『古事記の成立 ~[歌と散文]の表現史 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
古事記の成立 |
サブタイトル |
[歌と散文]の表現史 |
著者 [著者区分] | 居駒 永幸 [著・文・その他]
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出版社 |
花鳥社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
12000円 |
シリーズ |
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ページ数 |
440p
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Cコード |
3095 |
発売予定日 |
2024-10-25 |
ジャンル |
専門/単行本/日本文学、評論、随筆、その他 |
ISBN |
9784868030126 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
なぜ史書に歌が書かれるのか。
『古事記』と『日本書紀』は歴史叙述を目的としながらも、歌と散文による叙述法を選んだ。歌そのものが宮廷の出来事を伝える歴史叙述だったからである。歌が物語化され、そこに散文が生成してくる。
説話や物語に古代歌謡が結合したり、はめ込まれたとする独立歌謡転用論は、もはや通用しない。
『古事記』成立と深く結びつく、8世紀初めの日本史書に出現した特異な現象を解明する。
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目次 |
はじめに
凡例
第一章 主題と研究方法
1 軽太子物語と歌の叙事——記紀歌謡研究の新しい枠組み——
はじめに
記紀歌謡の二つのとらえ方
軽太子物語と歌の叙事
[歌と散文]の表現空間
叙事歌としての記紀歌謡
結び
2 古代歌謡と『古事記』『日本書紀』の歌——新たな記紀歌謡研究の方法——
はじめに
記紀歌謡の研究史
古代民謡の認定
宮廷歌謡・歌曲と『古事記』『日本書紀』の歌
[歌と散文]による歴史叙述
結び
3 『日本書紀』の歌とその研究史——[歌と散文]の表現空間を中心に——
はじめに
歌と所伝の関係
民謡・創作歌と記紀歌謡の大歌説
「記紀歌謡」の実体と転用論
歌の叙事と宮廷歌謡
[歌と散文]による歴史叙述
結び
第二章『古事記』『日本書紀』の歌とその表現
1 『古事記』『日本書紀』の歌の発生——歌謡の生態とテキストのあいだ——
はじめに
宮廷歌謡・歌曲としての生態
久米(来目)歌の叙事
『記』『紀』の歌テキスト
結び
2 『古事記』『日本書紀』の歌のヴァリアント——異伝注記を通して——
はじめに
[歌と散文]にみる『紀』の異伝
或云の異伝
一云の異伝
一本の異伝
『記』『紀』の歌のヴァリアント
結び
3 日本古代の歌垣——「歌垣」「歌場」「嬥歌」とその歌——
はじめに
『記』『紀』の「歌垣」「歌場」
『風土記』『万葉集』の「嬥歌」「歌垣」
『続日本紀』の「歌垣」
結び
4 蟹の歌とその系譜——御贄としての蟹——
5 古代の巨樹説話と歌——天を覆う百枝槻——
巨樹が立つ聖地
『古事記』『日本書紀』の巨樹説話
『風土記』の巨樹説話
天・東・夷を覆う百枝槻
法興寺の槻
6 歌謡の人称の仕組み——神歌の叙事表現から——
はじめに
タービの表現様式
叙事表現と一人称
人称の混在の発生
『古事記』八千矛神の歌の人称
結び
第三章『古事記』『日本書紀』『風土記』の歌と散文叙述
1 『古事記』『日本書紀』の[歌と散文]——基礎的考察——
はじめに
『記』『紀』における[歌と散文]の関係
散文の音仮名表記と歌詞
散文の訓字表記と歌詞
歌の場面の漢語表記
結び
2 『古事記』の歌と宮廷史——歴史叙述としての歌——
はじめに
歌の情報をどうみるか
『古事記』の歌は宮廷歌曲か
なぜ反乱に関わる歌が多いのか
『古事記』は歌で何を表したか
