『シュリック教授殺害事件 ~ウィーン学団盛衰史 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
シュリック教授殺害事件 |
| サブタイトル |
ウィーン学団盛衰史 |
| 著者 [著者区分] | ■デイヴィッド・エドモンズ [著・文・その他] ■児玉聡 [監修] ■林和雄 [監修] ■杉村文 [翻訳] ■鈴木英仁 [翻訳] ■立場貴文 [翻訳] ■中村貴行 [翻訳] ■中村達樹 [翻訳] ■森田初音 [翻訳] ■吉田隼大 [翻訳]
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| 出版社 |
晶文社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
3500円 |
シリーズ |
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| ページ数 |
586p
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Cコード |
0010 |
| 発売予定日 |
2025-08-25 |
ジャンル |
一般/単行本/哲学 |
| ISBN |
9784794980083 |
判型 |
46 |
| 内容紹介 |
20世紀最大の哲学ドラマ
1936年6月22日、論理実証主義を掲げる「ウィーン学団」の哲学者モーリッツ・シュリックが、かつての教え子に大学構内で射殺された。犯人は法廷で、恩師が「危険なユダヤ的哲学」を広めていると主張し、一部の新聞もこの凶行を擁護した──。
形而上学や疑似科学を排し、科学的で理性的な世界把握を目指したウィーン学団の活動は、当時もっとも先進的な思想運動であった。しかし、彼らはナチズムとファシズムの弾圧によって解散を余儀なくされ、多くが国外へ亡命することになる。
なぜナチスやファシストは彼らの思想をそれほどまでに脅威とみなしたのか? 危機の時代における哲学の使命とはなにか? ナチス台頭期の不寛容と反知性主義を象徴する事件を軸に、現代英米哲学のルーツとなった思想運動の興隆と蹉跌を活写する。
学団の枠を超え、アインシュタイン、フロイト、ハイデガー、ウィトゲンシュタインら、時代を画した知性の運命が激しく交錯する哲学的群像劇にして、ふたたび危機の時代を迎えた私たちの現在に鋭く問いを投げかける圧巻の歴史ノンフィクション。
「私たちはポストトゥルースやフェイクニュースといった言葉が飛び交う時代を生きている。このような環境においては、経験主義がかつてないほど重要なものになる。そこで、私の希望としては、すでに失われた世界において活躍していた一群の素晴らしい思想家たち、その知的態度への共感が容易であるような思想家たちへの関心を復活させるのに、本書が何らかの形で役に立つことを願っている」(本書より)
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| 目次 |
序文 謝辞 第一章 プロローグ──さらば、ヨーロッパ 第二章 小さな雄鶏と象 第三章 拡大する学団 第四章 禿のフランス王 第五章 ウィトゲンシュタインの魔法 第六章 赤いウィーンのノイラート 第七章 コーヒーとサークル 第八章 カウチソファと建築 第九章 シュリックへの望まれざる贈り物 第一〇章 異邦人たちの来訪 第一一章 最も長い憎しみ 第一二章 赤いウィーンの暗黒の日々──「カルナップがあなたを待っている」 第一三章 哲学的な論争 第一四章 非公式の反対勢力 第一五章 くらえ、このくそったれ 第一六章 側近グループ 第一七章 脱出 第一八章 シンプソン嬢の子どもたち 第一九章 戦争 第二〇章 亡命 第二一章 遺産 原注 登場人物 年表 監訳者あとがき 文献表 索引 |
| 著者略歴(デイヴィッド・エドモンズ) |
| 1964年生まれ。哲学博士。上廣オックスフォード研究所特別研究員。著書に『太った男を殺しますか?──「トロリー問題」が教えてくれること』(鬼澤忍訳、太田出版、2015年)、『ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い10分間の大激論の謎』(ジョン・エーディナウとの共著、二木麻里訳、ちくま学芸文庫、2016年)、『デレク・パーフィット──哲学者が愛した哲学者』(上下巻、森村進・森村たまき訳、勁草書房、2024年)など。 |
| 著者略歴(児玉聡) |
| 1974年生まれ。2002年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(京都大学、文学)。現在、京都大学大学院文学研究科教授。著書に『功利と直観』(勁草書房、2010年)、『功利主義入門』(ちくま新書、2012年)、『実践・倫理学』(勁草書房、2020年)、『COVID-19の倫理学』(ナカニシヤ出版、2022年)、『オックスフォード哲学者奇行』(明石書店、2022年)、『予防の倫理学』(ミネルヴァ書房、2023年)、『哲学古典授業 ミル『自由論』の歩き方』(光文社新書、2024年)など。 |
| 著者略歴(林和雄) |
| 1992年生まれ。2022年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(京都大学、文学)。現在、京都大学大学院医学研究科助教。原著論文に「J・S・ミルにおける個性の発展」(『倫理学研究』第53号、2023年)など。 |
| 著者略歴(杉村文) |
| 1999年生まれ。2025年、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。書評論文に「キース・L・カマチョ、西村明、町泰樹訳『戦禍を記念する グアム・サイパンの歴史と記憶』」(『二十世紀研究』第23・24合併号、2023年)。 |
| 著者略歴(鈴木英仁) |
| 1996年生まれ。2025年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、京都大学大学院文学研究科非常勤研究員。原著論文に「感覚の恒常的可能性──ミルの形而上学」(『イギリス哲学研究』第48号、2025年)。 |
| 著者略歴(立場貴文) |
| 1991年生まれ。2023年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、京都大学大学院文学研究科非常勤研究員。原著論文に「前期ウィトゲンシュタインに関する決断的解釈の検討」(『倫理学研究』第52号、2022年)。 |
| 著者略歴(中村貴行) |
| 1999年生まれ。2024年、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。 |
| 著者略歴(中村達樹) |
| 1998年生まれ。2022年、京都大学文学部人文学科卒業。 |
| 著者略歴(森田初音) |
| 2000年生まれ。2024年、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。 |
| 著者略歴(吉田隼大) |
| 1997年生まれ。2023年、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。 |