『〈メガイベントの遺産〉の社会学 ~二〇二〇東京オリンピックは何を生んだのか ~ 』の詳細情報

〈メガイベントの遺産〉の社会学
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タイトル 〈メガイベントの遺産〉の社会学
サブタイトル 二〇二〇東京オリンピックは何を生んだのか
著者 [著者区分]■石坂 友司 [著・文・その他]
■小澤 考人 [著・文・その他]
■金子 史弥 [著・文・その他]
■山口 理恵子 [著・文・その他]
出版社 青弓社 レーベル
本体価格
(予定)
3800円 シリーズ
ページ数 348p Cコード 0036
発売予定日 2024-10-30 ジャンル 一般/単行本/社会
ISBN 9784787235473 判型 A5
内容紹介
私たちは東京大会というメガイベントとどのように向き合ったのか。オリパラの現代的な構造や役割を押さえ、大会の理念、政治、インフラ、都市、競技場、ボランティア、ホストタウンなどの事例から、正負両面のレガシー(遺産)を多角的に検証する。
目次
序 章 東京大会は何を生んだのか 石坂友司
 1 東京大会の目的とビジョン
 2 六四年大会の成功神話
 3 開催決定の歓喜
 4 混乱の大会へ
 5 コロナ禍の大会
 6 東京大会が生んだ遺産とは何か

第1部 メガイベントとしてのオリンピック

第1章 東京大会開催の経緯と構造的な諸問題 石坂友司
 1 オリンピック招致が決まるまで
 2 招致決定から開催までの混乱
 3 オリンピックの構造的特徴
 4 経費問題

第2章 メガイベント(活用)が生み出す課題と可能性 小澤考人
 1 イベントを捉える視点
 2 オリンピックの誕生と発展
 3 メガイベント化の要因と背景
 4 メガイベント化によって生じる課題や問題
 5 二十一世紀のメガイベントとその動向――都市再生への戦略的活用
 6 持続可能性への対応――メガイベントのレガシー(legacy)
 7 メガイベント活用の合理性と正当性――開催の「大義」をめぐって

第3章 「記憶と評価」からみた東京大会 石坂友司/松林秀樹/小澤考人
 1 大会への賛否
 2 大会の記憶と観戦・参加実態
 3 大会開催をめぐる評価

第4章 「政治的レガシー」を考える 丸山真央
 1 政治的レガシーとは何か
 2 政治家たちの東京大会
 3 オリパラ政治家に対する都民の評価

第5章 イベント・インフラのネットワーク的基盤と都市経済再編――東京大会の場合 町村敬志
 1 イベント・インフラの構築とそのガバナンス
 2 各種組織を通じた専門知・利害の連結
 3 オリンピックを支える「イベント産業複合体」の存在――「契約関係」を読み解く

第2部 スタジアムと都市

第6章 東京大会の開催で、観光分野はどうなったのか 小澤考人
 1 二十一世紀の「観光立国」政策――インバウンド振興の加速
 2 都市再生の側面――国際観光都市TOKYOとソフトなリノベーション
 3 六四年大会の文脈との対比――観光分野をめぐる近代/現代の転回
 4 対外的な視点からみた東京大会の影響

第7章 新競技場の建設と後利用の課題 石坂友司
 1 メガイベントのための競技場
 2 新設競技場群
 3 新国立競技場の建設と運営

第8章 仮設競技会場は、東京という街にふさわしかったのか 山㟢一也
 1 近年のオリンピック開催での競技会場の位置づけ
 2 東京大会の競技会場と敷地周辺環境について
 3 開放型会場だけが競技中継に都市景観を映し出せる

第9章 開催都市のバリアフリー――変容するバリアフリー概念 山崎貴史
 1 バリアフリー施策とオリパラ
 2 東京大会に向けたバリアフリーの実際
 3 オリパラとバリアフリー概念の変容

第3部 ソフトレガシー

第10章 東京大会の「ボランティアレガシー」は残るのか 金子史弥
 1 東京大会に向けたボランティアのリクルート・育成
 2 東京大会のボランティアをめぐる「物語」
 3 東京大会の「ボランティアレガシー」は残るのか

第11章 開催地域が生み出した遺産――世田谷区のホストタウン事業と「うままち」の取り組み 石坂友司
 1 ホストタウン事業
 2 世田谷区のホストタウン事業
 3 大会を契機としたまちづくり

第12章 「幻の復興五輪」と「B級被災地」――東北の地から、「復興五輪」を語り直す 山﨑真帆
 1 大会招致と「復興五輪」
 2 登米市での「幻の復興五輪」
 3 「幻の復興五輪」の語り直し
 4 「復興五輪」は「B級被災地」に何をもたらしたのか

第13章 ニュースポーツの採用がもたらしたもの 水野英莉
 1 3S(surf/skate/snow)カルチャーとはなにか
 2 オリンピックの新競技が残したもの
 3 「レガシー」をどう考えるか

第4部 価値の変容/社会の変化

第14章 スポーツ組織の取り組みから「ジェンダー平等」を問う 山口理恵子
 1 東京大会とジェンダー問題
 2 女性理事の登用をめぐって
 3 「ジェンダー平等」をめぐって
 4 スポーツ分野での「ジェンダー平等」とは

第15章 多様性と調和――LGBTQ+の権利運動とプライドハウス東京コンソーシアム 野口亜弥
 1 社会運動の概念整理
 2 プライドハウス東京コンソーシアム
 3 プライドハウス東京コンソーシアムのメンバー団体

第16章 オリパラ教育の展開 渡 正
 1 日本のオリパラ教育の開始
 2 東京大会に向けたオリパラ教育の内容
 3 オリパラ教育の課題

第17章 二度目の「東京オリンピック」はどのように記憶されていくのか――公式記録映画『東京2020オリンピック SIDE:A/SIDE:B』が描いているもの 金子史弥
 1 東京大会をめぐる「記憶」と「記録」
 2 『東京2020オリンピック SIDE:A/SIDE:B』が「記録」していること
 3 『東京2020オリンピック SIDE:A/SIDE:B』が投げかけたもの
 4 東京大会の「集合的記憶」のゆくえ

あとがき 石坂友司/小澤考人/金子史弥/山口理恵子
著者略歴(石坂 友司)
奈良女子大学生活環境学部教授。専攻はスポーツ社会学、歴史社会学。著書に『現代オリンピックの発展と危機』『コロナとオリンピック』(ともに人文書院)、共編著に『一九六四年東京オリンピックは何を生んだのか』(青弓社)、『未完のオリンピック』(かもがわ出版)など。
著者略歴(小澤 考人)
東海大学観光学部教授。専攻は観光社会学、文化社会学。共編著に『オリンピックが生み出す愛国心』(かもがわ出版)、共著に『2020東京オリンピック・パラリンピックを社会学する』(創文企画)、『基本観光学』(東海大学出版部)、論文に「コロナ禍のメガイベントとその検証」(「大原社会問題研究所雑誌」第755・756号)など。
著者略歴(金子 史弥)
立命館大学産業社会学部准教授。専攻はスポーツ社会学、スポーツ政策論。共著に『オリンピックが生み出す愛国心』(かもがわ出版)、『スポーツの近現代』(ナカニシヤ出版)、論文に「ロンドン2012オリンピック・パラリンピックにおけるボランティア政策」(「現代スポーツ評論」第37号)など。
著者略歴(山口 理恵子)
城西大学経営学部教授。専攻はスポーツとジェンダー。共著に『スポーツとLGBTQ+』(晃洋書房)、『日本代表論』(せりか書房)など。
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