『二一世紀のパトリック・モディアノ ~七編のテクストを読む ~ 』の詳細情報
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タイトル |
二一世紀のパトリック・モディアノ |
サブタイトル |
七編のテクストを読む |
著者 [著者区分] | 土田知則 [著・文・その他]
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出版社 |
小鳥遊書房 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
3000円 |
シリーズ |
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ページ数 |
304p
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Cコード |
0098 |
発売予定日 |
2022-10-31 |
ジャンル |
一般/単行本/外国文学、その他 |
ISBN |
9784909812964 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
現実と虚構を軽やかに往還する ノーベル賞作家モディアノの華麗なテクストを精緻に読み解く 錯綜する記憶・意識・時間の流れを活写し、「現代のプルースト」と称されるモディアノ。その独特なテクストを「秘密」「謎」「手帳」「犬」「傷跡」「希薄な家族関係」「失踪する女性」などを鍵語に、その華麗なテクストを精緻に読み解く。 ========= はじめに——テクストの快楽を探して
◉第一章 『小さな宝石』(二〇〇一年) —忌避と愛着、あるいは母をめぐる物語 母との再会/「小さな宝石」としての娘、テレーズ/恐怖と執着/「小さな宝石」そして、小さな少女/森の闇中に捨てられた、黒いプードル犬/モロー=バドマエフと女性薬剤師/新たな出発点に立つテレーズ ◉第二章 『夜の事故』(二〇〇三年) —記憶という迷宮のなかで 家族の不在/夜の事故/過去へと急転換する意識/過去からの使者 一匹の黒い犬/海緑色のフィアット、そしてジャクリーヌとの再会/だが、それでもなお不確かな世界 ◉第三章 『失われた青春のカフェで』(二〇〇七年) —ルキ、永遠の謎 ルキの物語/最初の語り手 国立高等鉱業学校の学生/第二の語り手 ピエール・ケスレィ/ 第三の語り手 ジャクリーヌ・ドランク、愛称、ルキ/最後の語り手 ロラン/愛するが故の隔たり ◉第四章 『地平線』(二〇一〇年) —失われた青春の時を求めて 失踪する女性、逃走する物語/ジャンとマーガレットの馴れ初め/マーガレットの隠された逃走理由?/二人の新たな仕事/逃げる女/幻想と現実/地平線の彼方へ—決定的な逃走/ベルリンへの旅 ◉第五章 『夜の草』(二〇一二年)—謎深き過去に身を任せて 物語の結構/家宅侵入する女/犬と原稿/ラングレ、過去の記録を明かす人/ダニーにいったい何があったのか?/ブランシュ男爵夫人……、そしてダニー/文筆家の誕生—ブランシュ男爵夫人からジャンヌ・デュヴァルへ ◉第六章 『あなたがこの辺りで迷わないように』(二〇一四年) —書物に託された積年のメッセージ 反復的な変奏/アドレス帳の紛失—物語の出発点/過去の自分を探し求めて/過去を語る三人の証人/アニー・アストランからの手紙/アニーとの再会/すべては暗闇の彼方に ◉第七章 『眠れる記憶』(二〇一七年)—反復と消失の彼方に 女性たちをめぐる物語/スティオッパ氏の娘/スペイン在住の女性、ミレイユ・ウルソフ/ ジュヌヴィエーヴ・ダラムとの不思議な経緯/忘れ去りたい女性、ユベルサン夫人との再/名前のない女性/拳銃による殺人/同棲と失踪/「眠れる森の美女」の館を目指して/現実と虚構のに おわりに—現実と虚構の軽やかな往還 参考文献 索引
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目次 |
はじめに——テクストの快楽を探して
◉第一章 『小さな宝石』(二〇〇一年) —忌避と愛着、あるいは母をめぐる物語 母との再会/「小さな宝石」としての娘、テレーズ/恐怖と執着/「小さな宝石」そして、小さな少女/森の闇中に捨てられた、黒いプードル犬/モロー=バドマエフと女性薬剤師/新たな出発点に立つテレーズ ◉第二章 『夜の事故』(二〇〇三年) —記憶という迷宮のなかで 家族の不在/夜の事故/過去へと急転換する意識/過去からの使者 一匹の黒い犬/海緑色のフィアット、そしてジャクリーヌとの再会/だが、それでもなお不確かな世界 ◉第三章 『失われた青春のカフェで』(二〇〇七年) —ルキ、永遠の謎 ルキの物語/最初の語り手 国立高等鉱業学校の学生/第二の語り手 ピエール・ケスレィ/ 第三の語り手 ジャクリーヌ・ドランク、愛称、ルキ/最後の語り手 ロラン/愛するが故の隔たり ◉第四章 『地平線』(二〇一〇年) —失われた青春の時を求めて 失踪する女性、逃走する物語/ジャンとマーガレットの馴れ初め/マーガレットの隠された逃走理由?/二人の新たな仕事/逃げる女/幻想と現実/地平線の彼方へ—決定的な逃走/ベルリンへの旅 ◉第五章 『夜の草』(二〇一二年)—謎深き過去に身を任せて 物語の結構/家宅侵入する女/犬と原稿/ラングレ、過去の記録を明かす人/ダニーにいったい何があったのか?/ブランシュ男爵夫人……、そしてダニー/文筆家の誕生—ブランシュ男爵夫人からジャンヌ・デュヴァルへ ◉第六章 『あなたがこの辺りで迷わないように』(二〇一四年) —書物に託された積年のメッセージ 反復的な変奏/アドレス帳の紛失—物語の出発点/過去の自分を探し求めて/過去を語る三人の証人/アニー・アストランからの手紙/アニーとの再会/すべては暗闇の彼方に ◉第七章 『眠れる記憶』(二〇一七年)—反復と消失の彼方に 女性たちをめぐる物語/スティオッパ氏の娘/スペイン在住の女性、ミレイユ・ウルソフ/ ジュヌヴィエーヴ・ダラムとの不思議な経緯/忘れ去りたい女性、ユベルサン夫人との再/名前のない女性/拳銃による殺人/同棲と失踪/「眠れる森の美女」の館を目指して/現実と虚構のに おわりに—現実と虚構の軽やかな往還 参考文献 索引 |
著者略歴(土田知則) |
1956年、長野県に生まれる。 1987年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。 千葉大学名誉教授。 専門はフランス文学・文学理論。
著書に、『現代文学理論―テクスト・読み・世界』(共著、新曜社、1996年)、 『ポール・ド・マン―言語の不可能性、倫理の可能性』(岩波書店、2012年)、 『現代思想のなかのプルースト』(法政大学出版局、2017年)、 『ポール・ド・マンの戦争』(彩流社、2018年)、 『他者の在処―住野よるの小説世界』(小鳥遊書房、2020年) 『『星の王子さま』再読』(小鳥遊書房、2021年)ほか、 訳書に、ショシャナ・フェルマン『狂気と文学的事象』(水声社、1993年)、 ポール・ド・マン『読むことのアレゴリー ―ルソー、ニーチェ、リルケ、プルーストにおける比喩的言語』(岩波書店、2012年)、 バーバラ・ジョンソン『批評的差異―読むことの現代的修辞に関する試論集』 (法政大学出版局、2016年)ほかがある。 |