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タイトル |
ラトヴィアの図書館 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | 吉田右子 [著・文・その他]
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出版社 |
秀和システム |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2600円 |
シリーズ |
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ページ数 |
304p
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Cコード |
0000 |
発売予定日 |
2024-09-20 |
ジャンル |
一般/単行本/総記 |
ISBN |
9784798073835 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
バルト三国の一つ、ラトヴィアにある図書館が本書の主人公である。この国で図書館は「光の島」、「光の点」などと呼ばれてきた。ラトヴィア人にとって、光は「知識、文化、自己成長」を意味しており、図書館を想起させる言葉となっている。人口が200万人に満たないこの国にある公共図書館数を人口当たりで換算してみると、日本の15倍以上となる。驚異的なこの数字は、「公共図書館大国」と言われるスカンジナビア諸国をも圧倒している。なぜ、こんなにもたくさんの公共図書館が小さい国の隅々にまであるのだろうか。 ラトヴィアが旧ソ連から独立したのは1991年。それから30年余り、占領期に弱体化させられた自国語と失われた文化遺産を取り戻すために、図書館界は館種を超えて連帯し、図書館の再構築にひたむきに邁進してきた。その象徴とも言える存在が、2014年に完成した「新国立図書館」、通称「光の城」である。 開館に先立ち、同年1月18日に最初の資料の運び入れがはじまった。その日はマイナス15度という極寒。そんな日に、約15,000人もの市民が旧館から新館まで手渡しで資料を移動させたのだ。列の長さは約2キロに及んだという。そう、世界中の関係者が新国立図書館を知ることになった、「光の道:本の愛好者の鎖」である。 本書は、ラトヴィアの図書館の歩んできた道のりとじっくり向き合い、小さな国の図書館のパワーを解明するためのものである。ラトヴィアの図書館は、読書をこよなく愛する人びとによって支えられている。本を循環させる社会装置の一つとして図書館は、そうした人びとの読書欲を満たすために、あらゆる手段で読書へのニーズに応えようとしてきた。熱心な読者と図書館の相互対話的な営みが、少数話者言語であるラトヴィア語の記録とラトヴィア文化の記憶を継承する回路の中軸となっている。学ぶべきことが満載のラトヴィアの図書館、ページを繰りながら旅をしていただきたい。
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目次 |
はじめに――「読書施設としての図書館」は滅びるのか i 第1章 図書をめぐるストーリー――言語・出版・図書館 3 1 ラトヴィア語とラトヴィア文化 4 2 ラトヴィアの出版動向 9 【コラム】 ベリーやキノコには軽減税を適用――ラトヴィアの付加価値税 11 【コラム】 世界各地に離散したラトヴィア人 15 3 ラトヴィアの人びとの読書風景 17 第2章 ラトヴィアの公共図書館――二度の占領を乗り越える 35 1 ラトヴィア公共図書館の概要 36 2 ラトヴィアの図書館法 39 3 ラトヴィア公共図書館の発展 43 4 パンデミック期のラトヴィア公共図書館 58 5 ロシアによるウクライナ侵攻とラトヴィア図書館界 69 第3章 ラトヴィア公共図書館のサービス 77 1 ラトヴィア公共図書館のサービスとプログラム 78 2 作家・詩人と図書館 87 【コラム】 図書館での貸出による損失を作家に還元する公共貸与権 94 3 子どものためのサービス 98 4 ラトヴィア公共図書館におけるITサービス 112 【コラム】 日用品を乗せて高齢者のもとに向かう図書館バス 120 第4章 光の城・ラトヴィア新国立図書館 123 1 「光の城」の誕生 124 2 ラトヴィア新国立図書館のサービス 138 3 ラトヴィア新国立図書館探訪記 164 第5章 光の島・リーガ中央図書館 191 1 世界遺産の街リーガ 192 2 リーガ中央図書館の運営体制 197 3 リーガ中央図書館のサービス 204 【コラム】 公共図書館における課金 208 4 リーガ中央図書館本館探訪記 213 5 リーガ中央図書館の分館をめぐる①――無期限閉鎖を乗り越えて再開館した図書館 227 6 リーガ中央図書館の分館をめぐる②――ライブラリーガーデンのある図書館 233 7 リーガ中央図書館の分館をめぐる③――ビーチ図書館 238 第6章 ラトヴィアと日本の図書館について語り合う 243 1 社会を照らす希望の光 244 2 言語文化の循環装置としてのラトヴィア図書館 254 おわりに――魂の薬局 258 参考文献・参考資料一覧 269 索引 276 |
著者略歴(吉田右子) |
筑波大学図書館情報メディア系教授。博士(教育学)。専門は公共図書館論。 主な著作として、 『フィンランド公共図書館』*、『オランダ公共図書館の挑戦』、『文化を育むノルウェーの図書館』*、『読書を支えるスウェーデンの公共図書館』*、『デンマークのにぎやかな公共図書館』、(以上、新評論。*は共著)、『メディアとしての図書館』(日本図書館協会)などがある。 |