『どの島も孤島ではない ~イギリス文学瞥見 ~ 』の詳細情報

どの島も孤島ではない
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タイトル どの島も孤島ではない
サブタイトル イギリス文学瞥見
著者 [著者区分]■カルロ・ギンズブルグ [原著]
■上村忠男 [翻訳]
出版社 みすず書房 レーベル
本体価格
(予定)
5000円 シリーズ
ページ数 200p Cコード 0098
発売予定日 2023-07-05 ジャンル 一般/単行本/外国文学、その他
ISBN 9784622096283 判型 46
内容紹介
エリザベス朝イングランドの詩人ジョン・ダンは「どの人間も孤島ではない」と謳った。ギンズブルグはこれを「どの島も孤島ではない」と読み替え、海洋帝国をなした島国・イギリス文学の異種混交性を四つの世界的パースペクティヴのもとでえがく。
スペイン人司教がトマス・モアの『ユートピア』=「どこにもない場所」をつくろうとしてメキシコに建設した救貧院。
16世紀の英語韻文をめぐるテクニカルな論争が、イギリス人のアイデンティティ構築にいかに深くかかわったか。
近代小説の起源を語るさいに欠かせないスターン『トリストラム・シャンディ』がフランスの思想家ピエール・ベールの『歴史批評辞典』と形態学的に類似し、気まぐれにくねくねと進行する意味。
人類学者マリノフスキが西洋の経済原理では理解できない交換制度「クラ」を南洋で見いだす発想源になったスティーヴンソンの小説「壜の小鬼」と、満月の夜のプラトン的体験。
著者はサバトのフォークロア的根源にかんする研究『夜の歴史』の刊行以降、真実に接近するべく試みを重ねて紆余曲折する《エッセイ》という形式を採用しながら、文献学的論考を発表してきた。本書では文学を対象に「読むことと書くことの関係』を追う。
目次
謝辞

序論
第一章 どこにもない場所から見た旧世界と新世界
第二章 他者としての自己――エリザベス朝時代イギリス人のアイデンティティ構築
第三章 起源の探求――『トリストラム・シャンディ』再読
第四章 トゥシタラと彼のポーランド人の読者

訳者あとがき

人名索引
著者略歴(カルロ・ギンズブルグ)
歴史家。1939年、イタリアのトリーノに生まれる。ピサ高等師範学校専修課程修了。ボローニャ大学・近世史講座教授、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校教授を経て、ピサ高等師範学校教授。著書『夜の合戦』(上村忠男訳、みすず書房)『チーズとうじ虫』(杉山光信訳、みすず書房)『神話・寓意・徴候』(竹山博英訳、せりか書房)『闇の歴史』(竹山博英訳、せりか書房)『裁判官と歴史家』(上村忠男・堤康徳訳、平凡社)『ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎』(森尾総夫訳、みすず書房)『ピノッキオの眼』(竹山博英訳、せりか書房)『歴史・レトリック・論証』(上村忠男訳、みすず書房)『歴史を逆なでに読む』(上村忠男編訳、みすず書房)『糸と痕跡』(上村忠男訳、みすず書房)『ミクロストリアと世界史』(上村忠男編訳、みすず書房)『政治的イコノグラフィーについて』(上村忠男訳、みすず書房)『それでも。マキァヴェッリ、パスカル』(上村忠男訳、みすず書房)『恥のきずな』(上村忠男編訳、みすず書房)ほか。
著者略歴(上村忠男)
1941年兵庫県尼崎市に生まれる。東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻。著書『ヴィーコの懐疑』(みすず書房 1988)『歴史家と母たち――カルロ・ギンズブルグ論』(未來社 1994)『歴史的理性の批判のために』(岩波書店 2002)『グラムシ 獄舎の思想』(青土社 2005)『ヘテロトピア通信』(みすず書房 2012)『ヴィーコ論集成』(みすず書房 2017)ほか。訳書 グラムシ『知識人と権力』(みすず書房 1999)アガンベン『残りの時』(岩波書店 2005)『いと高き貧しさ』(共訳、みすず書房 2014)『身体の使用』(みすず書房 2016)『哲学とはなにか』(みすず書房 2017)『カルマン』(みすず書房 2022)ヴィーコ『新しい学』上・下(中公文庫 2018)カッチャーリ『死後に生きる者たち』(みすず書房 2013)ストーン『野蛮のハーモニー――ホロコースト史学論集』(みすず書房 2019)プラーツ『生の館』(共訳、みすず書房 2020)ほか多数。
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