『離島の光と影 ~「シマ」の観光と自殺 ~ 』の詳細情報

離島の光と影
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タイトル 離島の光と影
サブタイトル 「シマ」の観光と自殺
著者 [著者区分]波名城 翔 [著・文・その他]
出版社 新評論 レーベル
本体価格
(予定)
2800円 シリーズ
ページ数 280p Cコード 0036
発売予定日 2025-01-14 ジャンル 一般/単行本/社会
ISBN 9784794812810 判型 46
内容紹介
「観光」の裏には「自殺」という問題がある。
観光ブームに湧く離島を対象に、自殺予防対策の実態をインタビュー形式で紹介。

「離島」という言葉からみなさんはどのようなイメージを抱きますか? きっと、「海がきれい」、「食べ物が美味しい」、「人が優しい」といったイメージが出てくることでしょう。近年、離島は観光ブームに湧いています。訪れた、多くの方が「癒されたね。また行きたいね」と思われることでしょう。
私は、自然が豊かで、観光ブームに湧く離島を対象に、自殺予防の研究をしています。きっかけとなったのは、約10年前、沖縄県宮古島市の職員時代に自殺対策を担当したことですが、離島での自殺は、みなさんが想像している以上に多いのです。大学の教員に転職した現在、全国の離島を対象に、北は北海道から南は沖縄まで足を運んで調査を行っています。
 本書では、私が実際に訪れ、インタビューやフィールドワークを行った五つの島を取り上げ、自殺対策についてまとめることにしました。タイトルどおり、自殺対策だけではなく観光そのものにも光を当て、観光業の裏側で行われている自殺対策や、その実態について保健所や市町村役場、民間団体、住民の声などをインタビュー形式で紹介していきます。前著『自殺者を減らす!ゲートキーパーの生き方』(新評論、2023年)では、自殺のハイリスク地と言われる青木ヶ原樹海(山梨県)や東尋坊(福井県)、三段壁(和歌山県)で自殺予防に携わる方々へインタビューをしましたが、ハイリスク地は観光地でもあります。「観光」の裏には「自殺」という問題があるのです。
 本書を著すにあたり、公的機関から「掲載不可」が相次ぎ、掲載対象地を変更するという事態となりました。多分、「余計なことはしてくれるな」ということでしょう。それほど、自殺の問題を取り上げるのは難しく、大変な労力を要します。それでも著した理由は、自殺者を一人でも減らしたいからです。自殺者を減らすには、島民や移住者、観光客など一人ひとりの意識が変化する必要があります。ぜひ本書を読まれて、離島における自殺について考えていただければうれしいです。(はなしろ・しょう)
目次
著者略歴(波名城 翔)
1983年宮古島生まれ。精神保健福祉士/社会福祉士。障害、医療、行政機関を経て、2018年から琉球大学人文社会学部専任講師。沖縄県自殺対策連絡協議会委員、沖縄県公立学校教職員メンタルヘルス対策検討会議委員。
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