『戦場の人事係 ~玉砕を許されなかったある兵士の「戦い」 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
戦場の人事係 |
サブタイトル |
玉砕を許されなかったある兵士の「戦い」 |
著者 [著者区分] | 七尾 和晃 [著・文・その他]
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出版社 |
草思社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
1700円 |
シリーズ |
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ページ数 |
192p
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Cコード |
0095 |
発売予定日 |
2024-08-01 |
ジャンル |
一般/単行本/日本文学、評論、随筆、その他 |
ISBN |
9784794227362 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
「私は人事係だから、仲間の最期の様子をこうやって、 すべて書き留めていたんですよ」
沖縄戦の終結まぎわ、一人の兵士に託された 「生きて伝えよ」という使命。 ガマから奇跡的に持ち帰った戦時名簿とともに、 長い戦後を生き抜いた元・下士官の語られざる物語。
【本書「はじめに」より】 第二次世界大戦中の沖縄戦史において、石井耕一は無名の人物である。 玉砕した沖縄本島南部の戦線にあって、自身が所属した中隊における下士官一八人のうち、ただ一人の生還者であることは知られていない。 日本軍の司令部が置かれた摩文仁を擁する破壊し尽くされた南部にあって、戦後、洞窟(ガマ)に隠しておいた人事記録や戦時中の記録を本土に持ち帰ることに成功した、ただ一人の人物であることも知られていない。(中略) 玉砕の沖縄戦と呼ばれた戦禍の中で生還者となった石井は戦後、戦友の家族らのもとへ、「最期の瞬間」を伝え届けることを使命とした。 戦中の状況になぞらえるならば、さながら「死の伝令」ともいえようか。 石井は、自爆決死の斬り込みのかたわらで、上官の命令を受けた。 「生きて伝えよ」 この最後の命令を、死の瞬間までまっとうした人生であった。石井耕一という人間は、そうした時間を生きた。
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目次 |
第1章 「最期」のメモ ・「私は人事係だから」 ・三回目の召集で沖縄へ
第2章 玉砕の南部戦線 ・「十・十空襲」 ・米軍の上陸 ・助からない命 ・ガマの中の情景
第3章 「生きて伝えよ」 ・最初の自決 ・最前線の悲惨 ・一杯の水を欲して ・「海岸へ出よう。いい空気を吸って死のう」 ・戦いの終焉
第4章 もう一つの証言 ・サイモン・バックナー中将の日記 ・仲田栄松の苦悶の日々 ・米軍による山狩り ・「私どもを、上から見ていたんですね」
第5章 虜囚の風景 ・テニアン島における「予行演習」 ・沖縄人をめぐる議論 ・膨れ上がる民間人収容所
第6章 奪還 ・屋嘉収容所の日本兵 ・「新しい爆弾の実験が成功した」 ・砂浜で告げられた日本の敗戦 ・軍籍簿の行方
第7章 生還者の戦後 ・本土への最初の復員船 ・占領下・東京の無残 ・公害との戦いと市長選挙
第8章 生き残るという罪 ・戦友の遺族と向き合って ・戦死者の唄 ・生をまっとうするための「死の記録」 ・「沖縄では臆病な者だけが生き残った」
終章 最後の伝令 ・中隊長の故郷 ・もう一つの約束 |
著者略歴(七尾 和晃) |
七尾 和晃(ななお・かずあき) 記録作家。人は時代の中でどのように生き、どこへ向かうのか――。「無名の人間たちこそが歴史を創る」をテーマに、「訊くのではなく聞こえる瞬間を待つ」姿勢で、市井に生きる人々と現場に密着し、時代とともに消えゆく記憶を踏査した作品を発表している。『銀座の怪人』(講談社)、『闇市の帝王:王長徳と封印された「戦後」』『炭鉱太郎がきた道 : 地下に眠る近代日本の記憶』(以上、草思社)、『琉球検事 : 封印された証言』(東洋経済新報社)、『吉原まんだら』(清泉亮名義、徳間書店)、『十字架を背負った尾根』(清泉亮名義、草思社)など、他名義を含め著書多数。 |