『日本沿岸旅2』の詳細情報

日本沿岸旅2
AmazonカートAmazonで予約する
タイトル 日本沿岸旅2
サブタイトル
著者 [著者区分]吉田 光宏 [著・文・その他]
出版社 PRPH レーベル
本体価格
(予定)
1980円 シリーズ
ページ数 189p Cコード 0000
発売予定日 2022-12-14 ジャンル 一般/単行本/総記
ISBN 9784990872359 判型 46
内容紹介
南北に長い日本列島の沿岸を歩くと、自然の美しさや人々の日常に触れて心が軽くなる。そんな臨場感のある沿岸のさまざまな情報や課題を詰め込み、海と人のかかわりを考えるルポ。旅で遭遇するいくつもの発見をからめた記述が、SDGs(持続可能な開発目標)にある「海の豊かさを守ろう」を身近に感じさせる。
日本の海の幸は豊かで水産業も多彩だ。本書に出てくるのは「関あじ関さば」(大分)や越前がに(福井)、カキ養殖(広島、岡山、大分)など知名度の高いものはもちろん、それぞれの地域で自慢の魚介類がずらりとそろう。カツオ、サバ、アナゴ、サケ、ニシン、ハモ、イワシ、イカ、タコ、甘エビ、クルマエビ、毛ガニ、ホタテガイ、アサリ、シジミ、ウニ、モズク、ノリ、ワカメ…。
伝統を受け継いだ漁法で魚を捕る場面だけでなく、水産加工や養殖の現状も紹介し、観光など他の産業とのつながりにも触れている。かぼすブリのような養殖技術が進化を続けていること、浜売りや朝市など地域の個性が多様であることなど、現地取材を基にしたストーリーが縦横に展開する。
本書は2021年12月出版の『日本沿岸旅』の続巻である。一般財団法人地球・人間環境フォーラムの月刊環境情報誌『グローバルネット』に連載中の「日本の沿岸を歩く 海幸と人と環境と」の2020年1月号~2022年9月号の33回を修正しまとめた。取材地は北海道、東京湾、福井県、愛知県、岡山県、広島県、高知県、大分県、沖縄県。連載計画の目標のうち半分をカバーしたことになる。
筆者は環境ジャーナリストとして「日本人の財産である美しく豊かな自然には、健全な農林水産業が不可欠」という考えで取材・執筆を続けてきた。しかし、経済成長に伴う沿岸部の開発や埋め立てなどの環境破壊は止まらず、磯焼けや乱獲などいくつもの深刻な問題に直面している。そうした負の部分が人間活動に伴う「必然」だとしても、「目先の利益に惑わされず、自然と人間の共存を考えるべき」と筆者は願っている。
希望を感じさせるのは、漁業者による資源管理の努力や粘り強い自然保護運動だ。三番瀬のような貴重な干潟の保全、アマモ場やサンゴ礁の再生、カブトガニや水鳥など希少な生き物の保護など、自然を愛し行動する人々がいる。海から川、里、森へのつながりを大切にする社会的コンセンサスが成熟してきたことを読み取ることができる。
有名落語家やタレントが各地を訪ねる人気テレビ番組を意識しているのかどうか、旅へのこだわりも感じさせる。取材地へ早く着くことよりも、移動中の時間を大切にし、鉄道、飛行機、車、船、バス、自転車などの移動手段を選びながら、出合いや車窓の風景を楽しむ旅のスタイルがある。何もかもが急速に変化し、効率が最優先される現代社会への筆者のレジスタンスのようである。
地域の歴史や「食」のほか、場所にまつわる歌曲も登場する。海を素材にした無数の歌謡曲が日本人の海への愛だと気づかせたいのだろうか。取材の同伴者として読んでほしい、読後に「現地を訪ねたい」と思わせたいという願望が込められている。
目次
はじめに
11高知県
柏島…里海をミュージアムにする黒潮実感センター
土佐清水…カツオ漁でつながる宗田節とジョン万次郎
佐賀…わら焼きカツオのために水稲栽培も
12 沖縄県 
宜野座…クルマエビ養殖場にあるレストランが人気
恩納村/うるま市…モズクはきれいな海の贈り物
糸満…歴史と伝統を誇る海人のソデイカ漁
13 岡山県 
日生…アマモ場再生した海で育つ絶品カキ
下津井…北前船で栄えた港町 美味なタコが自慢
笠岡…干拓後に生き残ったカブトガニと漁業
14 福井県 
小浜…鯖街道の歴史と現代のサバ養殖
越前町…冬の味覚の王様「越前がに」復活と資源保護
三国…歴史ある港町 水産物を観光資源に
15 東京湾 
羽田…シジミ漁に漁業権、資源維持の切り札に
子安浜…漁業権放棄後も続く自由漁業のアナゴ漁
横須賀…湾口の速い潮流が育む多彩な漁獲
館山…イワシの生き餌供給しカツオ一本釣り支える
木更津…盤州干潟のアサリ・ノリにカキ養殖が加わる
三番瀬…奇跡的に残った干潟は「野鳥の楽園」
16 大分県 
佐伯…豊後の特産品を組み合わせた「かぼすブリ」
佐賀関…「関あじ関さば」はずっとSDGsの魚
杵築…守江湾の干潟でカブトガニとカキが共存
17 北海道 北部 
網走…漁業者の声が連帯生んだ「網走川流域の会」  
枝幸…毛ガニもホタテガイもオホーツク海の恵み
天塩…北限のシジミと探検家松浦武四郎の接点
羽幌…甘エビ自慢の漁協が海鳥保護に協力
石狩…開拓で変貌した流域と自然の恵み
小樽…ニシン漁から始まった商港都市の発展
18 広島県 
地御前…宮島の恵まれた海で育つブランドカキ
江田島…資源と人材を大切にするいりこ&ちりめん作り
尾道/福山…魚の直販&浜売りで持続可能な漁業を
19 愛知県 
常滑…伊勢湾の高級「鬼崎のり」を生む最新施設
豊浜…底引き・船引き網の拠点、水揚げ県内一
渥美半島…日本一のアサリ産地と変わる海の環境
おわりに
著者略歴(吉田 光宏)
1999年新聞社を退職し、フリーに。大学生時代に建国200年(1976年)のアメリカを長距離バスで周遊したほか、自然環境保護、農林水産業などをテーマに国内外の取材旅を続けている。
 日本環境ジャーナリストの会会員、農政ジャーナリストの会会員、日本自然保護協会自然観察指導員、Sierra Club終身会員。出版やPR広報のアドバイザーも務める。
 著書に『農業・環境・地域が蘇る 放牧維新』(家の光協会)『つながるいのち 生物多様性からのメッセージ』(共著、山と渓谷社)『広島県の農業を知るとカープを応援したくなる』(PRPH)など。
他の書籍を検索する