『人はなぜ握手をするのか ~接触を求め続けてきた人類の歴史 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
人はなぜ握手をするのか |
サブタイトル |
接触を求め続けてきた人類の歴史 |
著者 [著者区分] | ■エラ・アル=シャマヒー [著・文・その他] ■大川 修二 [翻訳]
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出版社 |
草思社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
1800円 |
シリーズ |
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ページ数 |
224p
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Cコード |
0039 |
発売予定日 |
2022-08-31 |
ジャンル |
一般/単行本/民族・風習 |
ISBN |
9784794225979 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
時代が移り変わっても、 “握手”は死なない―― 気鋭の古人類学者が、握手の起源から現代の握手事情まで 古今東西の「握手史」を縦横無尽に考察した快作。
人類誕生以前の時代の握手から、 古代のメソポタミア・ギリシャ・ローマでの握手、 帝国主義により姿を消した未開地域での特異な握手、 接触を避けるアジア式挨拶、現代史に刻まれた著名人による握手、 パンデミック期の「反握手」運動まで、 古人類学者が古今東西の「握手」を縦横に考察。 人類の根源的欲求「握手」の歴史と底力に迫った快作。
●握手の起源は、人類誕生よりはるか昔の700万年前 ●チンパンジーは仲間と喧嘩した後、握手をしていた ●文明社会から隔絶された未接触部族も、握手をする ●指パッチン、ペニス握手…あまりに多様で豊かな握手の世界 ●米国と中国の「不穏」な握手、ダイアナ妃の握手…歴史に残る握手シーン ●パンデミック下での「反握手」の歴史と、握手の蘇生力
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目次 |
はじめに
握手はもう死んだのか 握手は太古からヒトのDNAにプログラムされてきた 握手をしない人生からする人生へ 相手の心に触れる行為
第1章 握手の起源──握手はどこから来たのか 「未接触部族」の衝撃的ジェスチャー 未接触部族の握手とDNA ネアンデルタール人は握手をしたか 系統学から見る握手の起源 類人猿たちの「手」とハグ ヒトは「匂い」から相手の感情さえ察知する 握手による匂いの伝達 「接触」とホルモン分泌の関係 マッサージ、握手……接触という信頼のメッセージ ジェスチャーとしての握手と、ダーウィンの「反対」の原理 握手の心理学 極東の「触れない文化」の背景 握手は太古から続く生物学的な行動
第2章 象徴としての握手──握手は何を意味するのか 握手は常にポジティブなもの ヒトの「手」の深遠な意味 太古の洞窟や岩に描かれた「手形」 握手の起源は中世の騎士道精神ではない 古代メソポタミアの王による「プロパガンダ」握手 古代ギリシャの「多様な意味」をもつ握手 エトルリア文明とローマ帝国の握手 握手と階級──史上最も「生意気」な握手 クエーカー教徒の平等主義と握手 現代における握手の意味 スポーツにおける握手 ビジネスにおける握手 政治家の握手
第3章 指パッチンとペニス握手──握手・挨拶の多様な文化 未解明な世界の挨拶文化 握手はなぜ、これほど多様化したのか 手の込んだ挨拶の消滅と、列強グローバリズム それでも生き残った挨拶たち 「指パッチン」「しゃがんで拍手」「肩をぶつけあう」ほか ハグ──他の追随を許さない「接触面積の広さ」 キス──一度にする回数も、どこにするかも、さまざま 鼻や額を擦りあわせる 非接触型の挨拶──日本、中国、インド、タイほか 失われた挨拶たち 乳房を吸う ペニスを相手の手に押しつけ、引き抜く 自分の顎ひげをなでる 相手の胸を叩く 「サメの歯で自分を傷つける」「女性が下半身を露出する」ほか 異文化間の握手の気まずさと帝国主義
第4章 握手のやり方──人類学者によるちょっと尖った指南 「完璧な握手」を表す数式 握手の前の心得 握手は「自分の優位性」を示すものではない 体調が悪いときは 握手前の第一印象づくり いざ、握手開始 正しい握手の仕方──「右手」と「左手」の意味 「握りの強さ」と健康、ジェンダー問題 握手の所作の注意点 いつ「手を放す」か
第5章 幸運の女神の御手──歴史に残る握手の名シーン 握手の凄さをたどる旅 ダイアナ妃とあるエイズ患者の握手──社会的公正さとは何か バイデン大統領とハリス副大統領のフィストバンプ──握手代わりのメッセージ レーガンとゴルバチョフの握手──冷戦時代の「終わりの始まり」 キング牧師とジョンソン大統領の握手──1964年、公民権法の制定に際して サダト大統領とベギン首相の握手──エジプト・イスラエル平和条約調印と第3の人物、米カーター大統領 マルコムXとキング牧師の握手──2大巨頭のつかの間の邂逅と悲哀 エリザベス女王と元IRA司令官の握手──過去を水に流す 南アフリカの黒人大統領マンデラとラグビー同国代表キャプテンの握手──人種差別を乗り越えて
第6章 不幸な運命の手──歴史に残る酷い握手
「握手を拒む」というドラマ アメリカと中国──1954年と72年の2つの「不穏」な握手 オバマとケニーの握手──アイルランド首相が差し出した手に気づかなかったオバマ ヒトラーとネヴィル・チェンバレンの握手──ミュンヘン協定の失敗 ヒトラーとベルリン五輪4冠の黒人選手とルーズベルト──ヒトラーの握手拒否と米国の人種差別 トランプ大統領と「ほぼすべての相手」の握手──粗暴な握手から見えてくるもの 英ジョンソン首相の悪名高きCOVID-19握手──抜群の反面教師 英サッカー選手同士の握手事件──セックススキャンダルの顛末 カストロとオバマの「握手」──身長差などが招いた想定外の事態 要人暗殺の手段としての握手──握手の達人マッキンリー大統領を襲った悲劇
第7章 パンデミックと反握手──握手は最期を迎えているのか 握手への死亡宣告は2020年が初めてではない 古代以来のパンデミックと感染予防の歴史 医療関係者等による「反握手」の歴史と、握手の「蘇生力」 ヒトの手に棲む無数のバクテリアやウイルスと、感染予防策 エルボーバンプの是非と「手洗い」が苦手な人たち |
著者略歴(エラ・アル=シャマヒー) |
エラ・アル=シャマヒー(Ella Al-Shamahi) ナショナルジオグラフィックの探検家にして古人類学者、進化生物学者、さらにはスタンダップ・コメディエンヌでもある。専門は洞窟、非友好的地域、紛争地域、不安定地域などの探検とネアンデルタール人。テレビ司会者としても活動し、TED 2019のスピーカーも務めた。また、世界最大の芸術祭エディンバラ・フェスティバル・フリンジでは、これまでに4回パフォーマンスを披露している。遺伝学、分類学、生物多様性の学位をもち、現在は古人類学の博士課程に在籍中。 |
著者略歴(大川 修二) |
大川 修二(おおかわ・しゅうじ) 早稲田大学第一文学部(哲学専修)卒業。外資系企業勤務を経て1996年より翻訳活動。主な訳書に『スターバックス成功物語』(共訳、日経BP社、1998年)、『完全なる経営』(日本経済新聞出版社、2001年)、『コトラーのマーケティング・コンセプト』(東洋経済新報社、2003年)、『最底辺のポートフォリオ』(みすず書房、2011年)、『ヒトデ型組織はなぜ強いのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)など。著書に『人材価値による経営の時代』(幻冬舎ルネッサンス、2007年)。 |