「休む」とは、単なる「疲労回復」なのか? 「休息」概念の二千年史をたどる。 産業化が浸透し、時間を管理することが当たり前となった現代社会のなかでは、労働時間と対になった疲労回復、あるいは「レジャー」によって埋めるべき空白の時間と捉えられがちな「休息」。しかし歴史を振り返ると、現代の「休息」にあたる概念には、古くは「永遠の安息」にはじまり、「隠居」「失脚」による社会生活からの撤退、宴会・祝祭に見いだされる休息など、「日常と異なる生」への扉を開くきわめて豊かな含意があった。 「感性の歴史」の第一人者が、19世紀の大きな転換を見据えつつ、古代から現代にいたる「休息」の歴史を俯瞰する。
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