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タイトル |
社会保障と政治、そして法 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | 中島 誠 [著・文・その他]
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出版社 |
信山社出版 |
レーベル |
現代選書 |
本体価格 (予定) |
2400円 |
シリーズ |
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ページ数 |
176p
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Cコード |
3332 |
発売予定日 |
2024-04-30 |
ジャンル |
専門/全書・双書/法律 |
ISBN |
9784797234381 |
判型 |
A5変形 |
内容紹介 |
◆社会保障制度を巡る現実政治とアカデミズムの架橋を図る貴重な書◆
社会保障制度を巡る政治と法について、政治的決定の内容(コンテンツ)における自助と連帯、政治的決定の過程(プロセス)における権力付与面でのコンセンサスとリーダーシップ、権力行使面での自制と他律といった諸相から論じ、自律した個、連帯の基盤となる共同体、そしてその両者の関係性を、正面から問いかける。【第一部:社会保障制度を巡る政治的決定の内容(コンテンツ)/第二部:社会保障制度を巡る政治的決定の過程(プロセス)】
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目次 |
『社会保障と政治、そして法』
中島 誠 著
【目 次】
・はじめに
◆第一部◆社会保障制度を巡る政治的決定の内容(コンテンツ)
◆第1章 社会保障制度改革における政策理念を巡る対立軸
◇第1節 社会保障制度改革における二大論点
⑴ 給付 対 負担(ファイナンス)
⑵ サービスの供給主体と利用者による選択決定(デリバリー)
a.参 入 規 制
b.利用者による選択の許容度と可能性
◇第2節 社会保障における人間像
◇第3節 自助と連帯の間の揺らぎ=「保障」の揺らぎ
⑴ 自助と連帯のバランス
⑵ 社会保険とは
a.民間保険と社会保険の違い
b.社会保険方式と税方式の違い
◇第4節 社会保障制度改革の決着点としての政治的決定
⑴ 政治が決める
⑵ 法学の役割
◇第5節 我が国政治における対立軸
⑴ 保守と革新
⑵ 新自由主義とポピュリズムの台頭
◇第6節 日本政治の特性
⑴「分配の政治」を通じた包摂政党たる自民党と無力な野党
⑵ 批判と綺麗事に終始するだけのリベラル
⑶ 抵抗(自分事)と調整(他人事)
◆第2章 社会保障制度改革が迫られている社会経済的背景
◇第1節 我が国社会保障の独自性と課題
⑴「現役」が「高齢者」を引き受ける
⑵「サラリーマン」が「自営業者等」を引き受ける
⑶「医療」が「福祉」を引き受ける
⑷「社会保険」が「福祉」を引き受ける
⑸「報酬設定」が「サービスの量・質」を引き受ける
⑹「イエ・ムラ・カイシャ」が「社会保障」を引き受ける
⑺「国家」が「社会」を引き受ける
⑻ 住宅と教育
a.住 宅
b.教 育
⑼ 教育・雇用・社会保障の円環
◇第2節 連帯基盤を巡る揺らぎ=「社会」の揺らぎ
⑴ 共同体(イエ、ムラ、カイシャ)の揺らぎ
a.イ エ(家族)
b.ム ラ(地域)
c.カイシャ(職域)
⑵「日本型福祉社会」
⑶ 公費負担と保険者間財政調整
a.公 費 負 担
b.保険者間財政調整
⑷ 社会的排除と格差
◇第3節 国民統合と民主主義=社会が保障するとともに、社会を保障する社会保障
⑴ 日本の豊かさを支えていたもの
⑵ 国民の分断による負のスパイラル
⑶ 民主主義と社会保障
⑷ 社会「が」保障する、社会「を」保障する社会保障
◆第3章 社会保障と社会保障法学
◇第1節 社会保障法学の現在
⑴ 社会保障法学の水準
⑵ 抵抗の社会保障法学
◇第2節 二重の宿痾
⑴ 近代化と現代化
⑵ 法学の役割そのものの宿痾
