波打ち際に落ちていたボールペンを 拾って、絡みつく海藻を払い 書き出す 遠くの海の傍らに住む あなたへの ことば (「海際へ」)
読めばどの詩からも、目を凝らすまでもなく、鮮やかな言葉の背後に、それぞれの深みへ届く物語を感じることができる。――松下育男
雪柳さんの詩には、様々な音や声が響く。ときには死者と生者の垣根を越えて強く語りかける。きつく抱擁を交わすように。そのダイナミックな表現で、読者を未知の場所へと導く。ーー文月悠光
第1詩集『追伸、この先の地平より』以後、3年ぶりの新詩集。写真=紫衣
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