『「学校小説」の残光と残影 ~明治・大正・昭和の34編 ~ 』の詳細情報

「学校小説」の残光と残影
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タイトル 「学校小説」の残光と残影
サブタイトル 明治・大正・昭和の34編
著者 [著者区分]藤尾 均 [著・文・その他]
出版社 新評論 レーベル
本体価格
(予定)
2500円 シリーズ
ページ数 360p Cコード 0095
発売予定日 2024-11-27 ジャンル 一般/単行本/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN 9784794812780 判型 46
内容紹介
近代の名作の中で「学校」はどう描かれてきたか。
鋭敏な作家の眼が捉えた「真実」の光が現代の社会・教育・文学を照らし出す

 児童・生徒・学生・教員として、人生の大半を「学校」現場で過ごしてきた私は、折に触れて、学校を舞台とする小説(いわゆる「学校小説」)を読み、しばしばそれらに救われてきた。その読書歴は、悩める現役の教員・学生・生徒、そして保護者の方々の参考となるのではないか。
 そんな考えのもとに私は本書を編んだ。まず第一部で、それらの「学校小説」のうち、明治・大正・昭和の時代に書かれたものをなるべく網羅的に概観した。その数は110余編に及び、我ながら、いろいろな作品に出遭ってきたと感心している。むろん、平成や令和の時代にも「学校小説」は陸続と刊行されているが、作品や作家の評価がまだ定まっていないものも少なくないので、ひとまずは、明治・大正・昭和という「近代」にこだわってみた。
 続く第二部では、その110余編のなかから、現役の教員・学生・生徒、さらには保護者の方々に、その存在を知って、できれば読んでみていただきたいと思えたものを、34編にわたって厳選し、私がとくに印象的だと思ったシーンを中心に引用し、各作品から私が感じ取ったことなどをエッセイ風にまとめ、ささやかな読書案内としてみた。そこには、「古稀」を過ぎた私の、半ば「遺言」のような想いも込めている。各節のタイトルは当該小説の引用文から抜粋して付けた。
 むろん、小説は基本的にはフィクションである。しかし、鋭敏な作家の眼は、「事実」を超えた「真実」を照射していることも少なくない。第二部で取り上げた作品の作者を例示すると、島崎藤村、夏目漱石、石川啄木、芥川龍之介、谷崎潤一郎、太宰治、石坂洋次郎、三島由紀夫、北杜夫などである。
 また、私がエッセイのキーワードとして設定したのは、「教科書」「学歴」「ジェンダーロール」「入学試験」「(教師の)資質」「学級経営」「特別支援学級」「作文教育」「いじめ」「英語コンプレックス」「性道徳」「教職員組合」「(スポーツにおける)連帯責任」「内申書」「自殺」「授業崩壊」などである。(ふじお・ひとし)
目次
著者略歴(藤尾 均)
1954年東京生まれ。東京大学文学部卒業。旭川医科大学教授(人文系教養教育担当)を経て現在は名誉教授。趣味の領域の著書に『歌が誘う北海道の旅』(新評論、2023年)があるほか、日本近代小説や日本映画の魅力を独自の視点で伝えるエッセイを精力的に執筆中。
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