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タイトル |
Lの運動靴 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | ■キム・スム [著・文・その他] ■中野宣子 [翻訳]
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出版社 |
アストラハウス |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
1800円 |
シリーズ |
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ページ数 |
240p
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Cコード |
0097 |
発売予定日 |
2022-05-25 |
ジャンル |
一般/単行本/外国文学小説 |
ISBN |
9784908184345 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
Lの運動靴を最大限修復するか。
最小限の保存処理だけですませるか。
何もせずに放っておくか。
レプリカを作るか。
何もしない修復もやはり、修復のうちに入る。分析だけして何の治療もしないことも。
1987年6月、韓国の民主抗争の最中、警察の発砲した催涙弾によって命を失った20歳の青年、大学生の「L」。28年後、彼のものだとされるボロボロの片方だけの運動靴が、修復家の元へ持ち込まれる。
「L」とは誰なのか? 運動靴の「欠けら」を修復する行為にどのような意味があるのか? 個人の「消せない記憶」とは? 人が生き、死して残す「物体」に、そしてその「修復」に、果たしてどのような意味があるのか?
主人公の美術修復家の視点を通して、静謐な時間の中で語られる「物質」と「記憶」をめぐる物語。現代アート作品の修復に関するエピソードが挿入され、修復室を訪れる寡黙な人々の人生が断片的に語られ、読者は静謐な美術修復室で繊細な思考を主人公とともに体験する。
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目次 |
第一部
第二部
参考文献と引用について
感謝の言葉 キム・スム
訳者あとがき
失われた人、なくした物たちへのオマージュ 中野宜子 |
著者略歴(キム・スム) |
1974年蔚山生まれ。本名キム・スジン。大田大学社会福祉学科卒業。97年「大田日報」新春文芸に当選、98年文学トンネ新人賞を受賞し、文壇デビュー。現在、韓国で最も活躍している小説家の一人。現代文学賞、大山文学賞、李箱文学賞などを受賞。著書に短編集『闘犬』『ベッド』『肝臓と胆嚢』『ククス』、長編小説に『白痴ども』『鉄』『私の美しい罪人たち』『水』『黄色い犬を捨てに』『女たちと進化する敵』『針仕事をする女』『さすらいの血』など。邦訳作品に『ひとり』(岡裕美訳 三一書房)がある。本作は8作目の長篇作品。 |
著者略歴(中野宣子) |
福井県出身。韓国語・朝鮮語翻訳、講師。1987年、韓国延世大学校韓国語学堂に語学留学。訳書に、朴婉緒『結婚』(学藝書林)、ヤン・グィジャ『ソウル・スケッチブック』(木犀社)、権仁淑『母から娘へ――ジェンダーの話をしよう』(梨の木舎)、キム・タククワン『愛より残酷 ロシアン珈琲』(かんよう出版)、権赫泰・車承棋編『〈戦後〉の誕生――戦後日本と「朝鮮」の境界』(新泉社)、キム・ヒョンデ『地域に根ざしてみんなの力で起業する』(彩流社)、など。共訳書にキム・ジハ『飯・活人』(御茶ノ水書房)、金賢珠他編『朝鮮の女性1392-1945』(CUON)、金孝淳『祖国が捨てた人びと』(明石書店)、金富子・古橋綾編訳『記憶で書き直す歴史』(岩波書店)、黄晳暎『囚人Ⅰ』『囚人Ⅱ』(明石書店)など多数。 |