結び
3 蜻蛉野遊猟歌と雄略神話——紀75に「口号」と記す意味——
はじめに
〈雄略天皇=神〉意識による雄略神話の表象
蜻蛉野遊猟歌と「蜻蛉島日本」
蜻蛉野遊猟歌の散文と「口号」
結び
4 『日本書紀』の歌と歴史叙述——顕宗即位前紀の「室寿」「歌」「誥」——
はじめに
顕宗即位前紀の構成
「室寿」「歌」「誥」の詞章と表記
『日本書紀』の韻文詞章
「室寿」「歌」と散文
二つの「誥」と散文
「室寿」「歌」「誥」と「嗣」の歴史叙述
結び
5 養老の文芸——「丹後国風土記」逸文の浦島子説話と和歌——
はじめに
「丹後国風土記」逸文の浦島子説話
漢文体の浦島子説話と和歌
浦島子歌群の表現とその類句・類歌
浦島子説話の享受と贈答・追和歌
結び
第四章『古事記』[歌と散文]の表現空間
1 『古事記』の[歌と散文]——歌の叙事の視点から——
はじめに
こは誰よめりともなし
「呉床」から「猪」へ
歌の中のもう一つの物語
結び
2 蟹の歌——応神記・日継物語の方法——
はじめに
応神記と「天津日継」
この蟹や何処の蟹
神女としての矢河枝比売
蟹の歌と散文の表現空間
宇遅能和紀郎子と日継物語
結びにかえて——再び『記』の日継物語
3 仁徳記の「高光る 日の御子」——「日継」と「日の御子」——
はじめに
仁徳記説話群の構成
「ほむたの 日の御子」から「高光る 日の御子」へ
雁の卵説話の日女島と「高光る 日の御子」
雁の卵説話から枯野説話へ
結びにかえて——[歌と散文]の表現空間
4 読歌と「待懐」「共自死」——『古事記』下巻の日継物語と歌——
はじめに
允恭記と「日継」
衣通王以後の構成
読歌二首の表現と「待懐」「共自死」
日継物語と「共自死」
結びにかえて——死のちから
5 置目来らしも——『古事記』の最終歌二首と日継物語——
はじめに
安康記以後の説話構成
忍歯王の歯
置目老媼の[歌と散文]のあいだ
顕宗・仁賢天皇の日継物語
結び
第五章『古事記』[歌と散文]の文体と成立
1 『古事記』『日本書紀』の歌の生態と記載——宮廷歌謡・歌曲から史書の歌へ——
はじめに
歌の注記
歌謡としての生態
宮廷史としての宮廷歌謡・歌曲
宮廷歌謡・歌曲と楽府
[歌と散文]による構成
歌と会話文
結び
2 『古事記』の文体——[歌と散文]の叙述法——
はじめに
漢字で書く和文の多様性
歌の一字一音表記
[歌と散文]の文体の基本的構造
[歌と散文]の独立性
散文中の一字一音表記の歌詞
一字一音表記の歌詞と散文の訓読
結び
3 『古事記』の成立——[歌と散文]の表現史——
はじめに
序文に記述する成書過程
「帝紀」「旧辞」と「帝皇日継」
阿礼の「誦習」と「未行其事」
「勅語旧辞」と安万侶の「撰録」
「日継」と「天神御子」「日神の御子」
「高光る 日の御子」「やすみしし 我が大君」と天武朝の天皇像
「高光る 日の御子」の[歌と散文]
結びにかえて——[歌と散文]の表現史
所収論文 初出一覧
あとがき
事項索引/歌番号索引 |
著者略歴(居駒 永幸) |
1951(昭和26)年 山形県村山市生まれ。
國學院大學大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。
2021(令和3)年 明治大学教授を定年で退任、現在、明治大学名誉教授。
専門分野 古代日本文学・日本民俗学。
2003(平成15)年 國學院大學より博士(文学)の学位授与。
主な著書
『古代の歌と叙事文芸史』(笠間書院、2003年。志田延義賞受賞)、『東北文芸のフォークロア』(みちのく書房、2006年)、『歌の原初へ 宮古島狩俣の神歌と神話』(おうふう、2014年。連合駿台会学術賞受賞)、『イギリス祭り紀行』(冨山房インターナショナル、2021年)
共編著
大久間喜一郎・居駒永幸編『日本書紀[歌]全注釈』(笠間書院、2008年)、原道生・金山秋男・居駒永幸著『古典にみる日本人の生と死』(笠間書院、 2013年)、古橋信孝・居駒永幸編『古代歌謡とはなにか』(笠間書院、2015年)、金山秋男編『日本人の魂の古層』(明治大学出版会、2016年) |