『民主政アテナイに殉ず ~弁論家デモステネスの生涯 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
民主政アテナイに殉ず |
サブタイトル |
弁論家デモステネスの生涯 |
著者 [著者区分] | 木曽 明子 [著・文・その他]
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出版社 |
京都大学学術出版会 |
レーベル |
学術選書 |
本体価格 (予定) |
2000円 |
シリーズ |
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ページ数 |
288p
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Cコード |
1322 |
発売予定日 |
2024-06-12 |
ジャンル |
教養/全書・双書/外国歴史 |
ISBN |
9784814005277 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
わが国では、明治の文明開化以来、西洋文化の模倣、摂取にいそしんできたが、なぜか「弁論」だけは置き去りにされてきた。古代ギリシアより西洋文化の中枢にあった弁論をなぜ日本人は見落としたのか。本書はいわばその「忘れ物を拾いに行く」ために、古代アテナイの市民生活の中にあった民主政治と弁論家デモステネスの生の軌跡をたずね、時代の精神を代弁し、触れて感じることのできた弁論と、さらには現代においてなお生きるその遺産を紹介する。
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目次 |
巻頭地図 はじめに なぜいまデモステネス?
序 章 弁論と民主政 1 新しい風 民主政アテナイの再出発 言論の自由と平等 2 アテナイ、有為転変ひとかたならず
第1章 弁論家の誕生 1 おいたち 誕生 少年たち 父の死 踏みにじられた父の遺志 遺産の返還請求―私的仲裁・公的仲裁 2 当代屈指の雄弁家の肉声に接す 弁論術習得に励む 後見人職務に関する私訴を起こす 後見人とグル? 「財産交換」 アテナイの裁判 何のこれしき 危うく罠をすり抜ける
第2章 デモステネス初陣を飾る 1 『アポボス弾劾演説』 『アポボス弾劾 第一演説』 『アポボス弾劾 第二演説』 敗訴のアポボスは? アポボスの悪あがき 2 束になってかかってこい 『オネトルへの抗弁 第一、第二演説』
第3章 アテナイ情勢 1 ギリシア世界、混迷を深める 覇権争いは世の常 2 売れっ子代作者デモステネス 私訴弁論代作 公訴弁論代作 デモステネス、民会演説に立つ 弁論家に耳を傾けよ 野次集団と折り合う? 眼から鱗―俳優サテュロスに出会う
第4章 内憂外患 1 マケドニア王ピリッポス二世 夷男、侮りがたし いつの間に〝脅威〟に? ピリッポスの野望 死守すべきはオリュントスかエウボイアか エウボイア出兵 デモステネス、ビンタを喰らう 一矢を報いる―瀆神罪告発? 腐れ縁、メイディアス 結婚 2 恐るべし、ピリッポス オリュントス陥落 対ピリッポス連帯戦線―ライバル現われる 因縁浅からず 第三次神聖戦争(ポキス戦争) ピリッポス、ギリシア北部を制す ピリッポス、アテナイに秋波を送る
第5章 去就に迷う暇なし 1 アテナイ、講和を選択肢に 使節団マケドニア王宮へ 宴の席へ アテナイ民会、岐路に立つ 民会協議実録? 2 ふたたびペラへ デモステネス、謁見の間を笑いで制す 民会報告の虚偽
第6章 ピロクラテスの講和 1 同盟者ピリッポス デモステネス抜きで ポキス降伏 ギリシアの平和の監視人ピリッポス 二つの戦争(アンピポリス戦争、第三次神聖戦争)終わる 2 「ピロクラテスの講和」余燼 ライバル憎し 執務審査 「ティマルコス裁判」 「川が逆流した」 騙されるな、市民たち! アテナイの〝詭弁〟 宿敵に翳り
第7章 国内の敵・国外の敵 1 「使節職務不履行裁判」 遺恨晴れず 使節たちは収賄したのか 敗訴のデモステネスは…… デモステネス、意気高し 『ピリッピカ』 ピリッポス業を煮やす 風雲急を告げる 海軍財政を刷新 2 ギリシアの自由のゆくえ アンピッサ戦争(第四次神聖戦争) またまたディレンマ? ピリッポス、抜き打ちでエラテイアに カイロネイアの戦い 敗戦国アテナイでは 「デマデスの和約」
第8章 パックス・マケドニカ(マケドニアの平和) 1 コリントス同盟 街角に賑わい デモステネスに黄金の冠を! ピリッポス、凶刃に倒れる 2 余光に映ゆ 「冠裁判」 両雄一騎打ち 昨日の敵を今日の友に ポリス・アテナイに栄光あれ 「冠裁判」以後
第9章 晩節を汚す 1 ハルパロス事件―アジアからの闖入者 東征途上のアレクサンドロス 亡命者帰国王令 アレクサンドロス神格化令? ハルパロス逃亡 デモステネスは汚名をそそげるか? デモステネス有罪 デモステネス亡命 デモステネスは収賄したのか? デモステネス、亡命地から書簡を送る 2 終わりをみよ 世情不穏 アレクサンドロス急逝 祖国の落日に殉ず―ラミア戦争 デモステネス自決 アテナイ、後継者争いに呑み込まれる
終 章 民主政のゆくえ アテナイ民主政はなぜ衰退したか 悪貨は良貨を駆逐する 公民意識の希薄化 レートールたち デモステネス、毀誉褒貶はなはだし ピリッポスの虚像? デモステネスの彫像 デモステネスの後裔たち 1 弁論の系譜 アテナイその後 アッティカ弁論復権 「弁論術」すなわち「修辞学」 2 今日に生きるデモステネスの弁論技法 デモステネスの後裔たち デモステネス初期の修辞例・大統領の演説 デモステネス中期の修辞例・大統領の演説 デモステネス円熟期の修辞例・大統領の演説
おわりに
謝辞 デモステネス年譜 略記一覧 参考文献一覧 索引(人名・事項) |
著者略歴(木曽 明子) |
大阪大学名誉教授 1936年 満州生まれ 1967年 京都大学大学院文学研究科博士課程修了 大阪大学教授、北見工業大学教授を経て2002年退職 |