はしがき 『失われた時を求めて』の構成 『失われた時を求めて』の主な登場人物と架空地名
第1章 プルーストの生涯と作品 1 プルーストの生涯 2 初期作品————『楽しみと日々』、『ジャン・サントゥイユ』、ラスキン翻訳 3 『サント=ブーヴに反論する』から『失われた時を求めて』へ
第2章 作中の「私」とプルースト——一人称小説の狙い 1 『失われた時を求めて』の「私」はプルーストなのか 2 主人公の「私」はなぜ影の薄い人間なのか 3 語り手の「私」に寄りそう作者プルースト
第3章 精神を描くプルースト——回想、印象、比喩 1 『失われた時を求めて』はすべて「私」の回想談 2 マドレーヌ体験の意味——無意志的記憶とはなにか 3 印象の記述になぜ比喩が多用されるのか
第4章 スワンと「私」の恋愛心理 1 「スワンの恋」はなぜ必要なのか 2 「私」のジルベルトとアルベルチーヌへの恋 3 スワンと「私」に内在する分身の声
第5章 無数の自我、記憶、時間 1 恋愛における無数の自我 2 自我はつねに無数 3 記憶と時間
第6章 「私」が遍歴する社交界 1 ゲルマント公爵夫妻のサロン 2 本作品における社交サロンの意味 3 全篇の中心を占める祖母の病気と死
第7章 「私」とドレフュス事件および第一次大戦 1 ドレフュス事件はいかに語られるか 2 第一次大戦はいかに語られるか 3 社会はなにゆえ変容するのか
第8章 「私」とユダヤ・同性愛 1 「私」とユダヤ人 2 「私」と「ソドムとゴモラ」 3 ソドムとゴモラの「結合」
第9章 サドマゾヒズムから文学創造へ 1 ソドムとゴモラにまつわるサドマゾヒスト 2 『失われた時を求めて』に頻出するサドマゾヒスト 3 文学に必要不可欠なサドマゾヒズム
第10章 「私」の文学創造への道 1 登場人物たちの愛する文学・芸術 2 三人の架空芸術家 3 『失われた時を求めて』の照射するもの
あとがき 【地図】プルーストと『失われた時を求めて』のパリ 『失われた時を求めて』年表/プルースト略年譜 主要文献案内 図版出典一覧 |