太陽光発電開発によって変わり果てた風景と、太陽光パネルと自然が織りなす「美しい景色」。 研究者でもある著者が提示する、社会問題と写真表現の新たな関係性。
新たな写真・映像作家の登竜門として2023年に立ち上げられた、写真・映像作家発掘オーディション「GRAPHGATE」において、第1回のグランプリを受賞した写真家・逸見祥希、初めての写真集。 自身が生まれ育った故郷の風景が太陽光発電開発によって変わり果てたことをきっかけに、各地で太陽光発電開発による地域トラブルが起こっていることを知った著者が、開発の現場に通い撮影した写真を通して「開発との共生」の可能性を模索した作品。 研究者としてのフィールドワークと写真の視覚的な特性を掛け合わせることで生まれる唯一無二の表現は、社会問題と写真表現の新たな関係性を提示している。
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日没が近づくにつれて、沈みゆく夕日はパネルの色をゆっくりと変えていく。空の淡いグラデーションを美しく反映する姿に思わず息を飲んだ。不覚にも太陽光パネルを綺麗だと思った。「もしかすると写真によって太陽光発電の印象を大きく変えられるかもしれない」。次第に自分の写真にできることを考えるようになった。 (逸見祥希「光さす杜の声を聴く」より)
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