『フィンランド人の物語 ~バルト海ドラマ ~ 』の詳細情報
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タイトル |
フィンランド人の物語 |
サブタイトル |
バルト海ドラマ |
著者 [著者区分] | 玉生 謙一 [著・文・その他]
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出版社 |
下野新聞社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
1800円 |
シリーズ |
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ページ数 |
376p
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Cコード |
0022 |
発売予定日 |
2024-07-10 |
ジャンル |
一般/単行本/外国歴史 |
ISBN |
9784882868743 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
ムーミン?ノキア?マリメッコ?それともF1ワールドチャンピオン、ミカ・ハッキネン? フィンランドから浮かぶイメージはそれだけでしょうか?
元外務省の外交官、宇都宮出身の筆者は留学も含めてフィンランド居住歴約30年。 フィンランドの中から日本から縦横無尽に駆け巡るフィンランドへの愛が溢れるやさしいフィンランド入門書。
フィンランドの人、文化、歴史を学びながらやがて日本へ、世界へ、心が旅をする1冊。
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目次 |
はじめに 序 章 時代区分 Ⅰ キリスト教以前~神話の時代~ 第一章 民族叙事詩「カレワラ」 (1)フィンランドの「古事記」 (2)カレワラの描く世界 第二章 もう一つの古代史 (1)フィン・ウゴル語族の世界 ①フィン・ウゴル語族の起源 ②その後の展開 ③フィンランド人の「民族移動」 (2)フィンランド民族創成の二大要素としての民族叙事詩とフィン・ウゴル語族 Ⅱ 十字軍の時代 第三章 フィンランドへの十字軍 (1)十字軍のおさらい (2)スウェーデンとロシアの勢力争い 第四章 フィンランドはスウェーデンの支配下に入り、どう変わったのか (1)スウェーデン王国の対等で従順な臣民として順応 (2)フィンランドの「文明化」 (3)スウェーデンによるフィンランド統治の進展 第五章 北欧の統一国家、カルマル連合 Ⅲ 宗教改革の時代 第六章 ヨーロッパ近代という時代 (1)どういう時代だったのか (2)宗教改革について二つの考察 ①プロテスタント主義が資本主義を生んだのか ②新たな免罪符、あるいは「規制緩和」としてのプロテスタント主義 第七章 スウェーデンの近代~概観~ (1)国際関係~砂上の楼閣「バルト帝国」~ ①デンマーク〜因縁の仇敵〜 ②ロシア~永遠の敵~ ③バルト地域、そして北ドイツ~バルト海支配と崩壊~ (2)内政~中央集権化の進展~ ①王権と大貴族の主導権争い ②軍事~改革の成功~ (3)宗教改革~信仰ではなく、単なる政略としての宗旨替え~ (4)経済~後進国~ ①都市~独立性のない欽定都市~ ②貿易~スウェーデン本土の鉄、フィンランドのタール~ ③農業~豊かでない土地の開拓~ 第八章 バーサ王朝の諸王とフィンランド (1)スウェーデンの独立~僭主グスタフ・バーサ~ ①北欧王国(カルマル連合)を崩壊させる 97 ②バーサ王の長寿~スウェーデンの徳川家康~ (2)棍棒戦争(第一次フィンランド内戦)~グスタフ一世の息子達の争い~ (3)「ハッカペリーッタ」~グスタフ・アドルフ軍の勇猛フィンランド人部隊~ (4)「大いなる憎悪」~カール十二世が招いたロシア軍のフィンランド占領~ (5)対ロシア復讐戦~その後の愚かな軍事的冒険~ Ⅳ フランス革命以降の時代~宗教の世俗化~ 第九章 ナショナリズム~第二の宗教改革~ (1)国家観の大転換 (2)言語ナショナリズムについての考察 第十章 「フィンランド民族」の創成 (1)民族国家の建設開始~「行政区」から「国家」へ~ (2)フィンランド・アイデンティティーの創設 ①フィンランド語主義者(フェンノマニアFennomania) ②スウェーデン語主義者(スベコマニアSvekomania) ③言語闘争 ④どのようにフィンランド語化を進めたのか ⑤流血のない「民族紛争」 ⑥フィンランド史の偉人(i)フィンランド語主義の元老、スネルマン ⑦自然~もう一つのアイデンティティー~ 第十一章 「拡大する」フィンランド (1)親戚言語の探求~シベリア探検~ (2)カレリア主義 ①民族叙事詩カレワラの「故郷」 ②カレリア主義の実態 (3)大フィンランド主義 (4)ソビエト連邦崩壊後の「フィン・ウゴル語族」 ①「つきあってもいい親戚」 ②「そうでもない親戚」 第十二章 独立の苦しみ (1)内戦~分裂するフィンランド~ (2)生まれなかった「フィンランド王国」~王様はドイツからという不思議~ 第十三章 「フィンランド人」とは (1)人種~フィンランド人はモンゴル人か~ ①「偏見」との戦い ②人種の優劣は軍事力で決まる (2)言語~フィンランド語は日本語の親戚?