生きて、死んで、それだけなんだ。 犯罪と暴力の渦中に佇む人々の 息遣いを美しく描き出す10編。 O・ヘンリー賞受賞作収録
南北戦争で両親を亡くした少女は、虐待を受けていたおじ一家から兄の手によって助けられ、外の世界へと足を踏み出す(「よくある西部の物語」)。裸足で列車を待つ少年は、刑務所の父を想いながら、家から離れた町を目指す(「ジェイムズ三世」)。――無秩序な暴力に翻弄され、それでも血まみれで生きてゆく人々の息遣いが、気高く、美しく描き出される。O・ヘンリー賞受賞作含む10編収録、凄絶な迫力に満ちた傑作短編集!
■目次 「よくある西部の物語」 「アデラ」 「思いがけない出来事」 「外交官の娘」 「オリンダ・トマスの人生における非凡な出来事の奇妙な記録」 「ジェイムズ三世」 「蜻蛉(スネーク・ドクターズ)」 「死を悼(いた)む人々」 「認識」 「われらはみなおなじ囲いのなかの羊、あるいは、何世紀ものうち最も腐敗した世界(オ・セキユラム・コラプテイシマム)」
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