『そして私たちの物語は世界の物語の一部となる ~インド北東部女性作家アンソロジー ~ 』の詳細情報

そして私たちの物語は世界の物語の一部となる
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タイトル そして私たちの物語は世界の物語の一部となる
サブタイトル インド北東部女性作家アンソロジー
著者 [著者区分]■ウルワシ・ブタリア [編集]
■中村唯 [監修]
出版社 国書刊行会 レーベル
本体価格
(予定)
2400円 シリーズ
ページ数 288p Cコード 0097
発売予定日 2023-05-30 ジャンル 一般/単行本/外国文学小説
ISBN 9784336074416 判型 46
内容紹介
バングラデシュ、ブータン、中国、ミャンマーに囲まれ、
さまざまな文化や慣習が隣り合うヒマラヤの辺境。
きわ立ってユニークなインド北東部から届いた、
むかし霊たちが存在した頃のように語られる現代の寓話。女性たちが、物語の力をとり戻し、
自分たちの物語を語りはじめる。本邦初のインド北東部女性作家アンソロジー。

1944年4月、日本軍がやってきた。軍靴で砂埃を立てながら、行進してきた。先頭の男は村人たちに呼びかけ、こう言った。「食料と寝起きする場所を提供してくれれば、あなたがたに害は及ばない。我々はあなたがたの友人だ。我々はあなたがたを解放するために来た。あなたがたを傷つけることはない」(「四月の桜」)

「これにはどんな富よりも値打ちのある宝物が入っている。死ぬ前におまえに渡したい。昔、語り部から手渡されたものを、おまえに手渡すよ」ウツラはその壺をわたしの頭の中に入れた。……何週間か経ってウツラは死んだ。……お話を語るときわたしは別の人間になった。生き生きした。それからずっと語り続けている。(「語り部」)

わたしたちは首狩り族の末裔だったが、いまはインド政府が提供してくれる資金に頼っていた。わたしたちは平地人とは違っていた。彼らは……反政府分子がいないか見張ってもいた。現代生活が、伝統的な慣習や行動とぎこちなく共存していた。(「いけない本」)

黒柳徹子さん推薦!

【目次】
序 「中心」と「周辺」、「われわれ」と「よそ者」 ウルワシ・ブタリア
インド北東部の素顔 木村真希子

ナガランド州からの文学作品
丘に家が生えるところ エミセンラ・ジャミール
語り部 エミセンラ・ジャミール
四月の桜 イースタリン・キレ
手紙 テムスラ・アオ
母さんの娘 ネイケヒエヌオ・メフーオ
赦す力 アヴィヌオ・キレ
いけない本 ナローラ・チャンキジャ

アルチャナル・プラデーシュ州からの文学作品
夜と私 ネリー・N・マンプーン
消された炎 レキ・スンゴン
森の精霊 スビ・タバ
亡霊の歯科医 ミロ・アンカ
闇に葬られし声の中で ポヌン・エリン・アング
ザ・サミット――ティーネ・メナのインタビュー ママング・ダイ

ミゾラム州からの文学作品
書くこと バビー・レミ
まだ見ぬ肖像画 シンディ・ゾタンプイ・トゥラウ

マニプール州からの文学作品
台所仕事 チョンタム・ジャミニ・デヴィ
夫の子 ハオバム・サティヤバティ
ツケの返済 スニータ・ニンゴンバム
敗北 ニンゴンバム・スルマ
真紅のうねり ネプラム・マヤ
我が息子の写真 ニンゴンバム・サティヤバティ
夜明けの大禍時 グリアルバム・ガナブリヤ
女性の肌 ナタリディタ・ニントゥホンジャム

インド北東部、記憶と記録 中村 唯
目次
序 「中心」と「周辺」、「われわれ」と「よそ者」 ウルワシ・ブタリア
インド北東部の素顔 木村真希子

ナガランド州からの文学作品
 丘に家が生えるところ エミセンラ・ジャミール
 語り部 エミセンラ・ジャミール
 四月の桜 イースタリン・キレ
 手紙 テムスラ・アオ
 母さんの娘 ネイケヒエヌオ・メフーオ
 赦す力 アヴィヌオ・キレ
 いけない本 ナローラ・チャンキジャ

アルチャナル・プラデーシュ州からの文学作品
 夜と私 ネリー・N・マンプーン
 消された炎 レキ・スンゴン
 森の精霊 スビ・タバ
 亡霊の歯科医 ミロ・アンカ
 闇に葬られし声の中で ポヌン・エリン・アング
 ザ・サミット――ティーネ・メナのインタビュー ママング・ダイ

ミゾラム州からの文学作品
 書くこと バビー・レミ
 まだ見ぬ肖像画 シンディ・ゾタンプイ・トゥラウ

マニプール州からの文学作品
 台所仕事 チョンタム・ジャミニ・デヴィ
 夫の子 ハオバム・サティヤバティ
 ツケの返済 スニータ・ニンゴンバム
 敗北 ニンゴンバム・スルマ
 真紅のうねり ネプラム・マヤ
 我が息子の写真 ニンゴンバム・サティヤバティ
 夜明けの大禍時 グリアルバム・ガナブリヤ
 女性の肌 ナタリディタ・ニントゥホンジャム

インド北東部、記憶と記録 中村 唯
著者略歴(ウルワシ・ブタリア)
ウルワシ・ブタリア
デリー大学で英文学、ロンドン大学で南アジア研究の修士号を取得。イギリスのセイジ出版社に編集者として勤務した後、インドに帰国。1975年の国際女性年や1977年のインドの民主化運動で女性運動に関わり、1983年に、インド初のフェミニスト出版社であるカーリー出版社を設立。現在、インドを代表する女性知識人として国内外で知られる。デリー大学など複数の大学で教鞭を執るほか、講演やメディアで活動。『沈黙の向こう側』(1998年、邦訳・明石書店 2002年)は日本を含む多数の言語に翻訳され各国の賞を受賞。2011年、インドの国民名誉賞であるパドマ・シュリー賞を受賞。
著者略歴(中村唯)
中村唯
笹川平和財団アジア・イスラム事業グループ主任研究員。タイの新聞社、国際交流基金バンコク日本文化センター勤務などを得て、財団、シンクタンク、国際協力機構(JICA)にて、南アジアの地域開発や人材育成に関わり、2015年9月から現職。インパール平和資料館、インド北東部視聴覚アーカイブの設立など、インド北東部を中心にインド事業を担当。タイ国立カセサート大学、英サセックス大学開発研究所修了。「終戦記念日 特別寄稿 インパール作戦 前編・後編」(講談社『クーリエジャポン』)のほか、インドの社会起業家、ジェンダーや女性支援に関するエッセイや論文など多数。
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