『荒原にて』の詳細情報

荒原にて
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タイトル 荒原にて
サブタイトル
著者 [著者区分]■索南才譲 [著・文・その他]
■及川 茜 [翻訳]
出版社 リトルモア レーベル
本体価格
(予定)
2700円 シリーズ
ページ数 352p Cコード 0097
発売予定日 2025-11-26 ジャンル 一般/単行本/外国文学小説
ISBN 9784898156148 判型 46
内容紹介
中国における最高栄誉の文学賞といわれる「魯迅文学賞」受賞作。
閻連科も絶賛した小説集、ついに邦訳!


誰もが、どの家族もが、災禍を経験している。
人は絶望を超えていかに生きるのか──。

85年生まれ、「最後の世代の遊牧民」を自任する著者が
大草原でいのちと向き合いながら書いた、究極の野生文学。
家族の結びつき、愛馬との別れ、仲間との労働と旅。
動物との生きるか死ぬかの闘い、そこに降りかかる天災……。
モンゴル、チベットに近接する荒涼とした大地で
馬や牛、羊と共に暮らす男の、張り裂けそうな心を描く。

「俺たちの今の生活こそが物語だ」
雪山を進むネズミ駆除隊。どれだけ困難でも、来たからにはやらなければならない。
自然の猛威、血と肉の匂い、生と死の手触り。
経験した人にしか書けない、圧倒的なリアリティと詩情がここにある。
「生きることの孤独」を見つめ、心の奥の揺らぎと物語のかけがえなさを丹念に綴った。
魂をゆさぶる10の物語。


「索南才譲の小説は、私たちに土地と文学の意義を再考させ、
なぜ人は生きるのかを新たに定義する。
それにはある意味で、創作の偏りを是正する面がある。」
──閻連科(小説家 帯コメントより)


「翻訳されることなくその土地に人知れず根を下ろしている宝が、
この世にはまだまだ存在しているのではないだろうか。
索南才譲の小説は、その宝庫へと読者を誘う扉のように思われる。」
(「訳者あとがき」より)


中国の最大の湖・青海湖近くの大草原で遊牧民として育った著者が
羊の番をするさなか、読書にのめり込み、いつしかノートに書きはじめた小説。
とことんローカルな地に根ざして書いた物語が、世界のあらゆる場所とつながる。
同時代を生きる私たちの心に響く、傑作小説集。
目次
【目次】

シンハーナードンにて
牛の囲い
一人の馬飼い
徳州の酒場
ただ一つの音だけが
それからどうする
ハゲワシ
かくかくしかじか
山の間
荒原にて

作者あとがき・訳者あとがき
著者略歴(索南才譲)
1985年、中国青海省の海北チベット族自治州海晏県生まれのモンゴル民族。遊牧生活を代々続けてきた一家に生を受ける。小学校を12 歳で中途退学し、父から牛・馬・羊の群れを引き継いだ。ひとりで羊の番をするさなか、読書にのめり込み、近現代の翻訳文学から中国古典まで幅広く吸収した後、創作を始めた。「最後の世代の遊牧民」を任じており、都市部に移住した現在も、発表作品の多くは寒冷な高原の遊牧生活を背景とする。本書の表題作『荒原にて』が2021年に華語青年作家賞、22年に魯迅文学賞中篇小説賞を受賞。主な著書は長篇小説『野色』、小説集『信号を探す』(いずれも未邦訳)など。
著者略歴(及川 茜)
東京大学大学院総合文化研究科・超域文化科学専攻講師。東京外国語大学大学院・地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。訳書に『郝景芳短篇集』、賀淑芳『アミナ』(ともに白水社)、何致和『地下鉄駅』、呉明益『雨の島』(ともに河出書房新社)、鯨向海『Aな夢』、唐捐『誰かが家から吐きすてられた』(ともに思潮社)など。
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