『仮名読物史の十八世紀』の詳細情報

仮名読物史の十八世紀
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タイトル 仮名読物史の十八世紀
サブタイトル
著者 [著者区分]飯倉 洋一 [著・文・その他]
出版社 ぺりかん社 レーベル
本体価格
(予定)
7000円 シリーズ
ページ数 368p Cコード 1091
発売予定日 2024-10-30 ジャンル 教養/単行本/日本文学総記
ISBN 9784831516787 判型 A5
内容紹介
「仮名読物」とは「江戸時代に(漢文ではなく)ひらがな・カタカナで書かれたすべての散文による書物」を指す著者独自の概念である。仮名草子・浮世草子・滑稽本・読本・草双紙・合巻などに分類される「近世文学」のみならず、教訓書・雑書・軍書・紀行文・随筆・名所図会など「文学」周辺のテキストもすべて対象とする。
十八世紀(享保~寛政期)は、和漢の古典に通じる人々が衒学的な「知」を楽しむ「仮名読物」が種々の様式をまとって登場した時代であった。本書はとくに「奇談」「寓言(寓話)」というキーワードに着目し、これまで見えてこなかった領域に光を当てる野心的な研究である。
目次
序論 十八世紀の仮名読物
第一部 江戸産仮名読物の誕生
第一章 佚斎樗山の登場
第二章 常盤潭北と教訓書
第三章 『作者評判千石篩』考
第二部 奇談という領域
第一章 近世文学の一領域としての「奇談」
第二章 奇談から読本へ ―― 『英草紙』の位置
第三章 浮世草子と読本のあいだ
第四章 「奇談」の場
第五章 「奇談」史の一齣
第三部 <学説寓言>の時代
第一章 怪異と寓言 ―― 浮世草子・談義本・初期読本
第二章 前期読本における和歌・物語談義
第三章 大江文坡と源氏物語秘伝 ―― <学説寓言>としての『怪談とのゐ袋』冒頭話
第四章 『垣根草』第四話の<学説寓言>
第五章 『新斎夜話』第一話の<学説寓言> ―― 王昭君詩と大石良雄
第四部 仮名読物の諸相
第一章 怪異語り序説
第二章 「菊花の約」の読解
第三章 尼子経久物語としての「菊花の約」
第四章 濫觴期絵本読本における公家・地下官人の序文
第五章 『絵本太閤記』「淀君行状」と『唐土の吉野』
第六章 『摂津名所図会』は何を描いたか
初出一覧
あとがき
著者略歴(飯倉 洋一)
1956年、大分県生まれ。九州大学大学院文学研究科博士課程中退、博士(文学)(九州大学)、大阪大学名誉教授。専門は日本近世文学。
著書:『秋成考』(翰林書房、2005年)、『上田秋成 絆としての文芸』(大阪大学出版会、2012年)。
校訂:叢書江戸文庫⑬『佚斎樗山集』(国書刊行会、1988年)、江戸怪談文芸名作選 第二巻『前期読本怪談集』(国書刊行会、2017年)。
編著:『アプリで学ぶくずし字』(笠間書院、2017年)、『文化史のなかの光格天皇 朝議復興を支えた文芸ネットワーク』(共編、勉誠出版、2018年)、『真山青果とは何者か?』(共編、文学通信、2019年)。
監修:『近世文学史研究二 十八世紀の文学』(ぺりかん社、2017年)ほか。
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