『袴田事件 死刑から無罪へ ~58年の苦闘に決着をつけた再審 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
袴田事件 死刑から無罪へ |
サブタイトル |
58年の苦闘に決着をつけた再審 |
著者 [著者区分] | 小石勝朗 [著・文・その他]
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出版社 |
現代人文社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2000円 |
シリーズ |
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ページ数 |
272p
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Cコード |
0036 |
発売予定日 |
2024-10-22 |
ジャンル |
一般/単行本/社会 |
ISBN |
9784877988692 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
雪冤まで58年――死刑再審の経過を丁寧に追う 再審で無罪判決――袴田事件は1966年の事件発生以来58年ぶりに雪冤を果たした。第2次再審請求は2008年に提起され、紆余曲折をたどった。再審無罪までの審理の経過、袴田巖さんとお姉さんの雪冤の足跡、および支援者の活動を丁寧に追って、捜査や裁判の問題点を改めて検証する。再審法の不備をはじめ、50年以上前の死刑冤罪が現代に提起する教訓を浮き彫りにする。
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目次 |
序 ついに無罪判決が出た
第1章 大きく揺れた司法判断 1 静岡地裁が再審開始と袴田巖さんの釈放を決定、「証拠捏造」に踏み込む(2014年3月27日) 2 東京高裁が逆転で再審請求を棄却、DNA鑑定の信用性を否定(2018年6月11日) 3 死刑判決が蝕んだ袴田巖さんの心(2018年8月) 4 袴田巖さんの恩赦を出願、再収監阻止へ「死刑の執行免除」を求める(2019年3月20日) 5 冤罪被害者らが「再審法改正をめざす市民の会」を結成、証拠の全面開示を求める(2019年5月20日) 6 袴田巖さんの右肩の傷めぐり「新証拠」、弁護団が最高裁へ補充書(2019年6月7日) 7 死刑判決を支えた検事調書の「作成日は虚偽」、弁護団が最高裁に補充書(2020年7月8日) 8 味噌漬け衣類の「色」への高裁判断は「極めて杜撰」、弁護団が最高裁に補充書(2020年11月9日) 9 袴田巖さんがローマ教皇のミサに参加、個別の面会・接触はかなわず(2019年11月25日) 10 確定審の一審で「無罪を主張した」裁判官、熊本典道さんが逝去(2020年11月11日) 11 最高裁が再審棄却決定を取り消し高裁へ差し戻す、2人の裁判官は「再審開始」を主張(2020年12月22日)
第2章 「血痕の色」をテーマに差戻審で論戦、そして再審開始決定 1 第1回三者協議◉差戻審の審理が高裁で始まる、5点の衣類の血痕の色合い変化を中心に(2021年3月22日) 2 第2回三者協議◉弁護団が新たな味噌漬け実験の報告書を提出、「条件を変えても血液は必ず黒くなる」(2021年6月21日) 3 第3回三者協議◉「味噌に漬かった血痕に赤みが残る可能性はある」、検察が反論の意見書(2021年8月30日) 4 「1年以上味噌に漬かった血液に赤みが残ることはない」、弁護団が法医学者の鑑定書を提出(2021年11月1日) 5 第4回三者協議◉検察が来年2月までに総括的な反論意見書、差戻審は佳境に(2021年11月22日) 6 「再審法改正」に向け国会議員への働きかけを本格化、日弁連が院内集会(2022年2月2日) 7 第5回三者協議◉検察が独自の味噌漬け実験を踏まえ意見書、裁判所は証人尋問を実施へ(2022年3月14日) 8 第7回三者協議◉証人尋問は7月下旬~8月上旬に、年内にも再審の可否を決定か(2022年5月23日) 9 第8回三者協議◉証人尋問を経て年内に最終意見書、検察実験の観察に裁判官が立会いへ(2022年6月27日) 10 