『「最近の大学生」の社会学 ~2020年代学生文化としての再帰的ライフスタイル ~ 』の詳細情報
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タイトル |
「最近の大学生」の社会学 |
サブタイトル |
2020年代学生文化としての再帰的ライフスタイル |
著者 [著者区分] | ■小川 豊武 [編集] ■妹尾 麻美 [編集] ■木村 絵里子 [編集] ■牧野 智和 [編集] ■岩田 考 [著・文・その他] ■寺地 幹人 [著・文・その他] ■二方 龍紀 [著・文・その他] ■木島 由晶 [著・文・その他] ■羽渕 一代 [著・文・その他] ■浅野 智彦 [著・文・その他] ■久保田 裕之 [著・文・その他] ■辻 泉 [著・文・その他]
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出版社 |
ナカニシヤ出版 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2700円 |
シリーズ |
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ページ数 |
256p
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Cコード |
1030 |
発売予定日 |
2024-10-14 |
ジャンル |
教養/単行本/社会科学総記 |
ISBN |
9784779517679 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
Z世代? コロナ世代? スマホ世代? 君たちはどう生きているのか 貴重な大学生調査を丁寧に分析・考察することを通して、 さまざまにカテゴライズされる現代学生の複雑な実像に鮮やかに迫る!
学生たちの自己意識はどう変化したか、スマホやソーシャルメディアはどのような影響を与えているのか、人間関係はどう変化したのか、パンデミックはどのような影響を与えたのか――現代社会のキーワード「再帰性」を補助線に、貴重な大学生調査を丁寧に分析・考察し、「再帰的近代化」のなかで複雑に揺れる学生たちのリアリティに迫る。
本書の各章の分析は、再帰性を万能の説明概念として用いるのではなく、学生たちが置かれたさまざまな文脈に応じてその働き方にバリエーションが生じていることを示すものである。コロナ禍以降の再帰性の極限とも呼べる時代状況を、日本の大学生はどのように生きてきたのだろうか。彼・彼女らのライフスタイルにおいて再帰性はどのような意味を持っているのだろうか。現代の大学生の「再帰的ライフスタイル」の諸相をデータに基づいて丁寧に腑分けしていくこと、これが本書の目的である。(「序章」より)
執筆者紹介(執筆順,*は編著者)
小川 豊武* 所属:日本大学文理学部准教授 担当:はじめに・序章・第8章
妹尾 麻美* 所属:追手門学院大学社会学部准教授 担当:序章・第3章
岩田 考(いわた こう) 所属:桃山学院大学社会学部教授 担当:コラム1
牧野 智和* 所属:大妻女子大学人間関係学部教授 担当:第1章・コラム2・おわりに
寺地 幹人 所属:茨城大学人文社会科学部准教授 担当:第2章
二方 龍紀 所属:常磐大学人間科学部准教授 担当:第4章
木村 絵里子* 所属:大妻女子大学人間関係学部准教授 担当:第5章・おわりに
木島 由晶 所属:桃山学院大学社会学部准教授 担当:第6章
羽渕 一代 所属:弘前大学人文社会科学部教授 担当:第7章
浅野 智彦 所属:東京学芸大学教育学部教授 担当:第9章
久保田 裕之 所属:日本大学文理学部教授 担当:第10章
辻 泉 所属:中央大学文学部教授 担当:コラム3
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目次 |
目次
はじめに:コロナ禍における大学生の社会問題化
序 章 再帰的近代における大学生のライフスタイル コロナ禍の大学生を歴史的な文脈に位置づける 小川豊武・妹尾麻美
1 戦後日本のマスメディアにおける大学生像の変遷 2 青年・若者文化論/大学生研究で見過ごされてきたもの 3 本書の視角:再帰的近代における大学生のライフスタイル 4 調査データの説明と本書の構成
第1部 自己と社会
第1章 自己をめぐる再帰性はアイデンティティ形成に寄与するのか アイデンティティ資本モデルの経験的検討 牧野智和
1 アイデンティティ形成と自己をめぐる再帰性 2 再帰的態度の現状と「アイデンティティ資本」モデル 3 自己をめぐる再帰性はどのような効果を持つのか 4 考察:自己をめぐる再帰性について考えるべきこと
第2章 コロナ禍の大学生からみるインストゥルメンタル志向/コンサマトリー志向 公共的思考との関連の検討 寺地幹人
1 インストゥルメンタル志向とコンサマトリー志向のはざまで 2 大学生におけるインストゥルメンタル志向/コンサマトリー志向の分布 3 インストゥルメンタル志向/コンサマトリー志向と公共的思考の関連 4 インストゥルメンタル志向/コンサマトリー志向から公共的思考の醸成へ
第3章 格差社会における大学と大学生 大学種別に着目して 妹尾麻美
