日本一のタコのまち明石で、100年茹でダコを作り続ける「たこ匠」金楠が企画した、明石だこの写真集。 活きたタコの吸引力、それぞれが違う動きをしている足、複雑な筋肉構造、細胞の色。塩揉み中に出てくるヌメリの泡、徐々に反応して引き締まっていくボディ。茹でダコになって、そそり立つ吸盤、皮膚の張り。 撮影中、たくさんの表情をモデル(タコ)たちは見せてくれました。 写真集をつくるなかで感じたのは、タコの感情です。ご機嫌だったり怒ったり、ちょっとだるそうにしていたり。当たり前なのですが、あらためて生き物を扱っているということを教えてもらえたし、この写真集には生き様以上のものを投影できたと思っています。 彼ら(タコ)の人生を写真集という形で見ることによって、より鮮明に「ゆえにこの歯ごたえ、ゆえにこのうま味、ゆえにこの香りなんだ」と想像してもらえたら、できれば、より美味しく感じてもらえるのではないかと思います。
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