『曲がり角の向こう――現代社会への問いかけ――』の詳細情報

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タイトル 曲がり角の向こう――現代社会への問いかけ――
サブタイトル
著者 [著者区分]庭田茂吉 [編集]
出版社 萌書房 レーベル
本体価格
(予定)
2400円 シリーズ
ページ数 304p Cコード 1036
発売予定日 2023-04-07 ジャンル 教養/単行本/社会
ISBN 9784860651626 判型 46
内容紹介
今まさに大きな転換の最中にある日本社会。その行く先を,テクノロジーの進展がもたらす豊かさではなく,貧困―ベンヤミンの「経験の貧困」とスティグレールの「象徴の貧困」―を導きの糸として考察。そこから見えてくる風景とは?
目次
序 章 近代社会から現代社会へ、あるいは三つの貧困について
     ―エンゲルス、ベンヤミン、スティグレール―
 一 古典的貧困の問題
    ―近代は本当に終わったのか?―
 二 科学技術の途方もない発展と資本制システムの変質
    ―経験の貧困―
 三 高度産業社会と自己破壊的資本制システム
    ―象徴の貧困―

第Ⅰ部 欲求と芸術の諸事情
第1章 欲求と稀少性
 一 稀少性の生産としての現代
 二 欲求創造と現代の資本主義
 三 イデオロギーとしての現代資本主義
 四 欲求の充足と欲求の希求
 五 欲望の未来

第2章 現代の芸術のディスクール
     ―展開か消滅か―
 一 “芸術”はどうなっているのか
 二 “モダン”の芸術のディスクール
 三 結  び
    ―“モダンの世界の芸術”として―

第Ⅱ部 メディア、教育、そして政治へ
第3章 現代メディア論
    ―経験の貧困から新しい自己へ―
 一 マクルーハンと現代のメディア
 二 インターネットと〈人間の野蛮化〉
 三 〈経験の貧困〉と〈部族化〉
 四 新しい自己
 おわりに

第4章 現代日本の学校教育と「経験の貧困」
     ―不吉な未来世界への序曲―
 一 現代日本の学校教育の曲がり角
 二 美しき理想としての「社会に開かれた教育課程」
 三 醜き妄執としての「社会に開かれた教育課程」
 四 「経験と貧困」が開示するもの
 五 「物語作者」が教示するもの
 六 不吉な未来世界への序曲

第5章 ポピュリズムは政治的貧困か?
 はじめに
 一 影との戦い
 二 ポピュリズムの起源
 三 左派ポピュリズムについて
 四 ルソーの問い
 五 思考の空隙を埋めるもの
 おわりに

第Ⅲ部 ナルシスたちの惑い
第6章 少女型意識の変質
     ―見田宗介を手がかりに―
 一 思想としての少女
 二 少女型意識をデザインする
 三 現実と反現実
 四 閉じた物語
 五 ロマンチックの後に何が残ったのか

第7章 性のオナニズム化と性愛の行方
     ―金塚貞文のオナニー論を手がかりに―
 一 「セックスよりマスターベーションの方がいい」
 二 性体験のオナニー的構造
 三 オナニーと性交
 四 ポルノグラフィとオナニストの身体
 五 異常としての性愛

第Ⅳ部 それぞれの曲がり角、生き方の問題
第8章 現代社会と宗教思想
 一 内村鑑三と「自力」の問題
 二 不敬事件とその後の内村の信仰の深まり
 三 清沢満之と「欲望」の問題

第9章 「自分が自分になることができない貧しさ」と西田哲学
 一 西田幾多郎の「純粋経験」とスティグレールの「象徴の貧困」
 二 三木清の西田哲学批判
 三 「矛盾」の世界に生きる自己

終 章 現代社会と人間の〈死〉
 はじめに
 一 マルセルと人間の危機
 二 種田山頭火の俳句世界
 三 長田弘の詩の世界
 おわりに
著者略歴(庭田茂吉)
一九五一年生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程後期修了、博士(哲学)。現在,同志社大学名誉教授。『レヴィナスからレヴィナスへ』(萌書房)、『ヂゞイ・テリブル、あるいは反時代的考察』(萌書房)、『日常の中の哲学』(萌書房)ほか。 
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