『私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット ~中国の富・権力・腐敗・報復の内幕 ~ 』の詳細情報

私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット
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タイトル 私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット
サブタイトル 中国の富・権力・腐敗・報復の内幕
著者 [著者区分]■デズモンド・シャム [著・文・その他]
■神月 謙一 [翻訳]
出版社 草思社 レーベル
本体価格
(予定)
2600円 シリーズ
ページ数 328p Cコード 0036
発売予定日 2022-08-31 ジャンル 一般/単行本/社会
ISBN 9784794225993 判型 46
内容紹介
起業家である筆者は、中国の権力と富の頂点に登り詰めるが、突然、元妻で共同経営者のホイットニーが失踪する(2017年9月、今も行方不明)。彼の、ユニークでセンセーショナルな回想録は、現代中国の、富を生むメカニズムの中で実際に起こっていたことを暴露した本だ。刊行以来、話題となっている。

一九四九年の共産主義革命のあと、デズモンド・シャムの祖父(蘇州の一族)は、かつての地主や富農が含まれる「黒五類」という卑しい階級に入れられた。それはシャム(沈)家が烙印を押され、貧困に陥ることを意味した。その結果、上海の貧しい教員の父母のもとに生まれたデズモンド(1968年生まれ)は、成長するにつれて、自分の人生をまったく違ったものにすると心に誓う。

デズモンドは、小学生の時、母の一族が住む香港へ移住、苦学(皇仁書院)するが、水泳選手として認められるなど、懸命な努力によってアメリカの大学(ウイスコンシン大学)へ留学、学位(経営学)を取得すると、中国に戻ってビジネスの世界に飛び込んだ。その時、中国経済は江沢民下の改革開放経済の中で急速な発展を遂げていた。ビジネスチャンスはいたるところにあった。そこで出会ったのが、やがて妻となる、教養豊かで彼と同様の野心を持ったホイットニー・デュアン(段偉紅)である。彼女は、男性が支配する中国社会で成功してみせると固く決意していた。その秘訣は権力機構や有力者とのコネ(グアンシー=関係性)だと言った。

デズモンドとホイットニーは、有能なチームを作り、「赤い貴族」の頂点に位置する人々(温家宝一族、特に温家宝夫人である張培莉、など)との結び付きに助けられて、一躍、中国の超資産階級の仲間入りをする。彼らは平安保険株の上海証券取引所への上場で大金をつかみ、その後北京首都国際空港に中国一の巨大な航空貨物施設(物流センター)を建設し、続いて、北京の高級街区ジェネシス(啓皓)北京の建設にかかわる。ここには安藤忠雄設計の美術館や北京でトップクラスのホテル「ブルガリ・ホテル」がある。華々しい成功を収めた彼らは、プライベートジェットで移動し、数百万ドルをビルへの投資や寄付に使い、高価なマンションや、車、美術品などを購入する。

ところが2012年以降、習近平体制下の腐敗一掃運動の広がり、それに伴う権力闘争に巻き込まれたか、二人の運命は決定的に分かれ、二度と引き返せなくなる。2017年、息子と一緒に海外に住んでいたデズモンドは、元の妻ホイットニーが、職場の同僚三人と共に姿を消した(官憲に拉致され拘束されたらしい)ことを知らされる。

この本はデズモンドの物語であり、自ら語ることのできないホイットニーの物語である。新中国の政治経済体制の中で実際に何が起こっていたかを当事者の眼で描いた稀有な記録。一代で財を成した新興企業家たちの前に何が待っているかを実例をもって描いた本である。
目次
目 次
序 章 失踪
第1章 父と母  上海1968-1979   
第2章 新世界  香港1978-1989   
第3章 投資ビジネス  マディソン・香港 1989-1997   
第4章 ホイットニー  北京・上海 1997   
第5章 結婚  北京・カナダ 2002   
第6章 張おばさん  北京 2001-2002   
第7章 温一家  北京 2002-2003   
第8章 平安保険株  北京 2002-2004   
第9章 空港プロジェクト  北京 2001-2005   
第10章 順義区  北京 2006-2008   
第11章 息子  北京 2007-2013   
第12章 アスペン研究所  北京 2005-2011   
第13章 撤退  北京 2006-2012   
第14章 ジェットセッター  北京・ヨーロッパ 2004-2011   
第15章 啓皓(ジェネシス)北京  北京 2010-2012   
第16章 スキャンダル  北京 2012-2013   
第17章 民主化の波  コロラド・香港・北京 2013-2018   
第18章 別離  北京・イギリス 2014-2017   
あとがき  
謝辞  
訳者あとがき
参考文献・参考ウェブサイト  
索引  
著者略歴(デズモンド・シャム)
デズモンド・シャム(Desmond Shum)
1968年に上海で身分の低い教員の家庭に生まれる。9歳のとき香港に移住し、名門の皇仁書院に入学する。アメリカのウィスコンシン大学で金融と会計を学び、1993年に卒業、香港に戻って株式仲買人となる。その後、投資会社に勤務しているときに、のちに妻となるホイットニー・デュアンと出会い、共同で都市開発事業に乗り出す。二人は、改革開放の好景気に乗って、北京空港の物流センターや北京中心部の再開発などの事業を成功させ、莫大な資産を築く。現在はホイットニーと離婚し、一人息子とイギリスに在住。
著者略歴(神月 謙一)
神月 謙一(かみづき・けんいち)
翻訳家。青森県生まれ。東京都立大学人文学部卒業。大学教員を17年間勤めたのち現職。主な訳書に、『微生物・文明の終焉・淘汰』(ニュートンプレス)、『デジタル・エイプ:テクノロジーは人間をこう変えていく』(クロスメディア・パブリッシング)など。
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