『竹下しづの女の百句』の詳細情報

竹下しづの女の百句
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タイトル 竹下しづの女の百句
サブタイトル
著者 [著者区分]坂本宮尾 [著・文・その他]
出版社 ふらんす堂 レーベル
本体価格
(予定)
1500円 シリーズ 百句シリーズ
ページ数 226p Cコード 0095
発売予定日 2024-09-04 ジャンル 一般/単行本/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN 9784781416908 判型 46変形
内容紹介
◆百句シリーズ
名句が気軽に読める百句シリーズに竹下しづの女が登場!

◆新領域の開拓者
 竹下しづの女といえばすぐに浮かんでくるのは〈短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎(すてつちまをか)〉。寝苦しい夏の夜にお乳を求めてむずかる赤ん坊に途方に暮れた母親が、しづの女の自解を借りれば「エッ、ウルサイ、捨てちまおうか」と思わず心のなかで叫んだ、そんな場面を詠んだ句だ。もちろん本気で捨てるつもりはなく、下五は、捨ててしまおうか、いや捨てられはしないという漢文の反語表現。とはいえ、一句のなかに「児」と「捨」てるという文字が収まっているだけで衝撃が走る。この句を含む七句が「ホトトギス」巻頭となったとき、俳壇では「黒船が来た」と大騒ぎであったという。
 しづの女は近代的自我に目覚めた女性俳人として、青年のような理想に燃えて、情に寄りかからない理性の句、また地に足のついた生活者としての句のあり方を模索した。彼女は進取の気性に富み、旺盛な批判精神の持主であり、社会で働く体験ももち、広い社会的な視野をそなえていた。客観写生が提唱されていた「ホトトギス」にありながら、主観を詠みたいと願い、内容にふさわしい表現法を求めて果敢に挑戦を重ねた。有季定型を守りながら俳句の新しい領域を開拓する過程は時間がかかり、理屈が勝ちすぎた句、荒削りな句もあるが、やがて誰にも真似のできない独自の句風を確立した。
(解説より)
目次
著者略歴(坂本宮尾)
1945年 旧満州、大連生まれ。
東京女子大学の学生俳句会で「夏草」主宰山口青邨の指導を受ける。
「夏草」終刊に伴う「天為」、「藍生」の創刊に参加。
評伝『杉田久女』で第18回俳人協会評論賞受賞。
第6回桂信子賞、第5回与謝蕪村賞受賞。
句集『天動説』、『木馬の螺子』、『別の朝』、『自註現代俳句シリーズ坂本宮尾集』、句文集『この世は舞台』。著書『真実の久女』、『竹下しづの女』など。

現在、俳人協会理事。
季刊俳誌「パピルス」主宰。
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