区分] | ■宮﨑 悠二 [著・文・その他] ■藤嶋 陽子 [著・文・その他] ■陳 海茵 [著・文・その他] ■有賀 ゆうアニース [著・文・その他] ■関根 麻里恵 [著・文・その他] ■谷本 奈穂 [著・文・その他] ■小川 豊武 [著・文・その他] ■宇田川 敦史 [著・文・その他] ■飯田 豊 [著・文・その他] ■陳 怡禎 [著・文・その他] ■加島 卓 [著・文・その他]
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出版社 |
北樹出版 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2400円 |
シリーズ |
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ページ数 |
172p
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Cコード |
3036 |
発売予定日 |
2024-10-15 |
ジャンル |
専門/単行本/社会 |
ISBN |
9784779307621 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
《定価:税込2,640円》
私たちの生活に存在する無数の広告。特に近年、デジタルメディアの普及によって、その役割や表現、手法は多様化し、私たちの生活様式やものの見方、購買行動に大きな影響を与えている。 本書は、広告の現状や課題と、広告をめぐる私たちの日常体験について、マーケティング的な視点からではなく、文化との結びつきをとらえるような社会学的観点から考える。 第1部では、伝統的かつ現代においても中心的である、広告の「シンボル」という機能について、エスニシティ、ジェンダー、美容、青春をトピックとして論じ、広告と私たちの社会に共有される価値の関係を捉える。 第2部では、商品やサービスについての情報を提示する、広告の「シグナル」としての側面について、パーソナルデータに基づく広告表示や、ランキング、口コミの3つのテーマから論じる。 第3部では、都市における広告展開や企業のPR活動、政治家によるプロパガンダ、一種の推し活としてファンが担う「応援広告」などを具体例を交えて取り上げ、私たちの日常の中で多様な形態をとる「広告」や「広告的なもの」について論じる。 第4部では、より俯瞰的かつ抽象的な視野で広告を捉えるため、広告産業の歴史や、広告制作者の仕事の捉え方と広告批評の役割、広告についての社会学的思考の系譜をトピックとして、理論や歴史について整理していく。そして最後に広告文化を倫理の面から捉え、広告のあるべき姿や善悪の問題、私たちの広告との付き合い方について議論するための視点を提示する。
[編者] 宮﨑 悠二(編者、7・12・14・15章) 藤嶋 陽子(編者、第5・15章) 陳 海茵(編者、第9・10・15章)
[執筆者] 有賀ゆうアニース(第1章) 関根 麻里恵(第2章) 谷本 奈穂(第3章) 小川 豊武(第4章) 宇田川 敦史(第6章) 飯田 豊(第8章) 陳 怡禎(第11章) 加島 卓(第13章)
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目次 |
第Ⅰ部 シンボルとしての広告 第1章 広告表現とエスニシティ:マジョリティ・マイノリティ関係の観点から[有賀 ゆうアニース] 第1節 広告とエスニシティを問うために 第2節 広告表現のなかのマジョリティとマイノリティ 第3節 エスニシティの広告表現を巡る争点 第4節 広告表現とエスニシティの考察を深めるために 第2章 公共空間における「女らしさ / 男らしさ」の表象:公共広告、プロモーション動画、映画ポスターを例に[関根 麻里恵] 第1節 刷り込まれた性別二元論と女らしさ / 男らしさ 第2節 アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)とは 第3節 映画ポスターは誰に向けられたもの? 第4節 身の回りの広告を観察してみよう 第3章 美容クリニックの広告:規制と批判の間で[谷本 奈穂] 第1節 美容クリニック広告へのアプローチ 第2節 美容クリニック広告の歴史 第3節 ウェブ広告の分析 第4節 より良い美容クリニック広告に向けて 第4章 反復される「普通の青春」:テレビCMのなかの「高校生」[小川 豊武] 第1節 テレビCMが描く「青春」 第2節 テレビCMという実践 第3節 事例分析:清涼飲料水のCMが描く「青春」 第4節 反復される「普通の青春」
