『クレプトクラシー 資金洗浄の巨大な闇 ~世界最大のマネーロンダリング天国アメリカ ~ 』の詳細情報
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タイトル |
クレプトクラシー 資金洗浄の巨大な闇 |
サブタイトル |
世界最大のマネーロンダリング天国アメリカ |
著者 [著者区分] | ■ケイシー・ミシェル [著・文・その他] ■秋山 勝 [翻訳]
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出版社 |
草思社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2800円 |
シリーズ |
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ページ数 |
488p
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Cコード |
0031 |
発売予定日 |
2022-08-31 |
ジャンル |
一般/単行本/政治-含む国防軍事 |
ISBN |
9784794225986 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
いま世界には「汚れた金」にまみれたクレプトクラット(泥棒政治家)たちがはびこっている。 それは自国の国庫や国民から盗んだ金であり、税収の収奪や賄賂などで得た違法の金である。 彼らはその金を「洗浄」して合法的な資産に変えようとするが、 その最強の受け入れ拠点はなんとアメリカだった。その額は毎年数十億ドル。 アメリカはなぜ、いかにして世界最大のマネーロンダリング天国となったか。 その仕組みが構築されてきた過程を詳細に分析し、 現代世界の奥底を流れるものの巨大な闇を暴く衝撃の書!
クレプトクラシー(kleptocracy) 官僚や政治家などの支配階級が、国民や国家の資金を横領して私腹を肥やし 権力を高める腐敗した政治体制のこと。泥棒政治、収奪政治とも。
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目次 |
クレプトクラシー 資金洗浄の巨大な闇
プロローグ 大きすぎて見えない
赤道ギニアの恐怖政治/マイアミの不動産王とウクライナのオリガルヒ/世界最大のマネーロンダリングの国
第I部 定住強盗
第1章 唯一の奇跡
独裁政治を敷く赤道ギニアの初代大統領/独裁政権に莫大な富をもたらした石油/放蕩三昧の大統領の後継者/不当な金を要求する〝伐採大臣〟/きれいな金に変える方法
第2章 アメリカ人のようにやってみませんか
「匿名のペーパーカンパニー」/汚れた金を合法的な金に変える/ペーパーカンパニーは独裁者の隠れ蓑/アメリカはもっとも容易に幽霊会社を設立できる国/州政府の/「底辺への競争」
第3章 すべてをコントロールして、何ひとつ所有しない
経済活動に関与しない連邦政府法人登記の規制緩和で潤うニュージャージー州/デラウェア州の企業誘致産業/秘密主義の実験室/「死の商人」と結びつくペーパーカンパニー/ネバダ州の企業サービスプロバイダー/ペーパーカンパニーの設立で毎年一億ドル以上の歳入/デジタルの棚に陳列される合法的な会社/「パナマ文書」流出の影響/モサック・フォンセカとネバダ州の関係/隠れ蓑になったワイオミング州のLLC/ペーパーカンパニー設立費用が一〇〇ドル/大平原地帯に浮かぶ小さなケイマン島/パナマ文書が炸裂しても効果なし
第4章 首まで浸かる
アメリカ史上最大のマネーロンダリングを行ったオリガルヒ/ソ連崩壊で莫大な富を築いたウクライナのオリガルヒ/二人のユダヤ人/鉄鋼業の工場を次々と買収/クリーブランドの不動産市場に首まで浸かる
第5章 納税者に対する侮辱
国際商業信用銀行の破綻で資金洗浄と横領が発覚/防止効果のない法律/マネーロンダリングの規制と〝ビジネス優先〟の精神/腐敗政権の背後にはシティバンク/世界中の汚い金を集める巨大な磁石/9・11同時多発テロ以降、風向きが変わった/〝一時的〟な規制の適用除外措置
第II部 富裕な有名人のライフスタイル
第6章 シャベルでキャビアをすくう