証人尋問で専門家の見解は分かれる、袴田巖さんの弁護団は立証に自信(2022年7月22日、8月1日、8月5日) 11 第10回三者協議◉差戻審の三者協議が終了、裁判所は今年度中に決定の意向(2022年9月26日) 12 1年2カ月間味噌に漬けた血痕に「赤みは残らず」、検察実験の最終観察に立ち会った弁護団が見解(2022年11月1日) 13 最終意見書を提出し差戻審が結審、検察は再収監を要求(2022年12月2日、12月5日) 14 再審の可否決定は3月13日、ボクシング協会などの支援活動が活発化(2023年2月6日) 15 東京高裁が再審開始の決定、捜査機関による証拠捏造の可能性に言及(2023年3月13日) 16 検察が最高裁への特別抗告を断念、再審公判で無罪判決が確実に(2023年3月20日)
第3章 再審の初公判まで続く攻防 1 第1回事前協議◉検察が方針決定に3カ月を要求、裁判所も容認(2023年4月10日) 2 検察は「有罪の立証をしない」と表明を、袴田巖さんの弁護団が申入れ(2023年4月20日) 3 9年前に再審開始を決定した村山浩昭・元裁判長が述懐、「常識論として捏造しかないと思った」(2023年5月19日) 4 第2回事前協議◉冒頭陳述の要旨を7月までに、裁判所が要請も検察は受入れを留保、袴田巖さんの出頭は求めない意向(2023年5月29日) 5 第3回事前協議◉裁判所が事前協議の日程を追加、再審公判は11月以降の可能性も(2023年6月20日) 6 検察が「有罪」を立証の方針、弁護団は「蒸し返し」と強く反発(2023年7月10日) 7 第4回事前協議◉検察の新証拠は「血痕の色」の共同鑑定書など16点、弁護団は却下を要求へ(2023年7月19日) 8 第5回事前協議◉裁判所が12の公判候補日を提示、証人尋問を実施へ(2023年9月12日) 9 第6回事前協議◉初公判は10月27日で決定、判決の時期は見通せず(2023年9月27日) 10 ボクシング世界王者らが検察に有罪立証しないよう要請(2023年10月3日)
第4章 7カ月に及んだ再審公判の審理 1 初公判◉袴田巖さんに代わり姉・秀子さんが無罪を主張、検察は有罪の立証、結審は来年5月以降の公算(2023年10月27日) 2 第2回公判◉「味噌工場関係者の犯行」とする検察に弁護団が反論、「凶器はクリ小刀」を疑問視(2023年11月10日) 3 第3回公判◉検察が「5点の衣類は袴田さんの犯行着衣」と主張、捏造は「非現実的で不可能」(2023年11月20日) 4 第4回公判◉弁護団が「5点の衣類は捏造証拠」と反論、ズボンがはけない理由を論証(2023年12月11日) 5 第5回公判◉犯行の動機や袴田さんのけが、パジャマをめぐり検察と弁護団が論戦(2023年12月20日) 6 西嶋勝彦・弁護団長が急逝、30年以上にわたり袴田さんを支える(2024年1月7日) 7 第6、7回公判◉「ズボンの端切れも警察の捏造」、5点の衣類めぐり弁護団が主張(2024年1月16日・17日) 8 第8、9回公判◉5点の衣類の血痕の色合いに「不自然な点はない」と検察が主張、5月22日に結審へ(2024年2月14日・15日) 9 静岡地裁の傍聴人への規制は「過剰で不必要」、弁護団が中止を申入れ(2024年2月26日) 10 第10~12回公判◉法医学者ら5人を証人尋問、5点の衣類の血痕の色合いめぐり異なる見解(2024年3月25日〜27日) 11 第13、14回公判◉5点の衣類の血痕のDNA鑑定をめぐり攻防、「袴田さんの型と一致せず」との結果に評価は対立(2024年4月17日・24日) 12 第15回公判◉検察が死刑を求刑、弁護団は無罪を主張し結審、判決は9月26日(2024年5月22日)
第5章 再審判決が斬り込んだ「3つの捏造」
あとがき
袴田事件弁護団一覧・袴田事件支援団体一覧 袴田事件の主な経過一覧 |
著者略歴(小石勝朗) |
小石勝朗(こいし・かつろう) 1985年中央大法卒。朝日新聞などの記者として24年間、各地で勤務した後、2011年からフリーランス。冤罪や地方自治が取材・執筆の主テーマ。袴田事件の取材は2006年から続け、ウェブ『刑事弁護オアシス』などに記事を執筆している。著作に『袴田事件 これでも死刑なのか』(現代人文社、2018年)、『地域エネルギー発電所 事業化の最前線』(共著、現代人文社、2013年)など。 |