『「平和都市」ヒロシマのまがりかど ~広島市平和推進基本条例の制定過程を検証する ~ 』の詳細情報
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タイトル |
「平和都市」ヒロシマのまがりかど |
サブタイトル |
広島市平和推進基本条例の制定過程を検証する |
著者 [著者区分] | ■宮崎 園子 [著・文・その他] ■田村 和之 [著・文・その他] ■金子 哲夫 [著・文・その他] ■本田 博利 [著・文・その他] ■向井 均 [著・文・その他] ■橋本 和正 [著・文・その他] ■渡部 久仁子 [著・文・その他] ■湯浅 正恵 [著・文・その他]
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出版社 |
西日本出版社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
1700円 |
シリーズ |
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ページ数 |
248p
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Cコード |
0036 |
発売予定日 |
2024-11-28 |
ジャンル |
一般/単行本/社会 |
ISBN |
9784908443916 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
イスラエルのガザ侵攻が始まった2023年、「平和都市・広島」では、その足元を大きく揺るがすいくつもの「事件」が起きた。
まずは2月、広島市教委が、故・中沢啓治さんの『はだしのゲン』を、小学校の平和学習教材から削除したことが、地元紙の報道によって明らかになった。中学校の平和学習教材からは、アメリカの核実験により、太平洋を航行中の日本のマグロ漁船、第五福竜丸などが被曝したビキニ事件(ブラボー実験)の記述が消えた。
5月には、広島1区選出の岸田文雄総理大臣(当時)が議長を務めた広島開催のG7サミットにおいて、主要7カ国と欧州連合が、「広島ビジョン」の名の下、核抑止力を肯定する内容の共同声明を発出した。
今、「平和都市」広島で何が起きているのか。
広島が訴えてきた「平和」とは何なのか。
混沌とした世界の中で、広島はこの先、どんな役割を担おうとしているのだろうか。
一連の出来事を受けて、この地で平和活動をさまざまな形で展開してきた市民たちは、大きな疑念を抱き始めた。広島はいつから、こうなってしまったのだろうか。それを考えるとき、実は大きな転換点が近年あったことに気付かされる。
それは、広島市議会初の政策条例として2021年6月に成立した、広島市平和推進基本条例だ。一部の市民は、その成立過程を見守り、条例の文言をつぶさに検討し、問題提起をしてきた。本書の執筆陣は、その一部だ。
研究者、元広島市職員、元国会議員、市民活動家、記者など、職業も世代も様々だ。だが、広島がこの先もヒロシマであり続けるのだろうか、という問題意識を共有する仲間として、私たちは「平和推進条例検証会」なる会合を立ち上げ、定期的に集って論議を重ねてきた。情報公開請求によって公文書を入手し、その制定過程を検証するのが主な目的だった。この条例から透けて見えるものは何か。本書は、この間の論議を踏まえて、メンバーがそれぞれの領域に寄せて執筆した論考をまとめたものだ。
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目次 |
まえがき
発刊に寄せて
「広島市の平和行政は前進するのか」 平岡 敬
<本文編>
第1章 広島のアイデンティティ・クライシス 宮崎 園子
第2章 「平和都市」ヒロシマの自己否定 田村 和之
第3章 【覚書】広島市平和推進基本条例の制定過程 田村 和之
第4章 市政と憲法 金子 哲夫
第5章 広島で「平和」の条例をつくること 本田 博利
第6章 「黒い雨」はどのように扱われたか 向井 均
第7章 戦争の実相 橋本 和正
第8章 「このままではいや。-はじめてのロビー活動記-」 渡部 久仁子
第9章 広島市平和推進基本条例と「ヒロシマの心」 湯浅 正恵
あとがき
<資料編>
1 2021年6月29日に公布された広島市平和推進基本条例(2021年条例第50号)
2 条例案の変遷
3 広島市議会本会議における「提案趣旨説明」
4 広島市条例にみる「平和」の定義
5 広島市議会採決の「決議」「意見書」及び「請願」
6 広島弁護士会長声明
7 広島市議会に寄せられた市民・市民団体の意見(一部)
8 広島平和記念都市建設法(1949年8月6日 法律第219号) |
著者略歴(宮崎 園子) |
1977年、広島県生まれ、香港、アメリカ育ち。
金融機関勤務、朝日新聞記者を経て、2021年からフリーランス記者。 |
著者略歴(田村 和之) |
1942年生まれ、群馬県出身。
広島大学名誉教授(行政法、社会福祉法)。
広島大学教授、龍谷大学法科大学院教授など歴任。 |
著者略歴(金子 哲夫) |
1948年、島根県生まれ。
広島県原水爆禁代表委員。元衆議院議員(2000年~2003年)。 |
著者略歴(本田 博利) |
1948年、広島県呉市生まれ。京都大学法学部卒業。
広島市役所に30年勤務。2013年まで愛媛大学法文学部教授。
沖縄大学地域研究所特別研究員(地方自治法、環境法、都市法)。 |
著者略歴(向井 均) |
1942年、中国・上海生まれ。
広島市立大学大学院国際学研究科博士後期課程で社会運動や「黒い雨」被害者運動を研究中。 |
著者略歴(橋本 和正) |
1951年、広島県廿日市市生まれ。
広島自治体問題研究所・事務局長。
元広島市職員。 |
著者略歴(渡部 久仁子) |
1981年、広島市生まれ。大谷大学卒。
NPO法人ANT-Hiroshima理事。
ドキュメンタリー映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」(2011年)で製作プロデューサーを務めた。 |
著者略歴(湯浅 正恵) |
1962年、広島市出身。
放送局で4年間勤務後、英国シェフィールド大学国際学研究科へ留学。
現在、広島市立大学国際学部教授(社会学、国際社会論)。 |