~ ①スウェーデン語もフィンランドの公用語 ②ヨーロッパ語から排除されたフィンランド語 ③言葉の特徴 ④「絶滅危惧種」から「公用語」へ ⑤フィンランド史の偉人(ⅱ)フィンランド語文語の父、アグリコラ Ⅴ ロシアとの関係 第十四章 隣に住む獰猛な熊 (1)ロシア皇帝の臣民となる ①ロシアの宥和政策、ペテルブルクでの可能性 ②ロシア化に備えて ③戦間期に過激化する「ロシア憎悪」 (2)ロシアからの真の独立 ①真の独立戦争としての「冬戦争」 ②報復としての「継続戦争」 ③クーシネン傀かい儡らい政権、そしてフィンランド共産党 ④戦争裁判 ⑤フィンランド史の偉人(ⅲ)若き日のマンネルヘイム将軍 (イ)ロシア帝国軍人として (ロ)日露戦争従軍記 (3)独立維持の努力~「フィンランド化」と呼ばれた時代~ ①真実、それとも西側の「でっち上げ」? ②フィンランドから垣間見たソ連の日常生活の断片 ③フィンランド史の偉人(ⅳ)ケッコネン大統領 第十五章 スパイ大作戦 (1)筆者の断片的実体験 (2)レベルの高い諜報網 第十六章 金カネの生る木、ソ連貿易 Ⅵ スウェーデンとの関係 第十七章 かつての母国でもあり、目標でもあったスウェーデン 254 (1)スウェーデンから見たフィンランド (2)人の交流~フィンランド語とスウェーデン語~ 第十八章 フィンランドのスウェーデン人 Ⅶ フィンランドは、どう社会が回っているのか 第十九章 経済的繁栄~短期間で経済先進国~ (1)経済構造変遷の大筋 (2)「世界に冠たる」福祉国家 第二十章 独自の安定した内政 (1)「合理的」な政治・経済体制 (2)間近に見た大統領 ①コイビスト大統領 ②アハティサーリ大統領 ③ハロネン大統領 ④ニーニスト大統領 ⑤ストゥブ大統領 第二十一章 変わる社会、変わらぬ社会 (1)宗教はまだあるか (2)サーメ人(ラップ人)~もう一つの少数派~ (3)アルコール問題、すなわち、火酒の痛飲について ①フィンランドの「正しい」酒の飲み方 ② 「百年河か 清せいを俟まつ」 Ⅷ フィンランド人のアイデンティティーは確立したか 第二十二章 フィンランド・アイデンティティーとは (1)自画像 (2)外から見たフィンランド像 ①近代から独立頃まで (イ)イギリス (ロ)ロシア (ハ)ドイツ ②第二次世界大戦後からソ連崩壊まで (イ)「フィンランド化」というレッテル (ロ)対外イメージ向上戦略の成否 ③一九九◯年代 (イ)ロシア (ロ)ドイツ (ハ)イギリス ④二十一世紀 終章 ヨーロッパ人としてのフィンランド人 (1)アイデンティティーの模索:フィン・ウゴル語族としてのフィンランド人 (2)アイデンティティーの危機:ロシアに飲み込まれ、民族が消滅する危機 (3)新たなアイデンティティーを求めて:北欧の一員として (4)ヨーロッパ人になったフィンランド人 ①EU加盟からNATO加盟へ ②再編されたアイデンティティーの具体例 (イ)違憲立法審査権 (ロ)三者協議、「官」も入った労使交渉 (ハ)汚職の撲滅 (ニ)遊技場・ゲームセンターは官営 (ホ)スラムのない都市 (ヘ)「育児パッケージ/ベビーボックス」 (ト)リナックス(linux) (チ)「みんなの権利」 (リ)フィンランド野球「ペサパッロ」 ③西欧の一員としてのアイデンティティーの確立 ④伝統的アイデンティティーの保持をメインに掲げる政党 (5)まとめ おわりに (1)執筆の動機 (2)フィンランドにはまってしまった理由 |
著者略歴(玉生 謙一) |
玉生謙一(たまにゅう・けんいち) 1948(昭和23)年生まれ 栃木県出身 元外交官 大阪外国語大学(現大阪大学)卒業 フィンランド国立タンペレ大学フィンランド史科卒業 フィンランドに3度赴任 クウェート、エストニアに赴任 フィンランド獅子騎士団一等騎士章受勲 著書『フィンランド・ソ連貿易』(外務省調査月報 1987年No.1) 共著『新大百科辞典』(平凡社) 『日本大百科全書』(小学館) 『北欧文化事典』(丸善出版 2017年) 『スウェーデンを知るための60章』(明石書店 2009年) 『世界の歴史と文化、北欧』(新潮社 1996年) など |