第Ⅱ部 シグナルとしての広告 第5章 あなたに“最適な”広告:パーソナルデータに基づく広告の仕組みと課題[藤嶋 陽子] 第1節 デジタルマーケティングの発展とネット広告 第2節 デジタルプラットフォームを支える広告 第3節 データを提供することは警戒するべきか? 第4節 データ駆動型社会における消費 第5節 データを活用した広告 第6章 ランキングと広告の「客観性」[宇田川 敦史] 第1節 ランキングのもつ二重のシグナル 第2節 ランキングの複合的な系譜 第3節 ランキングと「ネイティブ広告」 第7章 口コミはなぜ広告文化の問題になるのか[宮﨑 悠二] 第1節 私たちを取り囲む「口コミ」 第2節 コミュニケーションの二段の流れ 第3節 「口コミ」の起源を巡る2つの「誤解」 第4節 「口コミ」の誕生 第5節 広告を後ろ側から映し出す「口コミ」
第Ⅲ部 かたちを変える広告 第8章 広告都市の地層:メディア技術とのかかわりを中心に[飯田 豊] 第1節 都市広告の系譜:1960年代まで 第2節 ふたつの万博を手掛かりに:1970~80年代 第3節 広告都市の社会学:舞台化/脱舞台化/再舞台化 第4節 見えない都市 第9章 芸術と共振するブランド・コミュニケーション[陳 海茵] 第1節 「ラグジュアリー」を創り上げる:芸術と共振するブランド戦略 第2節 「私はだれなのか」を提示するブランド・コミュニケーション 第3節 ブランド・アイデンティティと消費の文化的側面 第4節 記号化されるブランドと「〈私〉探しゲーム」 第5節 拡張を続けるブランド・コミュニケーション 第10章 政治活動と広告:プロパガンダ・選挙マーケティング・主旋律コンテンツ[陳 海茵] 第1節 戦時下における国策動員のための政治宣伝 第2節 アメリカにおける選挙運動のための広告 第3節 現代中国における愛国思想のための宣伝 第4節 より身近なプロパガンダと選挙広告を考えるために 第11章 アイドルファンと応援広告:公的空間における私的な会話[陳 怡禎] 第1節 コミュニケーション空間としての「応援広告」 第2節 「プロシューマ―」としてのファン 第3節 ファンコミュニティの可視化と価値創出 第4節 外向的コミュニケーションなのか、内向的コミュニケーションなのか
第Ⅳ部 これまでとこれからの広告 第12章 日本の広告産業の歴史:広告企業の呼称と機能の変遷[宮﨑 悠二] 第1節 広告産業と広告企業 第2節 広告取次業の時代:新聞時代のスペースブローカー 第3節 広告代理店の時代:テレビ時代のマーケティング・クリエイティブカンパニー 第4節 広告会社の時代:多メディア時代のコミュニケーションカンパニー 第5節 事業開発パートナーの時代:インターネット時代のビジネスパートナー 第6節 メディアの政治経済学 第13章 広告制作者と広告批評[加島 卓] 第1節 マーケティングとクリエイティブの調整 第2節 広告制作とグラフィックデザイナー 第3節 広告制作者は何をしているのか 第4節 ジェンダー炎上と広告批評 第14章 広告についての社会学的思考[宮﨑 悠二] 第1節 広告マーケティング論的なとらえ方:個人の心理過程の変容 第2節 広告の社会学的なとらえ方:「意味づけ」と「システム」 第3節 広告の記号論:「意味づけ」のシステムを批判する 第4節 記号論をこえて:広告受容のあり方の重視 第5節 デジタル以降の広告論:シグナルとしての広告 第15章 広告文化と倫理[宮﨑悠二・藤嶋陽子・陳海茵] 第1節 広告内容の真偽 第2節 広告表現の善悪 第3節 広告の仕組みについての「悪さ」 第4節 よりマシな社会へ |
著者略歴(宮﨑 悠二) |
宮﨑 悠二(みやざき ゆうじ)(編者、7・12・14・15章) 東京大学大学院学際情報学府博士課程、中央大学法学部兼任講師 主著:「いかにしてテレビを批判することができるのか──大宅壮一による『一億総白痴化』論のテクスト実践の分析」『年報社会学論集』(35 号、2022 年)、「1960 年代初頭における『クチコミ』の概念分析──『オピニオン・リーダー』との結び付きに着目して」『マス・コミュニケーション研究』(98 号、2021 年) |
著者略歴(藤嶋 陽子) |