ワシントンの老舗銀行リッグスの破綻/明らかになったオビアン一族とリッグスの関係/石油の採掘代金をオビアン一族の口座に/規制の虜─官僚と業界の癒着/チリの独裁者ピノチェトの隠された資金/アメリカのクレプトクラシーの縮図
第7章 メンサが認めた天才
南カリフォルニアの広壮な豪邸/規制法の抜け穴だった弁護士/不動産業者は愛国者法の適用除外/追いつ追われつのゲーム/マリブの豪邸を手に入れたテオドリン
第8章 鯉の医者
捜査部隊の新しいリーダー/高級車から船舶まで贅沢三昧/自家用ジェット機GVの購入/マイケル・ジャクソンの死/マネーロンダリングに利用されるオークションハウス/マイケル・ジャクソンの手袋
第9章 アメリカ合衆国vs「スリラー」のジャケット─
汚い金で購入されたマイケル・ジャクソン・コレクション/クレプトクラシーからの資産回収戦略/インフラ事業にかかわった外国企業の惨状/アフリカの腐敗政府の実態/暴かれたテオドリンの不正/クレプトクラットに対する見せしめ
第III部 アメリカで暗躍する者たち
第10章 優良投資家
大不況に見舞われ、さびれた町/マネーロンダリングの餌食になったクリーブランド/クリーブランドのビルを次々と買収/クリーブランドの不動産王となったウクライナのオリガルヒ/モトローラの巨大な〝クジラ〟を買収
第11章 西部開拓時代にも法律はあった
ウクライナの騒乱/自前の資金で国民防衛軍を組織したオリガルヒ/軍事力を背景にした凶暴なオリガルヒ/スイスのタックスヘイブン銀行が大打撃/金利制限を廃止したサウスダコタ州/「永久信託」という資産隠し/大富豪となったコロモイスキーの協力者たち
第12章 ぽっかり空いた穴
プリヴァトバンクが残した崩壊寸前の大きな穴/史上最大のマネーロンダリング/複数のペーパーカンパニーで迂回路を築く/ビルは荒廃し、不動産市場は破綻/資金洗浄で狙われる内陸部の町
第13章 呪われた工場
ウォーレン製鉄所の爆発事故/マネーロンダリングの犠牲になる工場と労働者/資金洗浄のために複数のネットワークで取引/残されるのは煤けた残骸のような町/クレプトクラシーの脅威に対応しないホワイトハウス
第IV部 匿名の合衆国
第14章 新興財閥はただの隠れ蓑
ハイチの独裁者の汚い金が上陸/資金洗浄に提供される/「トランプ・タワー」/クレプトクラシーによって築かれたトランプ帝国/トランプの選挙参謀
第15章 骨の髄まで腐っている
テオドリンの誕生日パーティー/クレプトクラシー撲滅の努力は無駄だったのか/腐敗防止活動を破壊するトランプ大統領/トランプの不動産売買がマネーロンダリングに加担
第16章 解禁
オリガルヒと袂を分かつゼレンスキー新大統領/ファンド業界に蔓延するマネーロンダリング/社会的評価を洗浄するための多額の寄付/政敵の〝醜聞〟を捏造する戦略的汚職/クレプトクラシーの世界的な中心地になったアメリカ
第17章 アメリカン・クレプトクラシー
制裁を受けるコロモイスキー/匿名のペーパーカンパニーの設立を禁止/不動産業界の匿名性の廃止/第二の金ぴか時代から革新主義時代へ/飽くなき強欲を基盤とするクレプトクラシー
謝辞/訳者あとがき/原註 |
著者略歴(ケイシー・ミシェル) |
ケイシー・ミシェル(Casey Michel) ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人ジャーナリスト。ライス大学を経て、コロンビア大学でロシア・東欧・ユーラシアに関する研究で修士号を取得。マネーロンダリングをはじめオフショア口座、ペーパーカンパニー、国外からの政治介入を関する調査報道を行い、『ワシントン・ポスト』『フォーリン・アフェアーズ』『アトランティック』などの主要メディアに寄稿している。ワシントンの非営利シンクタンクであるハドソン研究所のクレプトクラシー・イニシアティブの諮問委員会のメンバーでもある。 |
著者略歴(秋山 勝) |
秋山 勝(あきやま・まさる) 立教大学卒。日本文藝家協会会員。出版社勤務を経て翻訳の仕事に。訳書に、マイク・アイザック『ウーバー戦記』、サイラグル・サウトバイ『重要証人』、パンカジ・ミシュラ『怒りの時代』、リチャード・ローズ『エネルギー400年史』、ジャレド・ダイアモンド『若い読者のための第三のチンパンジー』、ジェイミー・バートレット『操られる民主主義』(以上、草思社)、ティム・ウー『巨大企業の呪い』、ジェニファー・ウェルシュ『歴史の逆襲』(以上、 朝日新聞出版)など。 |