『夏目漱石の百句』の詳細情報

夏目漱石の百句
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タイトル 夏目漱石の百句
サブタイトル
著者 [著者区分]井上泰至 [著・文・その他]
出版社 ふらんす堂 レーベル 百句シリーズ
本体価格
(予定)
1500円 シリーズ
ページ数 Cコード 0095
発売予定日 2024-06-14 ジャンル 一般/単行本/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN 9784781416717 判型 46変形
内容紹介
◆百首シリーズ
名句が気軽に読める百句シリーズに夏目漱石が登場!

◆漱石の幸福
専門家や俳人はいざ知らず、一般読者は漱石が俳句も詠んだと聞くと、少々驚くかもしれない。それほどに小説家漱石の偉業は大きく、その評価が今日にも揺るぎない証拠だが、漱石の文学的出発は、間違いなく俳人としてのそれであって、小説家ではない。俳人が表看板の時期は意外に長い。
漱石は東大在学中から、親交のあった正岡子規を通じて俳句に親しみ、明治二二年から「漱石」の号を使いだしている。松山中学の英語教師として赴任する、明治二八年には作句も本格的になり、日清戦争に記者として従軍・帰国した子規を松山の自分の下宿に迎え、句作に専心した。漱石らへの講義が、近代俳句の理論的出発点となる子規の『俳諧大要』にもなっていく。
俳句という小さくて「無作法」な「詩形」こそが、人間の幸福をもたらすのに恰好のもので、これを愛すると告白している。特に『思い出す事など』で盛んに俳句や漢詩を書きつけるのは、多くもらった見舞いに応えるため、作品の名を借りて手紙を返信しているようなものだ、とも書いているのは、象徴的である。そうした「幸福」な時間が、生死を彷徨う大病からの回復の過程で、取り戻されていったことは逆説的でもある。
倒れてからの漱石は、自分の使命と考える小説を書き続けながら、余命の長くないことを覚悟し、俳句に再び戻ってくる。残りの「生」を惜しむように、俳句の世界に遊んだのである。
目次
著者略歴(井上泰至)
昭和36年、京都市生まれ。日本文学研究者。
専攻、江戸文学・近代俳句。日本伝統俳句協会副会長。防衛大学校教授。
俳句関係の著書に、『子規の内なる江戸』『近代俳句の誕生 子規から虚子へ』『俳句のルール』(編著)『正岡子規 俳句あり則ち日本文学あり』『俳句がよくわかる文法講座』(堀切克洋と共著)『山本健吉 芸術の発達は不断の個性の消滅』『渾沌と革新の明治文化』(編著)『俳句のマナー、俳句のスタイル』がある。
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