一日一日を自分らしく生ききるための、 止まり木のようなやさしい物語。
「殻を破り、外へ生まれ出る――。 逞しくて愛おしい、奇跡の瞬間に立ち合わせてもらったような気分。 わたしも、わたしの今日を始めてみます。」 ――南沢奈央(俳優)
「人間は脆くて弱い。そして人生はいつも練習中だ。 運に左右されることも多い。 迷え、変化を恐れるなとチャボの桜は教えてくれる。 ああ、そうだ。このチャボこそ彩瀬まるさんではなかろうか。」 ――山本幸久(作家)
「愛嬌たっぷりの柔らかい物語だが、 伝わってくるのは、力強いエールである。」 ――瀧井朝世(ライター) 「web asta*」5/20より抜粋
「彩瀬まるの、面目躍如と言える一作。」 ――吉田大助(書評家・ライター) 「web asta*」5/20より抜粋
迷うのも変えるのも、生き物ががんばって暮らしているから起こる、 素敵なことです――。 外敵に襲われ逃げ出したところを、茂さんに助けられたチャボの桜。 茂さんは、仕事も人間関係もうまくいかず調子を崩して、 東京の下町の商店街でジイチャンが営む金物店の二階に居候している。 ある日、茂さんを外へ連れ出してくれる相手を探しに出かけた桜は、 さまざまな出会いを引き寄せることに――。 本邦初! キュートでユーモラスなチャボ小説。
■著者プロフィール 彩瀬まる(あやせ・まる) 1986年、千葉県生まれ。上智大学文学部卒業後、会社勤務を経て、2010年「花に眩む」で第9回女による女のためのR-18文学賞読者賞を受賞し、デビュー。2012年に刊行した東日本大震災の被災記『暗い夜、星を数えて』で注目を集める。著書に、『くちなし』(第158回直木賞候補、第5回高校生直木賞受賞)、『やがて海へと届く』(第38回野間文芸新人賞候補)、『森があふれる』(第36回織田作之助賞候補)、『新しい星』(第166回直木賞候補)、『あのひとは蜘蛛を潰せない』『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』『かんむり』『花に埋もれる』など多数。
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