『夜の潜水艦』の詳細情報

夜の潜水艦
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タイトル 夜の潜水艦
サブタイトル
著者 [著者区分]■陳 春成 [著・文・その他]
■大久保 洋子 [翻訳]
出版社 アストラハウス レーベル
本体価格
(予定)
2200円 シリーズ
ページ数 246p Cコード 0097
発売予定日 2023-05-27 ジャンル 一般/単行本/外国文学小説
ISBN 9784908184437 判型 46
内容紹介
潜水艦は永遠の夜を航行する。
イマジネーションの極まる、“その先”へ――

迷宮のようなプロットと東洋の美学が織りなす、
中国文学の新星による至高の作品集

「彼の作品に登場する人物の多くは、千変万化する世間のありようについてゆくことができず、自分の空想世界にひきこもることによって精神のバランスを保つ。彼らは、激動の変化を遂げ続ける中国社会の片隅に、ひっそりと、だが確実に存在する人々の姿を映しているに違いない。同時にそれは、この本を読む私たちの姿にもどこか似ているように思われる。」(訳者解説より)

「一九六六年のある寒い夜、ボルヘスは汽船の甲板に立ち、海に向けて一枚の硬貨を抛った。」と始まる表題作「夜の潜水艦」は、少年の空想世界が現実との境界線を失っていくという奇譚。「竹峰寺 鍵と碑の物語」で主人公の青年は、失われた実家の鍵はUSBメモリーで、家は完全な状態でメモリの中に保存されていると考える。……8つの中短編は、ひとつひとつ全く異なる世界を細やかに描きながら、大胆なイマジネーションで独自の文学世界を構築していく。中国の若者に大きな共感を呼んだ、新たな中国文学の潮流となり得る気鋭の作家、記念すべき初邦訳作品。


CONTENTS
夜の潜水艦  005
竹峰寺 鍵と碑の物語   031
彩筆伝承  079
裁雲記  103
杜氏(とうじ)  123
李茵(リ・イン)の湖  137
尺波(せきは) 163
音楽家  181
解説  254
目次
著者略歴(陳 春成)
【著者】陳 春成(ちん・しゅんせい/Chen Chuncheng)
1990年中国福建省寧徳市生まれ。土木系学部に進学し、専門を学ぶかたわら詩や散文を書く。卒業後、造園技師として地元の植物園に勤務しながらSNSや文芸誌で小説を発表。2019年、「音楽家」が文芸誌『収獲』中篇小説賞を受賞。本書『夜の潜水艦』は著者のデビュー短編集で、中国で出版されるや大胆なイマジネーションとエレガントな文体が大きな話題となり、同年の「豆瓣(ドウバン)」中国文学小説類ランキング第1位、2021年の「『亜洲週刊』が選ぶ十大小説」第2位に選出された。さらに第1回PAGE ONE文学賞、第6回単向街書店文学賞、第4回ブランパン理想国文学賞を立て続けに受賞するなど、高い評価を受けている。現在は専業作家として福建省泉州市を拠点に活動している。
著者略歴(大久保 洋子)
【翻訳】大久保洋子(おおくぼ ひろこ)
1972年東京生まれ。北京師範大学文学院で中国近現代文学専攻。文学博士。訳書に郝景芳『流浪蒼穹』(共訳、早川書房)、「ポジティブレンガ」(『絶縁』小学館)、陸秋槎「物語の歌い手」(『ガーンズバック変換』早川書房)、宝樹「時の祝福」(『中国史SF短篇集 移動迷宮』中央公論新社)、江波「太陽に別れを告げる日」(『時のきざはし 現代中華SF傑作選』新紀元社)、葉広芩「外人墓地」(『胡同旧事』中国書店)、郁達夫「還郷記」(『中国現代散文傑作選1920-1940』勉誠出版)など。
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