『民話の森叢書3 ハルモニが語る朝鮮王朝末の暮らしと文化』の詳細情報

民話の森叢書3 ハルモニが語る朝鮮王朝末の暮らしと文化
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タイトル 民話の森叢書3 ハルモニが語る朝鮮王朝末の暮らしと文化
サブタイトル
著者 [著者区分]■フランセス・カーペンター [著・文・その他]
■中西康貴 [翻訳]
■樋口淳 [解説]
出版社 民話の森 レーベル
本体価格
(予定)
2200円 シリーズ 民話の森叢書
ページ数 280p Cコード 0098
発売予定日 2023-06-30 ジャンル 一般/単行本/外国文学、その他
ISBN 9784910603186 判型 A5
内容紹介
アメリカの女性紀行作家・フランセス・カーペンター(1890-1972)のTales of Korean Grandmotherの翻訳。カーペンターは、イザベラ・バードと同じく飛行機もなく交通手段の不自由な時代に、紀行作家であった父フランク(1855-1925)とともに世界中を旅し、撮影助手として近代化以前の世界の貴重な記録を残した。
本書は、朝鮮王朝末期を生きたハルモニが、二人の孫に昔話を通して当時の暮らしと伝統文化を語り伝える形式をとっている。ハルモニは朝鮮近代化の旗手・金弘集の母とされ、広壮な両班屋敷に暮らしているが、当時の習慣に従って家を一歩もでることはない。しかし、家政の一切をとりしきる彼女は、外の世界の情勢をふくめて何でも知っている。
ハルモニから昔話を聞いて育った孫娘のオクジャは、十五歳で他家に嫁ぎ、やはり屋敷を一歩も出ない生活を送り、ハルモニから伝えられた昔話を孫たちに語り伝えるが、その孫娘は路面電車やバスに乗って梨花女子大学に通うことになる。
一九四七年に書かれたこの昔話集は、戦争直後であったために日本に対するアメリカ人女性の厳しい視線が伺えるが、その後の朝鮮戦争(1950-53)を経て、日本はアメリカの友好国に変化した。一九二五年に書かれた父フランクの『日本朝鮮紀行』でも、日本に対する視線は友好的であったから、その間のアメリカの日本に対する見方の変化を知る上でも、貴重な記録であると言えよう。
目次
口絵:カーペンターの見た朝鮮王朝末期の人々
1. 金(キム)の家
2. 明るい朝の国
3. 箕子(イジャ)の陶器の帽子
4. 犬と猫が友達になれないわけ
5. 砧杵(綾巻)と大根
6. 虎と子犬
7. 五つの徳を備えた鳥
8. 沈清(シムチョン)
9. 千年生きた男
10. 蛙にもらった宝
11. 上元節のお祝い
12. 韓国のシンデレラ
13. 亀に乗ったウサギ
14. 天からいただいた文字
15. 喪歌僧舞老人哭
16. 笑いすぎたアリ
17. 猫の毛から出た米
18. 乞食の友達
19. 汚れない王妃姜氏の村
20. 話を買った話
21. 二体の石の巨人
22. モグラと弥勒
23. 王さまの七番目の娘
24. 木こりと山神
25. 善良な弟の報い
26. パンスと馬丁
27. スズメとハエ
28. 上前をはねた利口なシム
29. 虎撃ちと鏡
30. オンドリとムカデ
31.  花の散る岩
32. 終わりに……ずっとずっと何年も後の、オクジャの不思議な物語
あとがき
参考文献
著者略歴(フランセス・カーペンター)
Frances Carpenter (1890 ~ 1972)
紀行作家フランク・カーペンターの娘としてワシントンD.C.で生まれ、
父の秘書兼撮影担当助手として世界各地を旅し数多くの貴重な記録を残した。
外交官ウィリアム・パンティントンとの結婚後も活動を継続し、
1930年以降に「お婆さんの語りシリーズ」を刊行。本書はその5冊目にあたる。
ほかに20冊を超える民族誌に関する著作があり、生涯を「旅する民俗学者」として過ごした。
著者略歴(中西康貴)
中西康貴 (翻訳)
1957年和歌山市に生まれる。1976年に専修大学入学。卒業後、団体職員を経て翻訳に従事。
翻訳にロジャー・ジャネリ/任敦姫著「韓国農村の祖先祭祀と資本主義的産業化」(専修大学人文科学年報 第50号)、
ロジャー・ジャネリ著『資本主義をつくる』(風響社・近刊)などがある。
著者略歴(樋口淳)
樋口淳 (解説)
1964年に東京教育大学入学。ベルギー政府給費留学生としてルーヴァン大学に学び、1975年
に帰国し専修大学に勤務。翻訳にロジャー・ジャネリ/任敦姫著『祖先祭祀と韓国社会』(第一書房・1993)、
崔仁鶴/厳鎔姫編著『韓国昔話集成・全八巻』(悠書館・2013 ~ 2020)などがある。
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