『南方熊楠と蛇の博物誌 ~ツチノコからコブラ、ウガという怪蛇まで ~ 』の詳細情報

南方熊楠と蛇の博物誌
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タイトル 南方熊楠と蛇の博物誌
サブタイトル ツチノコからコブラ、ウガという怪蛇まで
著者 [著者区分]志村真幸 [著・文・その他]
出版社 三弥井書店 レーベル
本体価格
(予定)
2900円 シリーズ
ページ数 328p Cコード 0040
発売予定日 2025-11-14 ジャンル 一般/単行本/自然科学総記
ISBN 9784838234332 判型 A5
内容紹介
ツチノコと『十二支考』から、熊楠と蛇との関係を明らかにする。昭和天皇にご進講した「ウガ」とは何だったのか。熊楠はロンドンで本当に蛇を食べたのか。熊楠自身が描いたツチノコ・毒蛇・大蛇の図を収録。構想メモである「腹稿」を解読し、最後の謎の扉を開く。
目次
第1章 熊楠と蛇  志村真幸
第2章 蛇と結婚すること、蛇を食べること  志村真幸
 熊楠の話は長く、蛇もまた長い
 「蛇に関する民俗と伝説」
 熊楠の民俗学の方法論―ひとに化ける蛇、蛇に化けるひと
 熊楠のもとに集まる蛇たち
 蛇を食べる
 紀南のハビなるもの
第3章 蛇の腹稿―「南方熊楠の腹稿」論序説  岸本昌也
 はじめに
 熊楠と「腹稿」
 蛇の腹稿
 腹稿から完成稿へ
 おわりに
第4章 「幻」の蛇の図  志村真幸
 収録されなかった蛇たち
 蛇の図や写真をどのように選んだか
第5章 『十二支考』現代語訳の試み―「蛇に関する民俗と伝説」の冒頭部分  南方熊楠著・松居竜五註
 発端
 「ヘビ」という名について
 中国人の見たニシキヘビ/マルコ・ポーロが記録したのは「ワニ」か? 「ヘビ」か?
 ヘビの種類と信仰
 アイルランドにヘビはいない
 どこまで大きくなるのか?
第6章 ツチノコの正体に迫る―熊楠と柳田国男の差と民俗学の行方  志村真幸
 ツチノコと野槌
 野槌への疑いとニホンオオカミ
 河童と山人
 柳田国男とツチノコ
第7章 ツチノコで地域づくり三六年  野崎和生
 はじめに
 WANTED! ツチノコ
 探検隊は総勢二三〇人
 ツチノコ共和国建国
 共和国王宮とツチノコ大学
 ツチノコ共和国の活動
 ミニ独立国国際連合
 ロゴマーク誕生
 ホームページの開設
 一般社団法人ツチノコパークの誕生
 最後に……
第8章 「縁」を結ぶ雑誌、「蛇」でつながる在野の「知」  神川 隆
  ―南方熊楠と佐々木喜善、尾佐竹猛、川口孫治郎の交流から
 はじめに
 民俗学史の再検討―小さな雑誌と同好者・研究者ネットワーク
 「蛇に関する民俗と伝説」と雑誌、同好者・研究者ネットワーク
 熊楠と佐々木喜善―「蛇」でつながる交流
 熊楠と尾佐竹猛―「蛇に関する民俗と伝説」を起点として
 熊楠と川口孫治郎―『郷土研究』が結んだ「縁」
 熊楠と川口の「野槌」考察
 おわりに―熊楠と「知」のネットワークのその後
第9章 「ウガ」と呼ばれるウミヘビ―使者・供物・妖怪  三村宜敬
 はじめに
 ウガの生態と研究過程
 南方熊楠によるウガの入手と観察
 ウガ標本の調査
 ウガと宇賀神
 供物としてのセグロウミヘビ
 ウガは霊魚か妖怪か―ウガの新解釈
 おわりに
第10章 南方熊楠の生活と研究―「蛇に関する民俗と伝説」をめぐって  平川恵実子
 はじめに
 青年期の熊楠と蛇
 帰国後の採集
 田辺の暮らしにおける妻と蛇の日々
 子供達との時間
 蛇をめぐる地域の人々との関係
 蛇との日常と研究
 蛇と亀
 おわりに
第11章 南方熊楠の帽蛇観  松下恵子
  ―ロンドン動物園を介した知的交流
 はじめに
 南方熊楠と帽蛇の世界
 ロンドン動物園と異文化交流
 南方熊楠の学問スタイル
 おわりに
物語のなかの南方熊楠
 南方熊楠を扱った児童書について 一條 宣好
 星野之宣「宗像教授」シリーズ 一條 宣好
 佐藤春夫『近代神仙譚』 千本 英史
 水木しげる『猫楠 南方熊楠の生涯』 大原  智
 阿井景子『花千日の紅なく 南方熊楠と妻』 広川英一郎
 中上健次『紀州 木の国・根の国物語』 辻  晶子
 江戸川乱歩『緑衣の鬼』 安田 忠典
 画・内田春菊 原作・山内基穀『クマグスのミナカテラ』 杉浦 圭祐
 桐島襲『風のクロニクル』 千本 英史
 東郷隆『名探偵クマグスの冒険』 伊藤 慎吾
 大江健三郎『燃えあがる緑の木―第三部 大いなる日に―』 一條 宣好
 水曜日のカンパネラ「南方熊楠」 松下 恵子
 原作・片岡祥三 作画・つるんづマリー『粘菌ロンと楠公少年』 唐澤 太輔
 神坂次郎『縛られた巨人―南方熊楠の生涯―』 杉浦 圭祐
 北原尚彦『霧幻帝都』 田村 義也
 井沢元彦『猿丸幻視行』 一條 宣好
 ヤマタケガイコツ『社会科学研究会活動報告』 伊藤 慎吾
あとがき
著者略歴(志村真幸)
1977年生まれ。慶応義塾大学文学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。南方熊楠顕彰会常任理事。専門は比較文化研究。『南方熊楠のロンドン ―国際学術雑誌と近代科学の進歩』(慶應義塾大学出版会、2020年)、『南方熊楠の生物曼荼羅 生きとし生けるものへの視線』(三弥井書店、2024年、編著)などがある。
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