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タイトル |
隠された人災 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | 松本 健造 [著・文・その他]
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出版社 |
緑風出版 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2200円 |
シリーズ |
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ページ数 |
208p
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Cコード |
0036 |
発売予定日 |
2023-11-24 |
ジャンル |
一般/単行本/社会 |
ISBN |
9784846123130 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
各地で火災が目立ち、犠牲者は一向に減らない。猛烈に噴き出す煙で救出が阻まれ、救出しても搬送先の病院で死亡する。死因は「一酸化炭素中毒」や「焼死」とマスコミで報じられる。だが、死因に猛毒「青酸ガス」(シアン化水素)が関与していることは隠されている。 同一メーカーのバス事故が各地で相次ぐ。ギアがニュートラルで暴走し、曲がりくねった急な坂道を暴走する観光バス。電子制御変速システム「フィンガーシフト」の欠陥が隠されている。 本書は長年、火災事故、バス事故を取材してきた元朝日新聞記者でジャーナリストの著者が、隠されてきた事故の真実に迫る。(2023.12)
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目次 |
第1部 隠された青酸ガス中毒 第1章 京アニ放火事件 ▼「こんなにたくさんの人が亡くなるとは思っていなかった」 ▼検視の盲点 ▼青酸ガスによる急性中毒 ▼情報公開請求を拒否する京都府警
第2章 多摩ビル火災の全犠牲者に青酸ガス ▼死因の真相が隠されてきた「からくり」 ▼鑑定書に書かれていたこと ▼早い青酸ガスの半減期 ▼危険な発泡ウレタン
第3章 奇妙な住宅火災 ▼カーペット一平方メートル燃えて焼死 ▼最近の火災は、火よりも煙の方が怖い
第4章 青酸ガス解毒剤 ▼青酸ガス解毒剤を用意する欧米 ▼解毒剤投与で助かる ▼フランスでは救命救急士が解毒剤投与 ▼遅れている日本の対応
第5章 火災の青酸ガス中毒に対応できず ▼準備のない日本の病院 ▼危険な高気密高断熱の家 ▼青酸ガス中毒に備える病院も
第6章 大阪ビル放火現場のトリアージの謎 ▼大阪ビル放火現場の謎 ▼救出直後は軽症、中等症だったのに
第7章 青酸ガスの発生源 ▼消防研究所の研究 ▼建材・家財から出る煙の毒性 ▼札幌市消防局の燃焼実験
第8章 ダンスクラブ火災 ▼ディスコのウレタン火災で大勢死ぬ ▼ウレタン火災のメカニズム
第9章 布団類や車両火災でも大量発生 ▼布団類からも有毒ガスが ▼車両火災による青酸ガス中毒
第10章 ホテル大東館火災 ▼国会で追及されたホテル大東館火災 ▼青酸ガス中毒死と判決 ▼「捜査上の秘密」
第11章 業界ぐるみの青酸ガス隠し ▼半世紀前に解剖医が学会発表し業界猛反発 ▼ウレタン業界が強く反発 ▼報道への抗議に及び腰になるマスコミ
第12章 国内初の青酸中毒死はタンカー火災 ▼内装工事中のタンカー火災で一五人死亡 ▼長崎屋火災でも青酸中毒隠し
第13章 着衣着火、焼死ではなく青酸ガス中毒 ▼着衣着火で毎年一〇〇人の犠牲 ▼死者の実態は不明のまま
第14章 住宅用火災報知器は青酸ガス検知不能 ▼鳴らない警報機、父娘が中毒死 ▼煙より早く屋根裏からガスが流れ込む ▼布切れを水で濡らし、鼻と口にあてる
第15章 建材の有毒ガス分析を怠る建築行政 ▼「ザル法」化している建築基準法 ▼ウレタンが難燃材料に ▼いい加減な「ガス有害性試験」
第2部 隠されたバス事故原因 第1章 同一メーカーのバス事故が各地で相次ぐ ▼ギアがニュートラルで暴走 ▼エンジンブレーキがきかない
第2章 フェイルセーフ欠如のシステム ▼変速ギアがニュートラルに切り替わる ▼ニュートラルは人命よりエンジンを優先
第3章 相次ぐ厳罰判決 ▼人為ミスと決めつける警察・司法、メーカーの責任は不問に ▼運転手の緊急行動の是非は問わず、厳罰も
終 章 悲劇を繰り返さない緊急対策 ▼青酸ガス中毒の明記、解毒剤の常備を ▼欠陥変速システムの回収・修理を ▼火災の青酸ガスやバス事故から命を守るため、簡単にできる対策は |
著者略歴(松本 健造) |
1948年 福岡県生まれ。 1970年 京都大学工学部化学工学科卒業。 1973年 京都大大学院修士課程修了。朝日新聞社に入社。 地方勤務の後、社会部や科学部で取材記者。調査報道によって、1980年代後半に続発したオートマチック車の暴走などの欠陥車問題や、企業が社員に無断で保険加入させて死亡保険金を独占する悪習「団体定期保険」問題などを手がけた。 2004年4 月から地方記者勤務(高崎支局、平塚支局、大牟田支局、日田支局)。 [主な共著]昭和天皇崩御の前後の世相を描いた『ルポ・自粛、東京の150日』(朝日新聞社)、原発事故から5 年目の現地ルポ『チェルノブイリ・汚染大地』(同)、著書に『告発・電磁波公害』(緑風出版)など。 |