『古井由吉翻訳集成 ~ムージル・リルケ篇 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
古井由吉翻訳集成 |
サブタイトル |
ムージル・リルケ篇 |
著者 [著者区分] | ■古井 由吉 [翻訳] ■ロベルト・ムージル [著・文・その他] ■ライナー・マリア・リルケ [著・文・その他]
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出版社 |
草思社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2600円 |
シリーズ |
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ページ数 |
280p
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Cコード |
0098 |
発売予定日 |
2024-09-02 |
ジャンル |
一般/単行本/外国文学、その他 |
ISBN |
9784794227416 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
神秘主義、象徴主義の極北を、 論理と音韻が共振れする 日本語に移した圧倒的訳業!
ロベルト・ムージル「愛の完成」「静かなヴェロニカの誘惑」 ムージル著作集版を底本とし、世界文学全集版「解説」、岩波文庫版「訳者からの言葉」を併録。
ライナー・マリア・リルケ「ドゥイノの悲歌」 『詩への小路』で試みられた散文訳「ドゥイノ・エレギー訳文」全十歌を収録。 解説=築地正明
読者にはたいそう難解な作品を提供したようにおそれられる。しばらく、読みすすんでいただきたい。初めの一節二節をこらえて吟味していただきたい。まもなく、これがこれなりに明解な文章であることに気づかれることだろう。しかも明解さをしだいに解体していく、そのような質の明解さである、と。あるいは明解さをいきなりその正反対へ転ずる、と。その背後にはきわめて厳密な知性がある。そして厳密の知性と超越の感情、きりつめた把握と果てしもない伸長という、独特な結びつきがこれらの作品の基調となっている。そのことを読者はやがて感じとられるだろう。 (ロベルト・ムージル「愛の完成」「静かなヴェロニカの誘惑」/循環の緊張――岩波文庫版「訳者からの言葉」より)
誰が、私が叫んだとしてもその声を、天使たちの諸天から聞くだろうか。かりに天使の一人が私をその胸にいきなり抱き取ったとしたら、私はその超えた存在の力を受けて息絶えることになるだろう。美しきものは恐ろしきものの発端にほかならず、ここまではまだわれわれにも堪えられる。われわれが美しきものを称讃するのは、美がわれわれを、滅ぼしもせずに打ち棄ててかえりみぬ、その限りのことなのだ。あらゆる天使は恐ろしい。 (「ドゥイノ・エレギー訳文」より)
【目次】 ロベルト・ムージル 愛の完成 静かなヴェロニカの誘惑
訳者解説 「かのように」の試み――世界文学全集版「解説」 循環の緊張――岩波文庫版「訳者からの言葉」
ライナー・マリア・リルケ ドゥイノ・エレギー訳文――『詩への小路』
解説 言葉の音律に耳を澄ます――翻訳と創作の関係について 築地正明
初出一覧
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目次 |
ロベルト・ムージル 愛の完成 静かなヴェロニカの誘惑
訳者解説 「かのように」の試み――世界文学全集版「解説」 循環の緊張――岩波文庫版「訳者からの言葉」
ライナー・マリア・リルケ ドゥイノ・エレギー訳文――『詩への小路』
解説 言葉の音律に耳を澄ます――翻訳と創作の関係について 築地正明
初出一覧 |
著者略歴(古井 由吉) |
古井 由吉(ふるい・よしきち) 一九三七年、東京生まれ。六八年処女作「木曜日に」発表。七一年「杳子」で芥川賞、八〇年『栖』で日本文学大賞、八三年『槿』で谷崎潤一郎賞、八七年「中山坂」で川端康成文学賞、九〇年『仮往生伝試文』で読売文学賞、九七年『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。二〇一二年『古井由吉自撰作品』(全八巻)を刊行。ほかに『われもまた天に』『書く、読む、生きる』『連れ連れに文学を語る 古井由吉対談集成』など著書多数。二〇二〇年二月死去。 |