◇第3節 社会保障法学の方向性
⑴ 法理念と法解釈
⑵ 法理念と法解釈の中間項たる法理論
◇第4節 社会保障法総論の構成要素
⑴ 社会保障法総論の薄さ
⑵ 社会保障制度特有の法的道具立て
a.財 源 論
b.サービス論
⑶ 応用法学たる社会保障法学
◇第5節 社会保障を巡る政治的決定と法的枠組
⑴ 社会保障を巡る政治的決定の「内容(コンテンツ)」、そして法
⑵ 社会保障を巡る政治的決定の「過程(プロセス)」、そして法
⑶ 政治的決定の内容及び過程を巡る法理論
◆第二部◆社会保障制度を巡る政治的決定の過程(プロセス)
◆第4章 我が国における政治的決定を巡る過程(プロセス)の特徴
◇第1節 『立法学』(立法過程論)の概要
⑴『立法学―序論・立法過程論―』の内容
⑵ 立法学の意義
◇第2節 立法過程の概観と特色
⑴ 立法の具体的流れ
⑵ 執拗低音としての全会一致志向
a.議事運営についての全会一致ルール
b.与野党の攻防
⑶ 既得権益の跋扈
⑷ 同 質 社 会
⑸ 能力平等観とリーダー育成
◇第3節 立法過程における課題
⑴ 政治主導(内閣主導)の未確立
⑵ 決定と責任の所在の不明確性
⑶ 国会機能の未措定
⑷ コンセンサスとリーダーシップ
◆第5章 「分配の政治」、先送りの政治から政策本位の政治、決断の政治へ
◇第1節 「分配の政治」、先送りの政治(=与党・族議員主導)
⑴ 先送りされる改革
⑵「分配の政治」を通じた既得権擁護
◇第2節 「分配の政治」、先送りの政治を生み出す政治制度
⑴ 自民党長期政権を支えた二大基盤たる中選挙区制と与党審査
a.包摂政党たる自民党
b.自民党の権力基盤
⑵ 族議員と派閥
a.族 議 員
b.派 閥
⑶ 選挙制度改革による影響
◇第3節 「分配の政治」、先送りの政治を生み出す政治風土
⑴ 和 魂 洋 才
⑵ 典型としてのボトムアップによるコンセンサス形成
a.自民党派閥の系譜
b.竹下 登
c. 田 中 角 栄
d. 小 沢 一 郎
⑶ 例外としてのトップダウン型リーダーシップ
a.小泉純一郎
b.安 倍 晋 三
◇第4節 部分と全体
⑴ 部分利益と全体調和
⑵「今=ここ」
◇第5節 政策本位の政治、決断の政治(=内閣主導)
⑴「分配の政治」、先送りの政治との訣別
⑵ 内閣主導の確立
⑶ 残された課題、浮かび上がった課題
◆第6章 リーダーシップの封印構造からの脱却
◇第1節 我が国政治におけるリーダーシップ所在の分散
⑴ コンセンサス重視かリーダーシップ重視か
⑵ 現行制度に埋め込まれたリーダーシップ所在の分散性
⑶ 日本政治の伝統
⑷ 全会一致志向の起源
⑸ 日本政治史における例外とそこからの教訓
◇第2節 リーダーシップの封印を支える日本人の精神風土
⑴「なる」の論理
⑵ 中空性と母性
⑶ 主体性及び普遍的規範意識の希薄さ
◇第3節 統治構造の転換
⑴ リーダーシップを発揮できる統治構造へ
⑵ 憲法学から
a.変換議会とアリーナ議会
b.国民内閣制論
c.フォロワーシップの重要性(国民の成熟度)
⑶ 法哲学から
⑷ 政治学から
a.野 中 尚 人
b.待 鳥 聡 史
c. お手本となるウェストミンスターモデルとその他律性強化への動き
◇第4節 リーダーシップ行使に当たっての自制と他律
⑴ 安倍政権(第2次)の特色
⑵「安倍一強」からの教訓
⑶「相互的寛容」と「自制心」
⑷ あるべき姿としての内閣主導
⑸ リーダーが備えるべき徳
・お わ り に
あ と が き
主要参考文献(巻末)
事項・人名索引(巻末) |
著者略歴(中島 誠) |
中 島 誠(なかじま・まこと)
1960年 兵庫県生まれ
1984年 東京大学法学部卒業後、厚生省入省
大臣官房企画官(人事・省庁再編担当)、健康局生活習慣病対策室長、大臣官房参事官(健康・医療保険担当)、国土交通省住宅局住宅政策課長、障害保健福祉部企画課長、内閣府子ども・子育て本部審議官 等を務め、
2020年 退官
この間、2001~04年 九州大学大学院法学研究院助教授(立法学、社会保障法)に出向し、その後、一橋大学大学院法学研究科客員教授、筑波大学大学院人間総合科学研究科客員教授、筑波大学法科大学院非常勤講師、早稲田大学大学院法学研究科非常勤講師 等も経験 |