『奴隷・骨・ブロンズ ~脱植民地化の歴史学 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
奴隷・骨・ブロンズ |
サブタイトル |
脱植民地化の歴史学 |
著者 [著者区分] | 井野瀬 久美惠 [著・文・その他]
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出版社 |
世界思想社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2700円 |
シリーズ |
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ページ数 |
272p
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Cコード |
1022 |
発売予定日 |
2025-03-03 |
ジャンル |
教養/単行本/外国歴史 |
ISBN |
9784790717973 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
過去につながり、今を問え! BLM運動が糾弾する奴隷制の歴史。アイルランド移民の軌跡を物語る遺骨。欧米の博物館を揺るがすベニン・ブロンズ。「知の脱植民地化」の最前線へ。
【「はじめに」より】 歴史とは「現在と過去との不断の対話」だと、イギリスの歴史家E・H・カーはいう。問いかける「現在」が変われば、「過去」に対する見方も変わる。その意味で、過去は死なない、なくならない。過去は、現在の出来事や今を生きる人びとの記憶と呼応しながら、ふとした瞬間に顔をのぞかせる。それは、私たちが何かの拍子に、ふと昔の出来事を思い出すのにも似ている。私たちはみな、どこかに過去を抱きながら、今を生きている。だから、過去を考えることは、現在を、未来を、別の角度から見つめることにほかならないのである。 ただし、「何かの拍子」がいつ訪れるのか、予測するのは難しい。だから、問わねばならない。数多の過去の記憶のなかで、なぜ今、突然、「その記憶」が思い出されたのか。そうやって想起された過去は、今の私に、私たちに、何を伝えようとしているのか。 過去は突然、私たちの眼前に立ち現れる。先が読めないのは、未来だけではない。過去もまた、予測不可能なのである。そして、本書の各章をつないでいるのは、まさにこの感覚――突然の過去、である。
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目次 |
はじめに 第1章 ブリストルのコルストン像、引き倒される! 第2章 骨が語るアイルランド大飢饉 第3章 レディ・トラベラーへの旅 第4章 カリブ海の近代と帝国の未来 第5章 ベニン・ブロンズとは何か? おわりに 関連年表 参考文献 |
著者略歴(井野瀬 久美惠) |
1958年愛知県生まれ。人間文化研究機構監事・甲南大学名誉教授。京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻単位取得退学。博士(文学)。第23期(2014-2017)日本学術会議副会長。大英帝国を中心に、(日本を含む)「帝国だった過去」とわれわれが生きる今という時空間との関係を多方向から問う研究を続けている。主な著書に『大英帝国はミュージック・ホールから』(朝日新聞社、1990)、『子どもたちの大英帝国』(中公新書、1992)、『女たちの大英帝国』(講談社現代新書、1998)、『黒人王、白人王に謁見す』(山川出版社、2002)、『植民地経験のゆくえ』(人文書院、2004、女性史青山なを賞受賞)、『大英帝国という経験』(講談社、2007;講談社学術文庫、2017)、『「近代」とは何か』(かもがわ出版、2023)、『イギリス文化史』(編著、昭和堂、2010)など。 |