『アントンが飛ばした鳩 ~ホロコーストをめぐる30の物語 ~ 』の詳細情報

アントンが飛ばした鳩
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タイトル アントンが飛ばした鳩
サブタイトル ホロコーストをめぐる30の物語
著者 [著者区分]■バーナード・ゴットフリード [著・文・その他]
■柴田 元幸 [翻訳]
■広岡 杏子 [翻訳]
出版社 白水社 レーベル
本体価格
(予定)
3500円 シリーズ
ページ数 336p Cコード 0097
発売予定日 2023-04-05 ジャンル 一般/単行本/外国文学小説
ISBN 9784560093412 判型 46
内容紹介
写真家の精緻な目で綴る、記録文学の傑作!

 第二次世界大戦が始まり、ナチスドイツ支配が強まる中で、ユダヤ人として6つの強制収容所を生き抜き、戦後は写真家として活躍した著者による短篇集。ポーランドでの平穏な子供時代から、死と隣り合わせのナチス支配下の日々、悲喜こもごもの戦後までを描き、ユダヤ人と同じくらい、非ユダヤ人とホロコーストの関係に光をあてる。ホロコーストがテーマではあるが、その中で描かれる人間模様は色彩豊かで、軽やかな人間への希望に貫かれている。
 「過酷な状況が日々続く中で人間としてのまっとうさを失わずに生き抜いたことを淡々と――だが状況の中に物語を見てとる才覚は遺憾なく発揮して――書いている著者に深い敬意を抱いた」(柴田元幸「訳者まえがき」より)、「驚くべき、重要な、きわめて素晴らしい珠玉の物語」(オリヴァー・サックス)、「考えさせられる本を書いてくれてありがとう」(プリーモ・レーヴィ)、「記憶をめぐる文学の重要な一冊」(エリ・ヴィーゼル)など、本書は高く評価され、PEN/マーサ・アルブランド賞(ノンフィクション部門)、クリストファー賞受賞の栄誉に輝いている。
目次
 まえがき ハワード・ゴットフリード
 はじめに バーナード・ゴットフリード
 訳者まえがき 柴田元幸
テーブル泥棒
サーカスが町にやってくる
吃る人
音楽の先生
結婚写真
バイオリン
デビュー
万年筆
Gさん
マーシャ
祝祭日の鶏
アレクサンドラ
クルト
ヘルムート・ライナー
最後の朝
アントンが飛ばした鳩
罪の意識
三つの卵
死刑執行
兄の友人
ハンス・ビュルガー#15252
最後の収容所
リンツの出会い
再会
インゲ
ついにアメリカへ
昔の友だち
少年時代の足跡をたどって
雨の夜に
記憶について
 訳者あとがき 広岡杏子
著者略歴(バーナード・ゴットフリード)
Bernard Gotfryd
1924年ポーランドのラドムでユダヤ人家庭に生まれる。第二次世界大戦中、ナチスが利用する写真館で働いていたことで初期の強制収容所への移送を免れる。その間、ポーランド統治に関わるドイツ軍関係者の残虐行為などを収めた写真を余分に現像し、ポーランド地下活動組織に渡していた。その後六つの強制収容所を生き抜き、1945年5月にグーゼンⅡで解放される。解放から二年後にアメリカへ移住、1957年からニューズウィーク誌のカメラマンとして活躍する。長いあいだ自身の経験を語ることはなかったが、1990年代、戦前・戦中・戦後の体験を20篇の物語で綴った『アントンが飛ばした鳩』を発表し、大きな反響を呼ぶ。本書はこれに新たに10篇を書き加えた増補版で、2000年にジョンズ・ホプキンズ大学出版局から出版された。ホロコーストを伝えるため主にニューヨーク近郊の高校で講演活動も精力的に行った。2016年6月ニューヨークで死去。
著者略歴(柴田 元幸)
1954年生まれ。翻訳家・アメリカ文学研究者。
ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソン、レベッカ・ブラウン、バリー・ユアグロー、トマス・ピンチョン、マーク・トウェイン、ジャック・ロンドンなど翻訳多数。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクソン』で日本翻訳文学賞、また2017年に早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。
文芸誌『MONKEY』(スイッチ・パブリッシング)責任編集。
著者略歴(広岡 杏子)
1982年生まれ。翻訳家。
訳書にエトガル・ケレット『銀河の果ての落とし穴』、ウズィ・ヴァイル『首相が撃たれた日に』(共訳)(以上、ヘブライ語からの邦訳)。英国ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)ヘブライ語・ユダヤ歴史学部学士課程修了。イスラエル大使館奨学金制度を利用しイスラエル・ヘブライ大学エルサレム校へ留学、イスラエル学修士課程修了。
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