『シェリング自然哲学とは何か ~グラント『シェリング以後の自然哲学』によせて ~ 』の詳細情報

シェリング自然哲学とは何か
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タイトル シェリング自然哲学とは何か
サブタイトル グラント『シェリング以後の自然哲学』によせて
著者 [著者区分]松山壽一 [著・文・その他]
出版社 知泉書館 レーベル
本体価格
(予定)
3200円 シリーズ
ページ数 232p Cコード 3010
発売予定日 2024-08-23 ジャンル 専門/単行本/哲学
ISBN 9784862854148 判型 46
内容紹介
「自然哲学」にはプラトン・アリストテレスに端を発し,ニュートン,カント,シェリング,ヘーゲルを経てドゥルーズへと連なる系譜がある。ことにシェリング自然哲学に対する関心の低い状況が続いていた。しかし,イアン・ハミルトン・グラントによる刺激的で挑発的な『シェリング以後の自然哲学』(2006)の刊行を機に,シェリング自然哲学への関心が高まっている。
本書前半(第1–3章)では,まず,シェリングの最初期の『ティマイオス注解』による思想形成から,『自然哲学諸考案』,『世界霊』に至る1794–98年の諸著作を概観し,プラトン研究とライプニッツ思想の接続についてと,カントの自然哲学との対決を通して形成されるシェリング自然哲学を考察する。次にシェリング自然哲学にとって根本的な「力動」概念を歴史に即して探求する。さらに「自然学とは何か」を提示し,自然哲学と近代科学・現代科学とを対比・検討することにより,そのアクチュアリティー論を展開する。
本書後半(第4,5章)では,「シェリング自然哲学を再構成すること」を主張するグラント説の内容を解説し,さらに彼によるシェリング解釈の問題点を詳細に検討する。
本書はシェリング自然哲学と近代科学研究に長年携わってきた著者による提言の書である。
目次
まえがき

第一章 シェリング自然哲学の成立
 一 対立者の合一
 二 予定調和
 三 自己意識の歴史

第二章 根源力と力動――カント動力学批判によるシェリング力動概念の形成
 一 シェリングのカント動力学批判
 二 第三の力としての重力
 三 シェリングのルサージュ自然学批判
 四 シェリング自然哲学における力動論

第三章 自然哲学のアクテュアリティー
 一 科学哲学と自然哲学――科学の基礎概念の分析
 二 近代科学と自然哲学(その一)――自然と精神の分裂と統一
 三 近代科学と自然哲学(その二)――実証と思弁をめぐって
 四 現代科学と自然哲学――混沌からの秩序

第四章 シェリング以後の自然哲学
 序論
 一 万有の自然学と万物の自然学
 二 精神の自然史
 三 超越論的地質学

第五章 グラントのシェリング自然哲学解釈の問題点
 一 「精神の自然史」はシェリング自然哲学の再構成たりうるか?
 二 「超越論的地質学」は『自由論』に見出せるか?
 三 ドゥルーズはカント主義に陥っているか?

あとがき
文献一覧
人名索引
著者略歴(松山壽一)
1948年大阪市に生まれる。1981年立命館大学大学院文学研究科博士課程修了。1981–2018年大阪学院大学教員。1985–86年テュービンゲン大学留学。1992年日本シェリング協会理事(同年事務局長,後年会長)。1993年『ドイツ自然哲学と近代科学』の研究により文学博士(法政大学)。1995年バイエルン学術アカデミー(ミュンへン)留学。1996–2003年ドイツ博物館科学史研究所(ミュンヘン)客員研究員。2002–2003年カイザースラウテルン大学客員教授。2006–2014年日本文化研究所共同研究員。現在,大阪学院大学名誉教授。 〔主要業績〕著書に『シェリングとカント』(法政大学出版局,2021年),『造形芸術と自然』(同,2015年),『悲劇の哲学』(萌書房,2014年),『若きカントの力学観』(北樹出版,同年),『ニュートンとカント』(晃洋書房,1997年),『科学・芸術・神話』(同,1994年),『ドイツ自然哲学と近代科学』(北樹出版,1992年),『生きることと哲学すること』(同,1990年)。
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