『空の区別 ~中観派哲学と区別のシステム理論 ~ 』の詳細情報

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タイトル 空の区別
サブタイトル 中観派哲学と区別のシステム理論
著者 [著者区分]西菜穂子 [著・文・その他]
出版社 溪水社 レーベル
本体価格
(予定)
6300円 シリーズ
ページ数 332p Cコード 3010
発売予定日 2024-11-30 ジャンル 専門/単行本/哲学
ISBN 9784863276536 判型 A5
内容紹介
この世界を生きる自己への問い――
認知科学、社会学、西洋哲学、東洋哲学の記述を、区別および仏教の「空」の思想を通して考察する。
目次
はじめに

第1章 『身体化された心』の問題提起

 第1節 身体化論提唱の背景
  1『身体化された心』の動機
  2 認知主義批判
  3 同書の仏教理解の問題点
  4 科学(学問)と日常の自己
 第2節 身体化論と仏教思想からの示唆
  1 心の科学と自己
  2 自己の根拠 無根拠性
  (1)自己の根拠
  (2)色の認知 行為からの産出
  (3)無根拠性
  3 エナクティブ・アプローチと自我のない状態

第2章 ルーマンの理論

 第1節 区別・観察
  1 システムと環境
  (1)差異理論としてのシステム理論
  (2)区別・観察
  (3)二値コード
  (4)オートポイエーシス
  (5)社会 意味 言語
  2 自己
  (1)「個人」の同一性と観察者
  (2)意識と
  3 世界
  (1)世界の観察とパラドックスのコミュニケーション
  (2)時間
  (3)世界と沈黙すること
  4 科学システム
  (1)科学システムという観察形式
   (a)Wissenschaft の規定
   (b)複雑性
   (c)偶然(Zufall)
  (2)基礎づけ可能性
   (a)観察の記述
   (b)科学の「説得性」
 第2節 神の区別
  1 宗教システム
  (1)ルーマンのアプローチ
  (2)宗教システムにおける意味
  (3)宗教のコミュニケーション
  2 内在と超越
  (1)内在と超越を扱うこと
  (2)宗教システムのコード「内在/超越」
  3 仏教哲学への関心
  (1)ルーマンの神概念
  (2)ルーマンの仏教観とキリスト教的コスモロジー
   (a)仏教についての記述
   (b)西谷の思想に対する理解
   (c)キリスト教的コスモロジー批判
  (3)ブラフマンについての言及

第3章 ナーガールジュナの哲学

 第1節 ヤスパース「ナーガールジュナ」
  1 西洋における中観派哲学の受容
  2 帰謬法の西洋哲学からの解説
  3 思惟と非思惟
  4 空性 die Leerheit
  5 東洋と西洋の自己
 第2節 中村元『龍樹』
  1 中観派の概略
  (1)歴史的背景と文献
  (2)論敵・説一切有部の思想
  (3)帰謬法
  2 空
  (1)「空」の受容
  (2)中道
  (3)縁起
  (4)空見
  (5)空と救済
  3 我 アートマン
  (1)行為主体
  (2)アートマン
  (3)アナートマン
  4 空と涅槃
  (1)我と涅槃
  (2)二諦と絶対的な智
  5 比較思想的考察
 第3節 ナーガールジュナ論の総括
  1 有と無の対立とその観察者
  2 空・縁起・中道 そして時間
  3 現象世界
 第4節 インド哲学とナーガールジュナ
  1 インド思想とギリシア思想
  2 ヴェーダーンタ思想 ブラフマン
  (1)シャンカラの不二一元論
  (2)時間という無明と世界の展開
  (3)至高のブラフマンと区別の統一
  3 アートマンとブラフマン
  (1)個人存在とアートマン
  (2)ヴェーダーンタと仏教のアートマン、そしてブラフマン
  4 自我のない行為

第4章 西洋の内在と超越・東洋の空と涅槃

 第1節 ニコラウス・クザーヌスの否定神学とナーガールジュナ
  1 否定神学の神
  2 神の観照
 第2節 ルーマン理論と仏教思想
  1 ルーマンの仏教理解
  2 「キリスト教の神」とルーマン
  (1)神の対概念
  (2)偶発性の定式
  (3)キリスト教とルーマン
 第3節 内在の営為と空
 第4節 伴われてあること 菩薩とイエス

おわりに
あとがき
文献
索引
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