『灰と家』の詳細情報

灰と家
AmazonカートAmazonで予約する
タイトル 灰と家
サブタイトル
著者 [著者区分]鈴木一平 [著・文・その他]
出版社 いぬのせなか座 レーベル
本体価格
(予定)
2000円 シリーズ いぬのせなか座叢書
ページ数 124p Cコード 0092
発売予定日 2024-06-17 ジャンル 一般/単行本/日本文学詩歌
ISBN 9784911308011 判型 B5変形
内容紹介
ねむる鹿を着て
欠けた蹄のうっすら白いところをなぞり
よく聞こえていく足音で
仰向けの鮒に耳打ちをする、おまえの体を渡って
向こう岸にいく



散文と韻文、日記と俳句、音と語——互いがまったくの異種でありながら、自らに残されていなかったはずのポテンシャルを形成しあう、環境=レイアウトの制作。
繰り返される試行錯誤の見開きが、事物や生物、死後の私による制作の持続を担う、新たな言語を探索する。

いぬのせなか座のメンバーとして活動し、『ユリイカ』『花椿』『HAPAX』『現代詩手帖』『三田文学』『現代思想』など各誌に作品・論考を寄稿する詩人・鈴木一平の、記念すべき第一詩集。

あるいは出版版元「いぬのせなか座」としての、はじまりの一冊。

★第6回エルスール財団新人賞<現代詩部門>受賞
★第35回現代詩花椿賞最終候補
☆『現代詩手帖』『東京新聞』『BRUTUS』『美術手帖』など各誌にて紹介


[栞文(付録小冊子)]
金子鉄夫/World’s Forgotten Boy/なまけ/山本浩貴+h
目次

あじさいの花を着る鹿は
道をふさぐ石
山の背に夜が注ぎ込まれて
岸辺の木
土がおぼえた
日差しの絵
水たまりに戻る道
金具に映る月
移り住む町
神さまの誕生日
次に住む人
すべての屋根が
かげのえ
夜道のそとで


日記

Ⅲ 
日記
空の建物
足あとに
私を繁栄させるには
夜になるまえに
木陰の跡で
水路
灰と家
名札がひとつ
雨の、雨のふる日にそなえて
西日の広場
著者略歴(鈴木一平)
1991年生まれ。宮城県出身。「いぬのせなか座」「Aa」参加。2016年に詩集『灰と家』(いぬのせなか座)を刊行、同書で第6回エルスール財団新人賞受賞、第35回現代詩花椿賞最終候補。主な論考に『教育装置のある生活――新しい生活(表現)様式としての「日記」』(いぬのせなか座)、「詩の媒体についての覚え書―複数の主語的統合が織りなす制作的空間」(『ÉKRITS』2019年5月)、「詩と実在と感覚―言語表現におけるオブジェクトの制作過程」(『三田文學』2019年冬季号)など。「現代詩アンソロジー 認識の積み木」(『美術手帖』2018年3月号)の編集・解説を担当。現在、第2詩集を準備中。
他の書籍を検索する