『生活と言語 ~知の言語的統合を求めて ~ 』の詳細情報
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タイトル |
生活と言語 |
| サブタイトル |
知の言語的統合を求めて |
| 著者 [著者区分] | 川津 茂生 [著・文・その他]
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| 出版社 |
北樹出版 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2300円 |
シリーズ |
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| ページ数 |
224p
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Cコード |
1010 |
| 発売予定日 |
2025-12-23 |
ジャンル |
教養/単行本/哲学 |
| ISBN |
9784779307904 |
判型 |
46 |
| 内容紹介 |
| 認知科学の知見を踏まえ、意識に関する問題を検討する哲学論稿集。前二著では、一人称と三人称の対立を宥和する概念として「先駆的二人称」を提示。本作ではこの概念の考察を深め、〈二人称―媒介性―受容性―述語性〉という概念連関を辿りながら、述語性から主語性が生成され文が成立するなかで、命題や論理が抽出され、認知や意識が生成されるとする理論を展開する。言語的意味の生成過程の分析を敷衍して、意識生成のプロセスを把捉しようとする試み。
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| 目次 |
[目 次]
〈第1部 生の哲学と人称の理論〉
第1章 心は情報を処理しているのか――述語・文・命題・論理・計算の非可逆的順序について
第2章 同一性の起源――何がそれを生んだのか 1 時代の中の心理学―近代的自我の確立を求めて 2 自己同一性の確立の難しさ 3 文の主語・述語形式によって表明される自己同一性 4 文・命題・論理 5 論理的世界の自然かの誤謬 6 語りかけの同一化による始まり
第3章 言語に懐かれてある存在 1 日本語における述語性の優位 2 「美しい日本の私」vs.「あいまいな日本の私」 3 言語の普遍性を追求する文学と科学 4 文の始原へ遡る 5 述語から文へ 6 場面に包まれてあること 7 場面的媒体の浸潤 8 生体情報処理における媒体性の意味 9 言語発生史的思考 10 結語に代えて
第4章 主語としての意識――注意と意識の言語的構造 1 Attention の二つの意味 2 特徴の述語的記述 3 主体的表現としての述語的記述 4 受容性としての述語的記述 5 〈受容性の受容性〉としての主語的意識 6 述語的受容性の起源 7 偶然性と必然性の響き合い 8 受容と誕生 9 意識の理論 10 意識の階層性と自由
第5章 言語・論理・意識の発生機序についてーー〈受容性〉の重層的高次化を原理として 1 特徴情報の受容と統合――〈述語的記述〉と〈主語的表現〉 2 〈受容性〉の重層的高次化 3 脳内に生成する論理的構造のカプセル化 4 偶然性の要因 5 大数の法則と哲学的な問い
第6章 相互受容性の内在化としての認知過程 1 認知過程とは何か 2 前論理的な原理としての〈受容性〉 3 環境と個体における負のエントロピーの相互受容性 4 相互受容性の個体への内在化 5 主語・述語統合に基づく論理の生成 6 〈受容性〉の重層的高次化と主体的意識の生成 7 言語的構造の構築としてのニューラルネットの自己組織化 8 Receptivity からAcceptance への変貌 9 結 語
〈第2部 生の哲学と人称の理論〉
第1章 悲しみの中を歩き抜くことについて
第2章 転調する人称――公共的二人称へ
第3章 転調の季節 1 幼い日々の夢の記憶 2 人生の機微ということ 3 気分あるいは情状性について 4 晩秋の気分について 5 もの悲しさの意味について 6 ドラマティックな転調 7 静かな転調 8 転調としての自己抑制 9 現象学の地平 10 さらなる課題
第4章 心理学と人生――「患者の心理」(市原看護専門学校准看護学科)講義録から 1 人生と時 2 ひとりではないということについて 3 個人的な経験を通して公共的な世界に目覚めていくことについて 4 関わることと静けさ 5 学びつつ生きることについて 6 言葉を大切にすることについて
第5章 心理学と哲学の狭間で――「二人称」が開く世界を厳密な言葉で語る試み 1 例えとしてのランダムドット立体視 2 例えとしての精神科医の複眼的な見方 3 文学と心理学 4 科学的心理学の意味 5 生活へ立ち帰っての思索と探究 6 二人称はどこに在るのか 7 自然科学を越えていく思考 8 二人称を述語性として見る
〈第3部 随想――人との出会い、本との出会い〉 追悼 酒井修さん 時の中で読書する 初めて読んだ本 『安寿と厨子王』覚書 書店と読書 |
| 著者略歴(川津 茂生) |
川津茂生(カワヅ・シゲオ)
1953 年、千葉県山武郡成東町(現山武市)生まれ。千葉県立千葉高等学卒業。国際基督教大学卒業。ウェストヴァージニア大学卒業。ブリティッシュコロンビア大学大学院で学んだ後、コーネル大学大学院修了(Master of Science)。ATR 視聴覚機構研究所研修研究員、国際基督教大学教育研究所助手、国際武道大学助教授、同教授を経て、国際基督教大学教育研究所研究員および、木更津高等専門学校、亀田看護学校、市原看護専門学校にて非常勤講師を勤めた。退任後も、心理学と哲学を中心とした研究を続けている。日本心理学会、日本哲学会、日本基督教学会所属。著書に、『生活と思索――「先駆的二人称」を求めて』(北樹出版、2017年)、『生活と論理――人称のロゴスを求めて』(同、2020年)、『人物で読む心理学事典』(「トリーズマン,アン」の項目を分担執筆、朝倉書店、2024年)。ペディラヴィウム会、十和田短歌会会員。 |