1 大学生の社会経済的背景 2 階層と進路選択に関する研究 3 使用する変数 4 出身階層・大学種別・生活行動様式 5 大学によって異なるライフスタイル
第2部 メディア・文化
第4章 SNS上の反応を気にするのはどのような学生か メディア利用と再帰性 二方龍紀
1 はじめに:大学生にとってのスマートフォン・SNS 2 若者のコミュニケーション・SNSと自己再帰性 3 再帰性とSNS上の反応を気にすることの関係 4 SNS上での反応を気にする大学生の特徴 5 考察:再帰性が高まる社会における若者とSNSの関係
第5章 ヴィジュアルコミュニケーションの現在 「スマホ写真」と自己意識の関係を探る 木村絵里子
1 スマートフォンと写真 2 日常写真と自己の関係 3 「スマートフォン写真」の実践 4 スマートフォン写真を規定する自己の意識 5 スマートフォン写真と視覚的自己
第6章 趣味は自己の安定性に影響を与えるか 自己の安定性・不確かさと好きな音楽ジャンルの関係を探る 木島由晶
1 再帰的ライフスタイルと趣味 2 若者の趣味をめぐる計量調査研究 3 音楽の好みと自己の安定性 4 趣味はどのような効果を持つのか 5 現代日本の大学生と音楽
第7章 ソーシャルスキル涵養と親の影響・趣味の影響 モバイルメディア利用とその課題 羽渕一代
1 モバイルメディア利用と社会関係 2 メディア依存とは 3 モバイルメディア利用の実態 4 親子とメディア利用 5 スマートフォン依存と環境 6 趣味活動とソーシャルスキル 7 ソーシャルスキルの涵養:趣味の力
第3部 親密性
第8章 ネット上では「つながって」いる大学生の不可視な孤独 脱埋め込み化した友人関係のなかの主観的孤独感を探る 小川豊武
1 問題設定:つながっているのに孤独? 2 先行研究の検討:メディアを介した友人関係と孤独感 3 分析方法:「つながり孤独」をどのように捉えるか 4 分析I:大学生の主観的孤独感と友人数の傾向 5 分析II:大学生の主観的孤独感の規定要因 6 再帰的な友人関係における不可視な孤独
第9章 再帰的自己と恋愛の現在 大学生の「草食化」を両極化論とリスク化論から考察する 浅野智彦
1 再帰性と恋愛:問題設定とその背景 2 草食化と再帰性 3 本章の問題:自己の再帰性は恋愛にどのような影響を与えるか 4 基本線となるモデル 5 再帰性項目を投入したモデル 6 再帰性の構造 7 考察:「わかりやすさ」とは別の仕方で
第10章 大学生の恋愛関係と友人関係 友だちが多いほど恋人ができやすい? 久保田裕之
1 はじめに:友人関係からも恋愛関係からも撤退する若者? 2 先行研究:私的関係におけるリスクと再帰性 3 調査概要:青少年研大学生調査2020 4 分析:恋愛と友人をめぐる複雑なジェンダー関係 5 議論:親密な関係性における資源と監視
おわりに:調査を振り返って
コラム1 大学生調査から何がわかるのか:その限界と可能性 岩田考 コラム2 「同調志向」がもたらすもの、遠ざけるもの 牧野智和 コラム3「失われたキャンパスライフ」再考:コロナ禍新入生の実態分析 辻泉
事項索引 人名索引 |
著者略歴(小川 豊武) |
日本大学文理学部准教授 主要著作:『場所から問う若者文化――ポストアーバン化時代の若者論』(第3章担当,晃洋書房,2021年) |
著者略歴(妹尾 麻美) |
追手門学院大学社会学部准教授 主要著作:『就活の社会学――大学生と「やりたいこと」』(単著,晃洋書房,2023年) |
著者略歴(木村 絵里子) |
大妻女子大学人間関係学部准教授 主要著作:『ガールズ・アーバン・スタディーズ――「女子」たちの遊ぶ・つながる・生き抜く』(共編著,法律文化社,2023年) |
著者略歴(牧野 智和) |
大妻女子大学人間関係学部人間関係学科教授 主要著作:『創造性をデザインする――建築空間の社会学』(単著,勁草書房,2022年) |
著者略歴(岩田 考) |
桃山学院大学社会学部教授 主要著作:『ケータイの2000年代――成熟するモバイル社会』(第6章担当,東京大学出版会,2014年) |
著者略歴(寺地 幹人) |
茨城大学人文社会科学部准教授 主要著作:『場所から問う若者文化――ポストアーバン化時代の若者論』(pp. 94–97. 担当,晃洋書房,2021年 |
著者略歴(二方 龍紀) |
常磐大学人間科学部准教授 主要著作:『検証・若者の変貌――失われた10年の後に』(第3章担当,勁草書房,2006年) |
著者略歴(木島 由晶) |
桃山学院大学社会学部准教授 主要著作:『社会をひらくスポーツ人文学――身体・地域・文化』(第3章担当,嵯峨野書院,2024年) |
著者略歴(羽渕 一代) |
弘前大学人文社会科学部教授 主要著作:『現代若者の幸福――不安感社会を生きる』(共編著,恒星社厚生閣,2016年) |
著者略歴(浅野 智彦) |
東京学芸大学教育学部教授 主要著作:『自己語りの社会学――ライフストーリー・問題経験・当事者研究』(共編著,新曜社,2018年) |
著者略歴(久保田 裕之) |
日本大学文理学部教授 主要著作:『結婚の自由――「最小結婚」から考える』(第7章担当,白澤社,2022年) |
著者略歴(辻 泉) |
中央大学文学部教授 主要著作:『メディア社会論』(共編著,有斐閣,2018年)
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