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タイトル |
犬の年 上 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | ■ギュンター・グラス [著・文・その他] ■中野 孝次 [翻訳]
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出版社 |
あいんしゅりっと |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
3400円 |
シリーズ |
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ページ数 |
496p
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Cコード |
0097 |
発売予定日 |
2025-09-08 |
ジャンル |
一般/単行本/外国文学小説 |
ISBN |
9784911290064 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
自由都市ダンツィヒを悠々と流れるヴァイセル河畔で生まれ育った二人の主人公とやがてヒトラーの愛犬となるシェパードの系譜を軸に、戦前から戦後の「犬の年」(ドイツ語で「ひどいみじめな歳月」の意)の日々が、饒舌と思いつきと悪戯心で、下品で卑猥で、瀆神的に、執拗に何度も繰り返し、語られていく、戦後の世界文学の最も偉大な作家の一人で、1999年ノーベル文学賞を受賞したギュンター・グラスの初期を代表する「ダンツィヒ三部作」の三作目にあたる長編小説。
本作品は、楽園・煉獄・浄罪のごとく全く異なる様相の三部を、三人の登場人物に語らせる構成になっており、上巻では、主人公たちが少年時代の、第一部「一番方」から、戦争に突入していく、第二部「愛の手紙」の途中まで。下巻は、骨の山の悪臭が去ろうとしない、第二部「愛の手紙」の続きから、敗戦の混乱と復興の時代の、第三部「マテルニアーデ」を収録。解説は作家の石沢麻依(2021年芥川賞受賞、下巻に収録)。1969年集英社発行を底本に復刊。
「ダンツィヒ三部作」はグラスの故郷ダンツィヒを舞台にした、自伝的要素が強い3作品のことで、有名な『ブリキの太鼓』は1作目にあたる。また、訳者の中野孝次は、愛犬に本作に登場する犬の名前ハラスをつけ、回想録『ハラスのいた日々』も執筆している。
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目次 |
◆犬の年
第一部 一番方
第二部 愛の手紙(下巻に続く)
◆訳者あとがき |
著者略歴(ギュンター・グラス) |
第二次世界大戦後のドイツを代表する文学者。1999年にノーベル文学賞受賞。代表作に『ブリキの太鼓』『女ねずみ』『はてしなき荒野』などの小説のほか、戯曲や彫刻、版画なども多数。
1927年、バルト海沿いの港町ダンツィヒ(現ポーランド領グダニスク)で生まれ、子供時代を過ごす。1944年に召集され、武装親衛隊員となる(2006年発表の自叙伝『玉ねぎの皮をむきながら』で明らかにした)。終戦を米軍の捕虜としてむかえ、1946年に釈放後は農園を手伝うなどした後に、墓石店で働きながら美術大学で彫刻等を学び、詩や戯曲を書き始める。1958年に『ブリキの太鼓』で47年グループ賞を受賞、翌年に出版され、高い評価を受ける。『猫と鼠』『犬の年』は『ブリキの太鼓』とあわせて「ダンツィヒ三部作」と呼ばれる。政治にも関わり続け、ドイツ社会民主党の党員として選挙運動を積極的に行ない、『自明のことについて』などの評論集を発表する。他に『鈴蛙の呼び声』『私の一世紀』『蟹の横歩き』など。2015年4月13日死去。 |
著者略歴(中野 孝次) |
ドイツ文学者、小説家、評論家。1925年生まれ、東京大学文学部独文科卒業。元國學院大學教授。カフカ、マックス・フリッシュ、グラスなど現代ドイツ文学の作家を多数翻訳。1972年に最初の著書を刊行後は、『ブリューゲルへの旅』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、『麦熟るる日に』(平林たい子文学賞受賞)、『ハラスのいた日々』(新田次郎文学賞受賞)などを発表し、『清貧の思想』(1992年刊行)がベストセラーとなる。元神奈川文学振興会理事長。2004年に死去。 |