藤嶋 陽子(ふじしま ようこ)(編者、第5・15章) 立命館大学産業社会学部准教授 主著:『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ』(共編著、フィルムアート社、2022 年)、『ソーシャルメディア・スタディーズ』(分担執筆、北樹出版、2021 年)、『ポスト情報メディア論』(分担執筆、ナカニシヤ出版、2018 年) |
著者略歴(陳 海茵) |
陳 海茵(ちん かいん)(編者、第9・10・15章) 東京工科大学メディア学部助教 主著:『アートの値段 現代アート市場における価格の象徴的意味』(翻訳、中央公論新社、2023 年)、『埼玉大学教養学部リベラルアーツ叢書14 観客と共創する芸術Ⅱ』(共編著、埼玉大学人文社会科学研究科・教養学部、2022 年) |
著者略歴(有賀 ゆうアニース) |
有賀ゆうアニース(あるがゆうあにーす)(第1章) 大阪公立大学経済学研究科特別研究員PD 主著:「「混血児」としての経験と累積する差別」『年報社会学論集』(37 巻、2024年)、「だれが「ハーフ」としてソーシャルメディア上で語るのか」『メディア研究』(103巻、2023年)、「戦後「混血児問題」における< 反人種差別規範> の形成」『社会学評論』(72巻5号) |
著者略歴(関根 麻里恵) |
関根 麻里恵(せきね まりえ)(第2章) 主著:「「なかったこと」にしないための協同作業:『燃ゆる女の肖像』 における中絶表象」『早稲田大学総合人文科学研究センター研究誌= WASEDA RILAS JOURNAL』((10)、2022年)、「「ギャル(文化)」と「正義」と「エンパワメント」:『GALS!』に憧れたすべてのギャルへ」『現代思想』(48(4)、青土社、2020年)、『ポスト情報メディア論』(分担執筆、ナカニシヤ出版、2018年) |
著者略歴(谷本 奈穂) |
谷本 奈穂(たにもと なほ)(第3章) 関西大学総合情報学部教授 主著:『美容整形と化粧の社会学 新装版──プラスティックな身体』(新曜社、2019年)、『美容整形というコミュニケーション──社会規範と自己満足を超えて』(花伝社、2018年)、『恋愛の社会学──「遊び」とロマンティック・ラブの変容』(青弓社、2008年) |
著者略歴(小川 豊武) |
小川 豊武(おがわ とむ)(第4章) 日本大学 文理学部社会学科 准教授 主著:『場所から問う若者文化──ポストアーバン化時代の若者論』(分担執筆、晃洋書房、2021年)、『二十一世紀の若者論──あいまいな不安を生きる』(分担執筆、世界思想社、2017年)、『〈若者〉の溶解』(分担執筆、勁草書房、2016年) |
著者略歴(宇田川 敦史) |
宇田川 敦史(うだがわ あつし)(第6章) 武蔵大学社会学部准教授 主著:『AI時代を生き抜くデジタル・メディア論』(北樹出版、2024年)、『プラットフォーム資本主義を解読する──スマートフォンからみえてくる現代社会』(分担執筆、ナカニシヤ出版2023年)、『ソーシャルメディア・スタディーズ』(分担執筆、北樹出版、2021年) |
著者略歴(飯田 豊) |
飯田 豊(いいだ ゆたか)(第8章) 立命館大学産業社会学部教授 主著:『[新版]現代文化への社会学── 90年代と「いま」を比較する』(共編著、北樹出版、2023年)、『メディア論の地層── 1970 大阪万博から2020 東京五輪まで』(勁草書房、2020年)、『テレビが見世物だったころ──初期テレビジョンの考古学』(青弓社、2016年) |
著者略歴(陳 怡禎) |
陳 怡禎 (ちん いてい)(第11章) 日本大学国際関係学部助教 主著:『ポピュラーカルチャーからはじめるフィールドワーク:レポート・論文を書く人のために』(分担執筆、明石書房、2022年)、『アイドル・スタディーズ──研究のための視点、問い、方法]』(分担執筆、明石書房、2022年)、『台湾ジャニーズファン研究』(青弓社、2014年) |
著者略歴(加島 卓) |
加島 卓(かしま たかし)(第13章) 筑波大学人文社会系教授 主著:『文化・メディア 岩波講座 社会学12』(分担執筆、岩波書店、2023年)、『オリンピック・デザイン・マーケティング:エンブレム問題からオープンデザインへ』(河出書房新社、2017年)、『〈広告制作者〉の歴史社会学:近代日本における個人と組織をめぐる揺らぎ』(せりか書房、2014年) |