『月性を読む ~幕末「海防僧」の漢詩と建白書 ~ 』の詳細情報

月性を読む
AmazonカートAmazonで予約する
タイトル 月性を読む
サブタイトル 幕末「海防僧」の漢詩と建白書
著者 [著者区分]愛甲弘志・上田純子 [著・文・その他]
出版社 右文書院 レーベル
本体価格
(予定)
2500円 シリーズ
ページ数 344p Cコード 1095
発売予定日 2023-07-05 ジャンル 教養/単行本/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN 9784842108285 判型 46
内容紹介
近代日本の「国民」誕生を読み解く!
真実の憂国詩と建白書、『月性を読む』で解き明かす。
・「封事草稿」と「内海杞憂」とは、本書において初めて、その全文が公刊される。
・月性の言論活動・政治活動の2大テーマである
‟藩政改革”や‟尊王攘夷”に関し、その地域的・歴史的・思想的状況を詳しく注釈する。
目次
月性とは誰か︱はじめに  上田純子 ⅲ
Ⅰ 漢詩選  愛甲弘志
解説 時代が動く、詩魂がたぎる 2
異郷のうた 
懐いを秋晩香に寄す6 
精里除夜12
雨中に長崎に入る14  
旅夜16
コラム 漢詩豆知識19
故郷のうた
丙申早春21
村外散歩24
広島自り遠崎に帰る舟中27
古紙を検して土井士強の戯れに余の肖像を画けるを得たり29
日前途上口占36
交情のうた
珮川先生令嗣立大君を携えて余を精里の寓居に訪ねらる前韻に畳ねて以て呈す38
臥虎山の歌坂井先生に贈る41
志のうた
亡祖聞名院の大祥忌に賦して以て懐いを誌す 五首56
将に東游せんとして壁に題す 二首64
コラム 幕末維新の漢詩 70
憂国のうた
詩を作る71
執政浦大夫父子延見す此を賦して下執事に呈す80
紙鳶97
雨中に須佐に入る98
写真 「作詩」稿本 79
Ⅱ 建白書  上田純子
解説 方外にあって、天下国家を論ず 102
封事草稿106
解題 106
閣下の立派な御意志に応えて、直言いたします110 
天、幕府の失政を怒る115 
天変地異と外国船の来航118 
二百余年の太平の末に124 
戦って後に備える128 
今こそ王政復古の好機会132 
非常の変乱には非常の政治135 
改革すべきは速やかに改革を140 
改革には能力主義の人材登用を142 
権要の職は頻繁に交替させない145 
漢室中興の祖、宣帝の治世に学ぶ150 
非常の改革は適材適所の人材登用から154 
倹約令は、枝葉末節、本末転倒のありさま158 
参勤交代の経費を削減せよ163 
奥向きをはじめ江戸邸の経費を削減せよ168 
幕府対策機密費を削減せよ173 
千載一遇、相模国の警衛は大改革の好機会177
特別会計の撫育金を放出せよ180 
参考=秋良敦之助欄外加筆184 
決然と国家百年の大弊改革を 187
コラム 「清狂」する月性―清狂の号について113
写真 尊攘堂本「封事草稿」内表紙109
内海杞憂192
解題 192
民間在野の〝王臣〟として、国家の大事を論ずる194 
海辺防備の空白を杞憂する196
〝孤島〟大島郡の海防五策200 
大義が廃れ、利欲がはびこる時代に204 
民を勇者とするには206 
民を訓練して戦う兵士に210 
土着屯田の民兵組織を213 
贅沢品を武器に 215 
火薬は地元の原料で219 
民が大義を知れば221 
大島一郡から日本全国へ223
写真 周防大島-大畠瀬戸-遠崎201 
海防意見封事226 
解題 226
今まさに天下の心配ごとは…230 
危機に立たされた仏法234 
仏法は国のあってこそ238
インドは国を乗っ取られ、仏法は滅びた242 
教えと戦―侵略の二つの手口247 
神州におけるポルトガル人の渡来、キリスト教の受容と排除、そして犠牲253 
教えによって教えを防ぐ、その責は仏者にあり264 
ひるがえって今の仏者を省みるに…270 
仏法への非難排斥、まずは自省して改めよ273 
自ら振起して護法を誓う276 
他力信心を得たからには、公事を疎かにしてはならぬ―説法⑴ 279 
今日最重要の公事、それは海防である説法⑵286
心を一つにして諸外国の誘惑を防ぐべし―説法⑶296 
生きて勤王の忠臣となり、死して往生成仏せよ―説法⑷301 
大法主・高僧も天下に教え導きたまえ304 
今の時にこそ、国家は再び興起し、宗門も再び隆起する309
コラム海防僧の誕生283
用語解説314
清狂と文人交遊、そして海防と民衆説法―月性の活動略年譜320
謝辞 公益財団法人僧月性顕彰会324
歴史を紡ぐ人たち―あとがきに代えて 愛甲弘志324
著者略歴(愛甲弘志・上田純子)
愛甲弘志(あいこう ひろし)
1955年、鹿児島県に生まれる
1982年、九州大学大学院文学研究科博士後期 課程中途退学
現在、京都女子大学名誉教授
〔主要著作〕
『貶謫と貶謫文学』(共訳)、勉誠出版、2017年
「漢詩のなかの月性」『幕末維新のリアル』吉川弘 文館、2018年
『賈島研究』(共編)、汲古書院、2021年


上田純子(うえだ じゅんこ)
1968年、愛媛県に生まれる
2004年、東京大学大学院人文社会系研究科博 士課程修了、博士(文学)専攻、日本近世史
〔主要著作〕
「長州藩の国事周旋と益田右衛門介」明治維新史 学会編『幕末維新の政治と人物』有志舎、2016年
「儒学と真宗説法」塩出浩之編『公論と交際の東 アジア近代』東京大学出版会、2016年
「僧月性の交友と交際」『幕末維新のリアル』吉川 弘文館、2018年
『山口県史 通史編 幕末維新』山口県、2019 年(分担執筆)
他の書籍を検索する